傭兵と小説家 (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 講談社
4.00
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本棚登録 : 48
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (816ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065166987

作品紹介・あらすじ

どでかい原石を見つけたな、と驚いた。

読み終えたとき、誰かに勧めたくなる一冊なのは間違いない。

――『幼女戦記』のカルロ・ゼン、大推薦!!



星海社FICTIONS新人賞受賞作、総ページ数800P越え。

この才能を何としても世に問いたい! 驚きの星海社出血スペシャルプライス900円!!


――正暦(せいれき)1873年の春、俺は小説家と旅をした。

大陸横断鉄道が完成し、蒸気機関の煙が街を覆う高度成長の時代――教会が絶対的な権勢を誇るユナリア合衆教皇国では、傭兵稼業は時代遅れの仕事になりつつあった。教皇庁により勤め先を潰された一人の傭兵・ソードのもとに、国民的人気を博す小説家・バーダロンから依頼が舞い込む。それは地図に載らない魔の山にあるとされる「伝説の街」への旅路の護衛だった。互いを罵り合いつつも、徐々に絆を深めていく二人の旅は、やがて国家と教会を巻き込む謀略へと巻き込まれていく……

これは鉄の剣と、タイプライターの物語。

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんのお薦めのレビューを拝見して読みました。
    ジャンルとしては、SFのライトノベルというのに入るのでしょうが、両方ともほとんど読んだことがなく、おそらく初めて読むジャンルでしたが、大変面白かったです!
    初めて読んだのがこの本で幸せでした。(フォロワーさんはライトノベルではないとおっしゃっていますが)

    800ページありますが、最初の400ページを読むのに3日かかりましたが、後半400ページは、物語もヒートアップして、ページを繰る手が止まらず一晩で読み切りました。

    まず、タイトルがよかったです。
    『傭兵と小説家』でなく『傭兵と格闘家』とか『傭兵と銀行家』とかだったらまず、手に取らなかったかと思います。

    正暦一八七三年の春。ユナリア合衆教皇国のイクスラハという街。
    その国の傭兵組合の傭兵だったソード、23歳。
    そして、美少女小説家である、バーダン・フォレスター。その国で一番の売れっ子国民的作家で、日本で言えば、年齢は違うけど、村上春樹みたいな存在。
    この二人が一緒に旅をする、冒険活劇です。

    最初はいがみ合いをしていたような二人ですが、旅の途中で、二人の過去が次第に明らかになっていきます。
    小説家バーダロンの過去は、大親友との涙なしには読めない物語。
    そして、傭兵ソードの過去はさらに壮絶で、この物語全体、最大の鍵となります。
    これで、最後かと思うと伏線につぐ、伏線が張りめぐされていて、最後まで本当に驚かされました。

    ネタバレになりますが、小説家は、もちろん最後にこの旅を小説として書きます。大切な人の為に。

    <一>から<六>までの各章のタイトルが有名な小説のタイトルになっているのも遊び心があってよかったです。

    • まことさん
      kazzu008さん♪
      お返事ありがとうございます。
      私の影響力は、残念ながらあんまりないと思います。
      この本は、私の大好きな伊坂幸太...
      kazzu008さん♪
      お返事ありがとうございます。
      私の影響力は、残念ながらあんまりないと思います。
      この本は、私の大好きな伊坂幸太郎さんに通ずるところがあるような気がしました。
      『クジラアタマの王様』や『フーガはユーガ』に似ているところがあります!
      あと、伏線の回収のお見事さ!
      伊坂さんに続く人気作家さんになられるのではないでしょうか!と私は思いました(*^^*)
      2019/10/10
    • kazzu008さん
      まことさん。
      本当にそうですね。この伏線の貼り方は並の作家さんじゃできないですよね。
      本当に見事でした。
      伊坂幸太郎さんのような人気作...
      まことさん。
      本当にそうですね。この伏線の貼り方は並の作家さんじゃできないですよね。
      本当に見事でした。
      伊坂幸太郎さんのような人気作家さんになったら素晴らしいですよね。

      ちょっと調べたら、この作品ネット上では第二部が始まったようなので続編も期待できますよ!
      2019/10/10
    • まことさん
      kazzu008さん。
      第二部始まったんですね♪
      第二の(と言ったら失礼かもしれないけれど)伊坂さんになられるのを楽しみにしていま~す♪
      kazzu008さん。
      第二部始まったんですね♪
      第二の(と言ったら失礼かもしれないけれど)伊坂さんになられるのを楽しみにしていま~す♪
      2019/10/10
  • これは抜群に面白い!!!!!!
    冒険活劇を描いた小説としては、間違いなく傑作と評される一作となるだろう。

