ムーミン全集[新版]7 ムーミンパパ海へいく (ムーミン全集 新版 7)

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本棚登録 : 103
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065169018

作品紹介・あらすじ

この島は、なにかがおかしい……。
ムーミンパパは、灯台守になると言い出し、一家は小さな島へと移り住みます。ですが、島は生きているし、灯台はつかないし、なにひとつ、パパの思い通りにはいかなくて。

1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。
1現代的表現、言い回しに整え、読みやすくなりました
2さしえがクリアな美しい線で再現されます
3原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
5四六判ソフトカバーでコンパクトに
こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズ、決定版です!

感想・レビュー・書評

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  • これは8月末から10月3日までのお話し。

    夏の終わりのある日、パパは、手もちぶさたに庭を歩いていた。しなけらばならないことは、すっかりやってしまったか、他の誰かがやってしまったように思い、悲しげに…。
    ってつまり、自分が家族から頼りにされないことが気に入らない男なんですよ、このパパは。(新版訳者の畑中さんいわく、このパパはトーべの父そのものだろうと。)

    ママがパパの地図を見て、私たちはここに住みつくのだとムーミントロールに語ります。
    そしてその通り、一家は灯台のあるパパの島へと引っ越すことになるのです。(この時の一家とは、パパ、ママ、ムーミン、ちびのミイの4人!)

    島には小さな漁師が住んでいる他にはだれもいない、何もない。
    パパは灯台に明かりを灯したいのに、明かりの付け方が分からない。
    ママは、お庭が恋しくて壁に絵を書き始める。
    ムーミンは、うみうまに夢中。
    ミイ…この子だけは、どんなときもいつも通り。

    前半はとくに、ママがパパをやたらとたてることに胸が締め付けられて(頭にきて)しまう。
    もうパパの勝手さには終始辟易…
    ムーミンも自立心を顕にします。そして恋を知る?
    スノークのお嬢さんを差し置いた、本物の恋?

    ムーミン谷から明かりを求めてついてきたモランもいます。
    このモランが…モランと4人の関係に注目の巻でした。

    ママからも目が離せません。
    この島では大切なママのカバンを持ち歩かなくなってしまったり…
    家族のお世話もおろそかに、壁に絵を描き始めたりするのです 。
    それはまるでトーべの仕事のようだと私には思えました。トーべが本当にしたい仕事を、そこに描いたかのようです。

    今回も私がたまらなく好きだったのはなんといってもちびのミイ。名言あるいは迷言にあふれています。
    最高なのはこちら

  • ムーミンパパが家族けら、頼られてないと悩む

  • 独善的で厚顔無恥なムーミンパパがとても苦手
    この話はムーミンパパ炸裂しっぱなしで苦しかった
    早く谷にお帰りよ

    リトルミイが1番まともに見える状況

    嵐がやってくるまでの島を取り巻く環境の変化や、モランから逃げる木々や砂など、自然の描写は迫真
    人間らしい嫌な自意識も誤魔化さず書かれていて、感情の機微の描写も繊細で読み応えがある
    けど、それを上回るムーミン一家の延々と続く場違い感とムーミンパパの独壇場による嫌悪感

    灯台守登場での居た堪れなさよ…

    苦手だけれど、ムーミンパパに感情移入してしまっているからこそ居た堪れないのかもしれない
    辛い

  • ムーミンパパの中年クライシスの話

  • ムーミンの物語は意外とあんまり明るくなかったりするけど、これはなかなか暗かったですね…。ムーミン一家がムーミン谷を離れてとある島で暮らし始めるという話。

    この島というのがこの世の果てにあるかのような島で、殺風景というか殺伐というか。ムーミン一家もぎくしゃくしている上に、登場人物も少ない。
    でもラストはほっとします。暗かったぶんというべきか。

    これは前にも読んだことある本で、モランが多少は救われる話と覚えていたんですけど、多少どころか結構救われていました。
    美しく無邪気なうみうまと、一人ぼっちで誰からも愛されないモランの対比が印象的で、ムーミントロールはうみうまに惹かれるも相手にされず、モランに寄ってこられて誰もモランを暖めてやることなんかできないのにと思ったりする。
    というかムーミンよ、スノークのお嬢さんはどうなったのさ…と思うわけだけど、うみうまに言ってた、君と似た髪の友だちというのがそうなのかな…。

  • ムーミンのお話は、ファンタジーの皮を被ったトーベの哲学や道徳の主張だと思っていて、この巻は家族の在り方について書いてるのかなと思った。

    ムーミン谷の家にはいろいろな住人がいるから、「家族」について言及するためにこうして最少人数で島へ行くストーリーにしたのかな、とも。

    ムーミンパパは父親らしいことは何一つせず、家のことはママまかせ。それなのに父としての威厳は大切(昭和的価値観)、でも自称冒険家としてのプライドや自由さも捨てたくない。ただの大きな子どもだし、本当の子どもよりタチが悪い。

    自由奔放なパパ、島に来てたくましくなりママ離れしたムーミン。そんななかでママがひとりノイローゼ気味で可哀想だった。ミィが一番まとも。

    ムーミンの世界を解説している他の本で「ムーミンパパとママはトーベの両親そのもの」という記述を見た。本当にそうだったのかも。

  • 【オンライン読書会開催!】
    読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です

    ■2022年9月7日(水)20:30 〜 22:15
    https://nekomachi-club.com/events/2227269778a5

  • 表紙のムーミンパパの寂寞…か、かわいい…
    タイトルはパパのみですが、ムーミン一家が海に行きます

  • ちょっとつまんなかったかな。ムーミン好きだからとりあえず最後まで読んでみたけれど。

  • ムーミンシリーズでなければ、私は読まなかったし、読み切らなかった本
    読んでてとてつもなく疲れた

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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