十四歳日和

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 243
感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065166727

作品紹介・あらすじ

本当の自分を探しに行く! 十四歳の一年間を瑞々しく描く、オムニバス。男子も、女子も、みんないろいろ抱えてる。

1 「ボーダレスガール」 いけてるグループに入れた葉子だが、本当の自分の居場所はここではないって気づいてる。でも、現実は甘くなくて…。
2 「夏色プール」 たけるは、水泳クラブで小さなころからずっと芙美といっしょだった。でも芙美に好きな人できてから、調子がおかしくなったのだが!?
3 「十四歳、エスケープ」 すごく軽い気持ちで応募したオーディションの一次審査に通った、律。その日から世界が変わってしまった。でも私、本当にアイドルになりたいの?
4 「星光る」人当たりは悪くないし、勉強だって頑張っている、大地。でも謎めいた学年1位にどうしても勝てない…。だれなんだ、1位は?

感想・レビュー・書評

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  • 十四歳って悩める時期なんだなぁ。大人じゃないけど、子どもからは抜け出そうとしてる。ボーダレスガールの葉子の「日陰にいる人」「日向にいる人」居心地悪くても日向の方がいいと思う気持ち…それは大人になっても同じかも。短編の中で「星光る」頑張って一番お気に入り。百井君の強さがいつかちゃんと報われて、幸せになってほしい…と涙腺が緩んだ。これデビュー作かな、中学生にも読んでほしい。

  • 中学二年生のとあるクラス内の、人間模様を数人の目を通してみる事が出来る連作集です。学校と言えば人間関係のヒエラルキー維持で多大なエネルギーを消費しますね。上手く渡って行けなかった自分を思い返すと忸怩たる思いもありますが、やはりこういう体当たりの青春って読んでいて眩しいですね。
    成長に伴って一緒に居る仲間が変わって、以前の友人と過ごすことが出来なくなったり。幼馴染が異性だったことに気が付いて気まずくなる瞬間があったり。無理な背伸びをして本来の自分が楽しいと思う事を見失ったり。自分より劣っていると思っていたクラスメイトに負けてしまった瞬間に湧き上がる理不尽な怒りだったり。
    児童文学ですが大人が読むと、逆に「あー、分かるかも」と思う瞬間がいくつもありました。今なら簡単に手を差し伸べられる事も、同調圧力や異物排斥の雰囲気に呑まれて見て見ぬ振りをしてしまったりした事が思い出されます。

    自分が14歳の時はちょうど転校があって、上手く人と馴染めなくなった切っ掛けになった事を思い出します。時々仲良くなる友達はいましたが、どういう風に付き合うのが友達なのか分からなくなってしまって、結構大変な時代だったような気がします。

    児童文学は一般の読者の目に触れる事が少ないですが、時々読んでも非常に当たりが多い印象です。やはり未来ある若者に向けた本はいい本であって欲しいです。

  • 連作短編なのでさくさく読めた。それぞれの章の登場人物たちがゆるくつながってるのが楽しい。
    心理描写がうまく、十四歳の頃ってこんなだったなーと共感しながら読めた。面白かったです。

  • いけてるグループにいる葉子だが、自分の居場所に悩んでいる──「ボーダレスガール」

    幼なじみの芙美が新任教師に恋していることに心穏やかでないたけるは──「夏色プール」

    アイドルグループのオーディション一次審査に合格した律はきらきらした世界にあこがれて──「十四歳エスケープ」

    いくら勉強しても万年二位の大地、ライバルがさえない百井だったことを知ると──「星光る」

    田んぼの広がる平凡な田舎町に暮らす“十四歳”の揺れ動く心を描いた連作短編集

    《男子も、女子も、みんないろいろ抱えてる……。》──帯のコピー

    第59回(2018年)講談社児童文学新人賞受賞作

  • さくさくと読めるため、一日で読了。
    森絵都のクラスメイツを思い起こさせる感じの小説。
    1話目のボーダーレスガールが個人的には秀逸だと思う。途中で読むことを止められなかった。

  • 中学2年生の主人公と、主人公に関わっている、その他のクラスメイトの物語を短編にした本だった。
    中学2年生、14歳ならではの考え方や周りの環境
    などを思い出し、少し懐かしさを感じた。

  • 2018講談社児童文学新人賞受賞作品

    「本当の自分を探しに行く! 十四歳の一年間を瑞々しく描く、オムニバス。男子も、女子も、みんないろいろ抱えてる。

    1 「ボーダレスガール」 いけてるグループに入れた葉子だが、本当の自分の居場所はここではないって気づいてる。でも、現実は甘くなくて…。
    2 「夏色プール」 たけるは、水泳クラブで小さなころからずっと芙美といっしょだった。でも芙美に好きな人できてから、調子がおかしくなったのだが!?
    3 「十四歳、エスケープ」 すごく軽い気持ちで応募したオーディションの一次審査に通った、律。その日から世界が変わってしまった。でも私、本当にアイドルになりたいの?
    4 「星光る」人当たりは悪くないし、勉強だって頑張っている、大地。でも謎めいた学年1位にどうしても勝てない…。だれなんだ、1位は?」

  • R4年度卒業選書 
    友情や恋や成績、クラスでの立場など、誰もが一度はつきあたる壁があります。この本に登場する同じクラスの男女4人もそれぞれの悩みを抱えていますが、どう対処するでしょう。さわやかで前向きな気持ちになれますよ。

  • 連作。まとまりがあるようなないような。でも、この章の受賞作の中では、かなり良かった!

  • 個人的な意見だが、14歳というのは身も心も子供から大人へと移り変わる一番の過渡期だと思う。だからこそ、揺れ動く14歳をモチーフにした作品が多いのだと思う。移り行く季節と14歳の物語。

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著者プロフィール

1990年、香川県生まれ。大阪府在住。関西大学文学部初等教育学専修卒業。「14歳日和」(『十四歳日和』と改題)で第59回講談社児童文学新人賞受賞。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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