    予想がつかないストーリー、魅力的なキャラクター、重厚に作り込まれた世界背景、そして計算し尽くされた伏線の張り具合。
    これが著者のデビュー作ということが信じられない。
    しかも、小説投稿サイト出身という。まさに石ころの中からダイヤモンドを見つけたような奇跡。異世界転生ものの草分け的存在で、超ヒット作『幼女戦記』の著者カルロ・ゼン氏が大絶賛するのも納得だ。

    本書のあらすじだが、舞台はヨーロッパの中世とアメリカの西部開拓時代を足したような世界が舞台だ。教会が絶対的な権力であるユナリア合衆教皇国では、傭兵稼業はすでに時代遅れの仕事であった。そんな時代のなか、凄腕の剣士である傭兵の一人・ソードに護衛任務の依頼がくる。護衛の対象は今をときめく人気若手女流小説家バーダロン・フォレスター。依頼の内容は『牙持つ獣』が跋扈する魔の山への護衛だった。旅をする二人は、国家と教会を巻き込む大きな謀略の渦に巻き込まれていく・・・。

    本書は一応ライトノベル扱いになっているが、まず容量がライトではない。800ページを超える超弩級の活字数。はっきり言ってブックカバーをしたら普通に『辞書』にしか見えない。さらに言えば、ストーリーも重厚で結構ハードな内容だ。文中にはイラストもないし(笑)。
    強いてライトノベル的要素を上げるとしたら、キャラクター達のセリフの言い回しくらいだろうか。
    「セリフがラノベぽかったらライトノベルだ」という括りにするのならば住野よる氏の『君の膵臓をたべたい』だってライトノベルだろう。

    本書のおすすめポイントはたくさんあるのだが、まず主人公の二人、ソードとバーダロンの二人のキャラクターが最高だ。
    二人の出会いは、偶然、町中の書店で同じ本を手に取ろうとしたところから始まる。そしてお互いにその本を譲らない。二人のお互いの最初の印象は最悪だ。

    この二人の関係は『出会い頭トースト理論』を完全に踏襲している。
    『出会い頭トースト理論』とは正式に出会う前の二人が偶然出会い、お互い「悪い(極まれに良い)印象」を持つのだが、その後の正式に出会った後、お互いにいがみ合いながらも、徐々に、二人の関係が少しずつ良い関係に発展していくと言う例のアレだ。
    「例のアレ」と言って分からなければ、不本意ながら説明しよう。
    「朝、トーストをくわえて走ってくる女子高生と出会い頭に衝突して、学校を遅刻しそうになり、 何とか教室にたどり着くと、実は朝ぶつかった女の子は今日転校してきた転校生だった」というラブコメの王道的の始まり方だ。
    ちなみに『出会い頭トースト理論』とは、僕が今作ったネーミングなのでググってもなんの解説も出てこないからそのつもりで軽くスルーして欲しい。

    ただ、この小説の良いところは、この二人の関係を安易なラブコメにしていないところだ。真摯に雇い主と雇われ剣士という役目を二人は果たす。バーダロンの女王様気質とそんな彼女の性格に悪態を付きながらもバーダロンをひたすら守るソード。そこにはラブコメ要素はほぼ無い。この点も本書は「ライトノベルではない」と言いたい理由の一つでもある。

    そして、各キャラクターの背景に対する詳細な描写が凄いのだ。
    ここが800ページ超という膨大な分量の小説になった所以であろうが、この描写があるないではこの小説の完成度がまったく異なってくるだろう。ここまでキャラクターを書き込んでくれると、もうどのキャラクターも自分の分身以上のものになってくる。ここまでキャラクターを書き込むことができるというのも筆者の才能の一つであろう。

