今、空に翼広げて

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 68
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065168783

作品紹介・あらすじ

目次

一 原田真紀五年 つばさ係
二 岡崎圭太四年 ハニキヌキセヌ男
三 原田真紀五年 万年四位
四 更科里奈六年 通学班班長
五 原田真紀 口は災いの元
六 ダ・シルバ・パウロ六年 クールなヒーロー
七 原田真紀 好きの魔法にかかってる
八 岡崎圭太四年 知らないほうがよかったのに
九 更科里奈六年 「お手本さん」の本当の姿
十 原田真紀五年 言葉の力 

小一のつばさは台風の日に家族が留守で家に帰れず、同じ通学班で小五の真希の家で遊んでもらって以来、真希に子犬のように懐いている。だがある日真希はつばさが同級生に「どろぼう」とよばれて仲間はずれにされているところを見て・・・。
野間児童文芸賞受賞作家、山本悦子氏待望の新作長編!一年から六年までの個性豊かな六人の通学班の物語


わたしたちの通学班は双葉町三班。全員で六人。六年の里奈ちゃんが班長。里奈ちゃんは、六年で一番頭がいいらしい。同じく六年のパウロくんが副班長。パウロくんは、ブラジル人。大きな目とチョコレート色のはだは、まさに異国の人だけど、中身は超日本人。最近、俳句にはまってる。一年ボウズのつばさは、「さ」行がいえない。自分のことを「つばしゃ」という。二年生のティアラちゃんは、純粋な日本人。名前を漢字で書くと美愛姫。漢字と読みがなは、別物としか思えない。空気を読まない男、圭太は四年。そして、五年のわたし、原田真紀。
 この六人が一列になって歩く。わたしが一年のころは、二人ずつで手をつないで歩いていた。でも、小学生が二列で歩くとじゃまになるし、歩道からはみ出るところもあるので、今は一列。班長が先頭、副班長が一番最後。あいだに低学年をはさむようにしてならぶ。うちだと、里奈ちゃん、つばさ、わたし、ティアラちゃん、圭太、パウロくんの順。
 だから、わたしの視界には、いつもつばさの黄色いぼうしがある。─本文より。

感想・レビュー・書評

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  • 児童書ならではの言い回しもあるが、大人が読んでもハッとする言葉がたくさんある。集団登校のグループが、小1のつばさの問題を中心に、自分の心や家族の事と絡めながら、自分のやれることを考える。呪いとお呪い…セイコさんは本当に安倍晴明なのかもしれないね。

  • 1年生つばさは落ち着きがなく、同じ登校班のマキは苦労していた。登校班のメンバーは、まじめな班長のリサ、思ったことをすぐに口に出してしまうケイタ、ブラジル人でイケメンだけどへんな俳句をよむパウロ、2年生のティアラちゃん、面倒見のいいマキ、そして1年生のつばさ。つばさの家庭の事情は複雑で、登校班のメンバーは何かと気にかけていたが、ある日事件が起こる。「よそ様のことにかまうな」という母に反発するマキを中心に、子どもたちなりに考えたのは…。

  • 子ども向きの本だと思っていたけど
    物語の世界に引き込まれて一気に読みました。

    子どもの心動きの描き方が秀逸だと思ったら
    作者さんは元教員なのだそうで。
    納得しました。

  • 小1~小6の登校班のメンバーの視点からなる本。つばさの問題は、大人の方がぐさりとくるかも。

  • 言葉の持つ影響力について考えさせられる物語でした。内容としてはぜひ小学生のお子さんに読んで頂きたいのですが、児童書としてはかなり長さがあるので、本が苦手なお子さんは集中力が必要かもしれません。

  • 児童書だけど、大人が読んでも心に響く内容だった。しみじみして、心がほっこり。読後感が良かった。

  • 一つの通学班の中の個性的な子どもたちの様子、心情がそれぞれの視点から生き生きと描かれ、また親のことも含めてどれも心に響く内容だった。

  • 「つばさ、カサ、回さない!」
    「つ~ば~さ~!」

    5年生の真紀は同じ通学班の1年生つばさの“お世話係”

    若い母親と大ばあちゃんの3人で古い平家に暮らすつばさは、からだが小さくて落ち着きがなく、手がかかる

    通学班のメンバーは、真紀とつばさに、6年生で「お手本さん」と呼ばれる優等生の里奈、ブラジル人でクールなヒーローをめざすパウロ、考えたことがすぐに口に出てしまう空気の読めない4年生の圭太、元ヤンの母がいるキラキラネームの2年生ティアラ(美愛姫)の6人

    学校を休むようになったつばさをなんとか運動会に来させたいみんなは、あることを思いつくが……

    個性あふれる子どもたちが、それぞれの悩みや家族の事情、とりまく大人たちや学校の常識を超えて一つになり、小さな奇跡をおこす物語

    第55回野間児童文芸賞『神隠しの教室』(童心社、2017年)の山本悦子による新作長編、2019年10月刊

    面倒ばかりかけるつばさだけど、ほうってはおけない

    だって
    「つばさはみんながだいすきなり」
    って言ってくれるから

    (おまけ)
    全力で走らない徒競走の練習
    ダンスの衣装はビニール袋
    教師の家庭に届く教育雑誌と特集名

    など、元小中学校教員だけあって学校のトリビアな描写がハンパなくリアル
    教師が読めば微苦笑まちがいなし

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著者プロフィール

山本悦子(やまもとえつこ)愛知県生まれ。『神隠しの教室』(童心社)で第55回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『先生、しゅくだいわすれました』『先生、感想文、書けません!』『がっこうかっぱのおひっこし』(共に童心社)『夜間中学へようこそ』(岩崎書店)『はっぴょう会への道』(PHP研究所)『神様のパッチワーク』(ポプラ社)など多数ある。日本児童文学者協会会員。

「2023年 『がっこうかっぱの生まれた日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本悦子の作品

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