- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065164907
作品紹介・あらすじ
小説で楽しく歴史が学べるって本当ですか?
今を代表する6人の人気作家が戦国時代のキーワードを元に短編小説を書き下ろし。さらに各作品に解説・ブックガイドも。楽しく読んで、楽しく学ぶ。戦国がもっと好きになる!
【おもな内容】
1限目 下剋上・軍師・・・矢野隆先生(「一時の主」)
2限目 合戦の作法・・・木下昌輝先生(「又左の首取り」)
3限目 海賊・・・天野純希先生(「悪童たちの海」)
4限目 戦国大名と家臣・・・武川佑先生(「鈴籾の子ら」)
5限目 宗教・文化・・・澤田瞳子先生(「蠅」)
6限目 武将の死に様・・・今村翔吾先生(「消滅の流儀」)
ホームルーム(解説・ブックガイド)・・・末國善己先生
感想・レビュー・書評
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6つのテーマに基づいた6人の作家による短編と、そのテーマについての解説、ブックガイドが掲載された、なかなか凝った内容。
1時限目『下剋上・軍師』
「一時の主」矢野隆(黒田官兵衛)
2時限目『合戦の作法』
「又左の首取り」木下昌輝(前田利家)
3時限目『海賊』
「悪童たちの海」天野純希(冷泉新五郎)
4時限目『戦国大名と家臣』
「鈴籾の子ら」武川佑(新発田重家)
5時限目『宗教・文化』
「蠅」澤田瞳子(応其)
6時限目『武将の死に様』
「消滅の流儀」今村翔吾(松永久秀)
それぞれの短編も面白かった。
関ヶ原の戦いに於いての黒田官兵衛とその息子・長政との考え方、価値観の違いが浮き彫りになる1時限目。ジェネレーションギャップというよりは、時代の潮目を見切った人の違いということだろうか。
同じ傾奇者として出発しながら途中で路線を変えた織田信長、いつまでも生き方を変えられない前田利家の違いを描く2時限目。二人に影響を与えたそれぞれの人物が敗れ去る側というのが興味深い。
3時限目は個人的には新鮮な海賊もの。新五郎たちの行く末には不穏なものしか感じないのだが、それでいてどこか痛快なような青春もののような感じも受ける。
4時限目と5時限目は申し訳ないが、あまり小説としての魅力は感じなかった。
6時限目は「じんかん」でも松永久秀を描いた今村翔吾さんの短編。「じんかん」とは少し前半生の設定を変えてあった。どちらが先に書かれたのかは分からないが、『悪名も名でござろう?』という松永のセリフやそこに至る展開は「じんかん」よりもスンナリと受け入れられた。
それぞれの短編のあとに挟まれる解説もなかなか興味深い。
特に戦国での作法、大名と国主の関係、海賊など知らないことも多かったのでこれから時代物を読む上でも参考になりそうだ。
ブックガイドもかなりの数。古いものから新しいものまで色々あった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6つのテーマにそった短編小説と、末國善己による解説・ブックガイド。
短編集は、独立した読み物としてちゃんとおもしろかった。
小説を読んでからの用語解説なので、イメージしやすいつくり。
歴史が苦手な人にとって、まさにいい教科書になるのでは。
本の紹介コーナーが興味深い。
紹介される作家に重複が多く、偏っていたのが、やや残念。 -
歴史の本を読みたくて、
Amazonで見つけて購入しました。
6つのテーマで、6話の短編集です。
個人的に好きだったのは、
「鈴籾の子ら」と「消滅の流儀」です。
「鈴籾の子ら」
戦争や戦に巻き込まれる民たちと、
そこで育てていたものたちが壊されて。
必死に守ろうとする民たち。
最後は読んでいて涙でした。
闘っているのは、武士だけじゃないよなって。
「消滅の流儀」
今村翔吾さんの作品で、松永久秀の最期を描いています。「じんかん」を買っていたので、フライングのような気持ちでしたが、読み比べもできると思っています。
最期の場面は劇的で圧倒的でした。
澤田瞳子さんも気になっている作家さんなので、
どこかのタイミングで作品読んでみたいと思っています。 -
テーマが決まった戦国時代の短編が6話。そのテーマの解説とテーマに沿った色々な本の紹介付き。村上海賊しか知らなかった自分としては倭寇の話が新鮮でした。そして読んでみたい本がたくさん増えて困ったなあ
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こういうのいいなあ、単なる歴史小説の短編集でなく、テーマを設定した上で
物語と解説をワンセットにしてあってまさに授業を受けてるかんじ。
あらためて歴史小説は作者が色をつけるものなんだなあ、と。解説もおもしろいけどもテーマに沿ったお勧め本が多数掲載されているのもお得感。出版社などへの忖度を超えてほんとに多岐にわたる関連本が紹介されていて、講談社さんすごいなとおもった。
全6講座、以下備忘録に。
【テーマ】タイトル/作者(物語のキー人物) の順、以下備忘録。
【下剋上・軍師】一時の主/矢野隆(黒田官兵衛)
【合戦の作法】又佐の首取り/木下昌輝(前田利家)
【海賊】悪童たちの海/天野純希(徐海&冷泉新五郎)
【戦国大名と家臣】鈴籾の子ら/武田佑(新発田重家)
【宗教・文化】蠅/澤田瞳子(木食王其)
【武将の死に様】生滅の流儀/今村翔吾(松永久秀)
解説・ブックガイドは末國善己さん。 -
しまった。風雲と同じ内容だった〜。題名変えるのはやめてほしいんだが、、、。
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印象に残るのは、
又左、相手への作法が自身の纏う雰囲氣を変える。
海賊、成長によるかつての大事が今は些事に。
弾正、汚名も厭わぬ覚悟で名を刻み生きた証を問う。