異邦の香り ネルヴァル『東方紀行』論 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065166765

作品紹介・あらすじ

ウィーン、カイロ、シリアを経てコンスタンチノープルへ。『東方紀行』は異国への憧憬と幻想に彩られながら、オリエンタリズムの批判者サイードにさえ愛された、遊歩者(フラヌール)ネルヴァルの面目躍如たる旅行記であった。四十代で縊死、時を経てプルースト、ブルトンらにより再評価された十九世紀ロマン派詩人ネルヴァルの魅力をみずみずしい筆致で描く傑作評論。読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞作。
巻末に、東京大学文学部での最終講義「ネルヴァルと夢の書物」を収録。

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    ウィーン、カイロ、シリアを経てコンスタンチノープルへ。『東方紀行』は異国への憧憬と幻想に彩られながら、オリエンタリズムの批判者サイードにさえ愛された、遊歩者(フラヌール)ネルヴァルの面目躍如たる旅行記であった。四十代で縊死、時を経てプルースト、ブルトンらにより再評価された十九世紀ロマン派詩人ネルヴァルの魅力をみずみずしい筆致で描く傑作評論。読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞作。
    巻末に、東京大学文学部での最終講義「ネルヴァルと夢の書物」を収録。
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065166765
    (単行本)
    「東方の甘美な香りに誘われ、女性探求の旅が始まる……」
    プルーストが、サイードが愛した≪世界≫文学の先駆者ネルヴァルの傑作を読む

    『東方紀行』のページを開くとき、読者はたちまち切れ目なく続く旅の運動に引き込まれる。パリからウィーン、ウィーンからエジプトへ、さらにはシリアを経てコンスタンチノープルへ。その遠心的な足取りに従うことは、いまの読者にとって、2世紀前の世界へのタイムスリップをも意味する。幾重にも超えがたい距離がそこには確かにありながら、ネルヴァルの文章自体はまさに魅惑としかいいようのない力を及ぼしてくる。それはいったいなぜなのか。――<「第1章 遊歩への誘い」より>

    第62回読売文学賞[研究・翻訳賞]受賞
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000185943

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著者プロフィール

1959年新潟県生まれ。フランス文学者、翻訳家、エッセイスト。放送大学教養学部教授、東京大学名誉教授。2001年に『ジャン・ルノワール――越境する映画』(青土社)でサントリー学芸賞、2006年に『赤ちゃん教育』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞、2011年に『異邦の香り――ネルヴァル「東方紀行」論』(講談社文芸文庫)で読売文学賞、2019年に『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社)で角川財団学芸賞受賞、2021年に小西国際交流財団日仏翻訳文学賞特別賞受賞。プレヴォ、スタンダール、バルザック、サン=テグジュペリ、ヴィアン、ネミロフスキー、トゥーサン、ウエルベックなどフランス小説の翻訳多数。著書に『こどもたちは知っている――永遠の少年少女のための文学案内』(春秋社)、『フランス文学と愛』(講談社現代新書)、『翻訳教育』(河出書房新社)、『アンドレ・バザン――映画を信じた男』(春風社)、『夢の共有――文学と翻訳と映画のはざまで』(岩波書店)ほか。

「2022年 『無垢の歌  大江健三郎と子供たちの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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