忌み地 怪談社奇聞録 (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065166789

作品紹介・あらすじ

北九州在住の怪談作家と怪談社主管が、地元の怪しい物件調査を敢行。そこで起きたことは、書くにも躊躇するような恐ろしい・・・・。思わず下腹部が暖かくなる、最恐の物件怪談。

感想・レビュー・書評

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  • 怪談実話を収集している怪談社さん
    この本は、実際に足を運んで聞いたお話を集めたものだそう。

    よくできた怪談話のように
    明確にオチがあるわけではなく
    謎な終わり方も多い
    でも、実はそっちの方が怖い
    原因がわからないまま終わる恐ろしさ

    じわじわくる怖さのある本でした。

  • 私が、怪談が好きで色んな話を聞いていたということが前提になるのだけれど。

    多くが話も、どこかで聞いたことあるなあとか、YouTubeであの怪談家さんが話してたなあとか、そんな感じ。

    すごい怖いという感じはないけれど、それなりに楽しめるものではあるかな。

  • 「怪奇小説好きは、結局怪奇実話に落ち着く」とも言われる。言い換えれば「ホラー好きは怪談実話にたどりつく」というところか。
    怪談師の大家・I川御大は「創作している」ことを公言しているが、確かに聞くと小泉八雲や小川未明が元ネタだというものがわかる。実話怪談と名がついていても、読むとどこかで聞いたパターンというのも少なくない。
    しかし、怪談社や彼らが出演する番組で語られる実話怪談は独特なものがかなり多い。
    この本も水辺の幽霊・井戸は恐ろしい・事故物件の怪という怪談の定石もありながら、「発想が鋭すぎる」、特異な実話怪談がメイン。
    取材で得た話、伝聞のため、はっきり怪異が描かれないことも多いし、何があったのかもわからないこともある。
    怪談自体は曖昧模糊としている、しかし怪しげな物件は目の前にある、怪異ははっきりわかるのに原因があやふや、怪談の予感がありながらも又聞きどころか通行人の電話という曖昧さ等々…アンバランスがむしろリアリティに溢れていて楽しい。
    某地域での怪異を集めると、朧気な全体像が見えそうで見えない、何かしらの繋がりらしきものがありそうな気がする、という感覚は、柳田国男の民俗学論のよう。
    映画や心霊ドラマのようなわかりやすい恐怖ではないけど、じんわり怖い。これぞ実話怪談!

    そういえば、本書でも紹介されてるお笑い芸人がMCの怪談番組を好きで見ているのだけれど、そこで語られる怪談もやはり唯一無二のものが多い。
    そんななか、ある人が語った話が古典怪談の焼き直しのような内容だった。ここまで見ていると「聞いたことのある話」はむしろ浮いていたのだが、「それに似た話がありますね」としっかりつっこんでいた怪談社サイドがすごく印象的だった。やっぱり古典や伝承も押さえているお二人なのだなと感心した。

  • 事故物件は事故物件を呼ぶ。
    霊は霊を呼ぶ。不思議な話だよね〜。

    実際に取材した話ということで
    オチがなかったりもするけれど、そこがまた絶妙にリアルでよいのかも。

    「底喰川」なんかゾッとして良い。

    オチのある作品を読みたいなら他の創作物を読むことをオススメ。
    この作品はリアリティなので…

  • ノンフィクションだからか怖すぎず、でもノンフィクションだからこその気味の悪さや後味の悪さがあって面白かったです。
    怪談師の方の、怪談との距離の取り方が、絶妙だなと感心しました。

  • 怪談社の取材の様子から文章に起こすという企画で、怪談を取材するシーンが頻出する珍しい実話怪談本。ネットで聞いた話を送ってくる提供者などハズレもあるが、現場で別の話を聞ける場合も多いという。そして帯にも書かれる問題の「K市」。 残穢と共に読んでみては。

  • 土地や建物など怪異が起きる場所に重点を置いた怪談実話集。大体の怪談実話集は、ただ現象だけ羅列されていて最後の方は飽きてくるのですが、これはその怪異を取材するプロセスから描かれているので飽きずに楽しめた。ひとつ前に読んだ、松尾タニシの「恐い旅」と似たようなコンセプトの本でした。
    私の家の近くにも、立地的には悪くないのに新しく入った店がどんどん潰れていく場所がある(それが霊的な理由でなのかどうかはさておき)忌み地って本当にあるんだろうなと思った。

  • 怪談集って初めて読んだけど、取材しながらコツコツ怖い話を集めていく経過も知れて、結構面白かった。以前読んだ『残穢』は完全に小説だけど、あれの内容を軽くした、ルポバージョンって感じ。

  • そんなにおもしろくはない。並。旅行の電車用みたいな。

  • なかなか生々しい怪談本であった。

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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