    この小説の良いところを上げていったら、このレビューをいつまでも書き終わることができないので、この辺で切り上げたいと思う。『百聞は一見にしかず』ではないが、『百聞は一読にしかず』ということだ。
    僕の予想では、この小説はコミック化され、映像化され、そしてシリーズ化されるのは間違いないだろう。
    特にアニメ化されたらかなり人気が出るのではないだろうか。
    ストーリーもキャラクターも、剣による激しい『牙持つ獣』との戦闘シーンも、いずれも絵になるシーンが満載だからだ。
    さらにイケメンで腕の立つソードと彼を取り巻く海千山千の格好いい傭兵達や21歳で美少女と言って良いほどの外見を持つバーダロン・フォレスターの女王様気質でありながら、自分が夢中になるものがあると素の自分が出てしまうというツンデレ的なキャラクターを人気絵師さんが腕によりをかけてアニメ化したら、そりゃあもう、男女問わず巷のアニメファンの心を鷲掴みにするのは確実だろう。
    僕の個人的な希望としては、ハリウッドあたりで本気で実写映画化をしてほしいのだが(笑)。

    と言う訳で「ライトノベル」とバカにしてこの本を読まないというのならもう「もったいない」としか言いようがない。冒険活劇小説が好きな人ならば、ぜひ、騙されたと思って読んでみて欲しい。
    ・・・・・・まあ「とりあえず読んでみて!」と軽く言えるボリュームではない本書であるが、はっきり言って800ページを読むのにそう時間はかからない。なぜなら、読み出したらもうページを繰る手が止まらないからだ。
    最後にもうひとつだけ言わせて欲しい。
    本書の価格!800ページ越えのこのボリュームで、しかもこの面白さで、なんと税込み990円!
    これは破格すぎる値段だ。星海社がこの作品をどうしても世に出したいという気持ちが痛いほど伝わる値段設定だ。
    なんなら僕のこのレビューページからそのままアマゾンに飛んでいって無心でポチってもらっても絶対にあなたを後悔させない自信がある。
    とうに40歳を過ぎた中年男子の僕がいくら自信を持って力説してもなんの説得力もないのだが、それくらいおすすめの小説だということは伝わったのではないだろうか(笑)。
    とにかく、僕の一番の望みは、本書が多くの人に手にとられ大人気となり、そして著者には本書の続編をぜひ出してもらいたいということだ。本当に、出してもらいたい。そして、この二人、ソードとバーダロンの旅をもっと、もっと体験していたいのだ。

    • まことさん
      Kazzu008さん♪おはようございます!
      お薦め本本、拝読しました。とても面白かったです!!続編が出るといいですね♪
      『出会い頭トース...
      Kazzu008さん♪おはようございます!
      お薦め本本、拝読しました。とても面白かったです!!続編が出るといいですね♪
      『出会い頭トースト理論』ってよくわかる命名ですね!kazzu008さんの命名はいつも面白くてまさにその通りで笑えます♪
      Kazzu008さんのレビューはいつも、読みたくなるものが多くお薦めが本当に上手い!と思います(*^^*)
      読書愛がものすごく伝わってきます。
      他にも何冊か積読してたり図書館に予約中のものがあります。
      また、そのうちレビューできそうなものがあったら、書きますね♪
      どうもありがとうございました!
      2019/10/10
    • kazzu008さん
      まことさん。こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      もう読まれたのですね。登録から読了までが早い!
      この本はライトノベル扱いなの...
      まことさん。こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      もう読まれたのですね。登録から読了までが早い!
      この本はライトノベル扱いなのであまり僕のフォロアーさんには人気がないかなって思っていましたし、面白さのツボも違うかなとも心配していたのですが、まことさんに気に入っていただけたのは凄く嬉しいです。

      本当、この本おもしろかったですよね。是非続編が読みたいです。
      こうやって影響力の大きいまことさんにレビューを書いてもらえれば人気も出てくると思いますので続編の出版、期待しましょう!

      『出会い頭トースト理論』はちょっと恥ずかしいネーミングなんですが、お気に召していただけたのなら幸いです(笑)。
      2019/10/10
  • 本屋で物色していたときにカルロ・ゼンさんの帯に惹かれて読んでみました。久々のライトノベルです。

    小説を書くためのネタとして不死の怪物の出る山へ行くという目的が、冒険小説としてとてもわかりやすくていいです。キャラクターも立っていて好感が持てますし、個人的には飛天御剣流みたいな剣技を使うニヤニヤ男のゴルドが強かっこよくて好きでした(もうちょっと狂人でも良かったですが)。

    そんな感じで分かりやすく読みやすいのですが、とにかく長く途中でダレてしまったのが残念。まあネットの連載小説なので仕方ないのかもしれないですが、一冊の本としてはもう少しまとめてもらえるとありがたいかなと思いました。

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著者プロフィール

小説家。本作がデビュー作。

「2019年 『傭兵と小説家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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