危険なビーナス (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065165836

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾の比較的最近の作品(2016年単行本、2019年文庫本)。
    獣医の手島伯朗が主人公。伯朗の異父弟の矢神明人が行方不明だと言ってその妻と名乗る楓が伯朗を訪ねて来るところからこの物語は始まる。
    伯朗の父親手島一清は画家で伯朗が5才の時に病死、母親が再婚した相手が資産家の長男で精神科医の矢神康治、明人の父親である。二人の母親の禎子は16年前に他界、康治も病床に臥しており余命長くない。
    行方不明の明人の消息に矢神一族が関係していると思っている楓が伯朗に協力を求めて、矢神一族に近づき探ぐっていく。
    一族に怪しい人間が何人も登場し、先に亡くなった康治の父親、即ち明人の祖父矢神康之介の残した遺産相続の件で一族に争いが起きる。
    そして禎子は事故死とされているが、殺されたのではないかと疑問が生じて、事件は急展開する。
    正義感が強いが女に惚れっぽい伯朗、康之介の遺産を全て相続するとされた天才的な頭脳の持ち主の明人、美人で魅力的な楓、精神科医で脳の研究に没頭した康治、そして脳腫瘍の治療を康治から受けた一清の脳の変化が事件の鍵を握ることが判ってくるが、禎子の悲しい死因が判って事件は解決する。
    ところが最後にえ〜!とびっくりするような全く予想外の展開の結末になり、でもちょっと軽いノリのように思える無理がある展開だなあとは思いつつ、それでも今までにない楽しい感じの種明かしのような結末に大満足。

  • 文庫化されたと見て、思わずのめり込みました。
    最後の数ページまで、謎は解けませんでした。
    思いもよらない結末に唖然です。
    これぞ、東野圭吾の真骨頂ですね。⭕️

  • これまで読んだ東野圭吾の作品の中で、一番ド派手な仕掛けが施されていた。
    ばら撒かれて行く謎にドキドキ冷や冷やしながらも、最後にキレイに回収してくれるのを楽しんだ。

  • 最高。圭吾大好きと改めて思う。
    なかなかの長編で、読んでいくうちに犯人や展開を随時予想したけど、まったくもって外れ、完全に予想外。
    いやーおもしろい。
    今回は医療、数学者、美術、そして警察の専門的なこともたくさん知ることができた。
    楓がかっこよすぎる!こんな女になりたかった!
    伯朗、素敵な男性だった!

  • 面白かった。
    東野圭吾って感じでした。

    主人公の恋心もあり、
    ハラハラ、ドキドキ、ワクワク。

  • 独身獣医の伯郎の元に、弟の妻と名乗る女性が現れる、矢神財閥の系統者である弟は失踪したと。弟の妻である楓に振り回される伯郎の、片思い男性のアルアル行動がよくわかります。
    物語として重厚なものはなかったものの、終わり方が伏線を全て回収したすっきりした内容だったのが読み終わって爽快でした。
    個人的には、看護師の女性ともう一つ越えた話が合った方が楽しめた気がします。

  • 2020年10-12月期、TBS系「日曜劇場」の原作である。第1回の放送を観てその展開の面白さに舌を巻き、「ドラマの放送中に原作本をAmazonで取り寄せる」という、僕にとって初めてのことをさせた本だ。

    主人公・伯朗の弟、明人は一体どこに、誰が拉致しているのか。そして伯朗の母、禎子は本当に事故死だったのか。この物語にずっとつきまとう2つの大きな謎が、全487ページの最後のわずか54ページ――全体の11%までになってやっと解明される、しかもこんなまさかの結末って、アリ? ドラマを見続けている人はそもそもこの「ネタバレレヴュー」を読んでないと思いますが、ドラマを最後まで楽しみたいなら、この小説を読むのは後回しにした方が絶対にいいです。それくらい最後のどんでん返しが衝撃的。伯朗が「自分が世界一の間抜けのように思えた。」と自らを評しているシーンがあるが(p. 471)、それがそのまま読者である僕自身に向けられているような気さえするのである。

    東野圭吾おそるべし。そう、大阪出身の彼が、吉本新喜劇の「よくある展開」をこの小説で採用したと言えなくもないのだ(吉高由里子さんの役を、思わず鮫島幸恵さんと重ねてしまった)……って、それはさすがに無理繰りな解釈かな。

  • 思ってたのと違って、今まで私が読んだ東野圭吾の本とは違うタイプだと思ったけど面白かった。最後に感動するようなそんな話を期待していたがまさか最後が「パンツは見えなかった」だとは笑 これはこれで面白かったけど笑  

    前半は登場人物の構成が複雑で人物名と明人との関係がなかなか結びつかず、ページを戻ったりしたが後半になって慣れてくると楽しめた。途中から楓が明人の妻でないということに薄々気づいてはいたがその正体がわかった時は驚いた。楓にはこの本を読んでる3日間振り回されたなあ。笑 正直禎子を殺したのが憲三だったことを知った時よりも楓の正体を知ったときの方が驚いた。

  • ドラマでもみたが、原作もまた良かったですね。楓ラストまで魅力的だった!

  • 面白かった。禎子の死に矢神家の陰謀や秘密が絡んでるとばかり思ってたけど、秘密があるのは身内のほうだったとは。
    やっぱり、作中のリアルタイムで人が殺されない物語は読んでて暗い気分にならないので好きです。
    兄弟の明るい未来を予感させるいい終わり方でした。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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