素晴らしき世界(上) (講談社文庫)

  • 講談社
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本棚登録 : 53
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065169537

作品紹介・あらすじ

ロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードが、ハリー・ボッシュと共演。深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを追いだしたバラードだったが、その事件に興味を示す。十五才の家出少女がハリウッドの路地で殺害された事件だった。バラードはボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に向かう。

感想・レビュー・書評

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  • マイクル・コナリー『素晴らしき世界(上)』講談社文庫。

    マイクル・コナリーの32作目の長編にして、ボッシュ・シリーズの21作目。さらには『レイトショー』に登場したロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードとハリー・ボッシュの共演作となっており、ボッシュ・シリーズ前作の『汚名』からの続きが描かれる。

    ボッシュとバラードの2人の主人公は確かに話題性がある。上巻を読む限りでは、どちらかと言えば、バラードの方が主役という感じ。その点は、ボッシュのファンとしては少し不満。しかし、このコンビの活躍も面白い。

    今回は、ボッシュがこだわってきた15歳の少女デイジー・クレイトン殺害の未解決事件の捜査にバラードが協力するというストーリーである。ボッシュはデイジーの母親で薬物中毒だったエリザベス・クレイトンを自宅に保護していたのだが、ある日、エリザベスが失踪する……

    本体価格900円
    ★★★★★

  • ハリー・ボッシュのシリーズでもあり、レネイ・バラードのシリーズ。

    そうきたか。
    ボッシュとバラードのコラボとは。
    しかもどちらかがチラッと登場するのではなく、
    がっぷり四つに組んでいると言うか、
    タイマン張ってると言うか、
    二人三脚と言うか。

    前作の潜入捜査で知り合った女性を家に招き入れたボッシュは、
    その娘の未解決事件を追う途中でバラードと出会う。
    それぞれ、担当の事件を抱えながら
    二人でひたすら古い職質カードを読み続ける。

    (下巻へ続く)

  • 現代ハードボイルドの第一人者の一人である作者が新たに始めたロス市警の夜間専門刑事バラードの第二作目に作者の看板にして出世作であるハリー・ボッシュが早くも登場、と聞いて凄く楽しみにしていた作品。ロサンゼルス市警のエリート部門である強盗殺人課にいた二人だが時期は大幅に違っていてベトナム帰りのボッシュはロス市警を退職し再雇用はされていたものの良くない辞め方をして今は近隣の小規模な警察で顧問のようなことをしている。一方のバラードは若くしてエリート部門に配属されたが上司に受けたセクシャル・ハラスメントを告発した結果、今は所轄の夜勤専門に左遷されている、という設定。本作はボッシュもの前作の続編で前作で知り合った女性の娘が惨殺された事件を追うボッシュがバラードと交錯して、という話。達者な作者なのでそれだけではなく夜勤専門刑事の日常やボッシュが取り組むギャングがらみの事件も盛り込まれておりこれでもか、という内容。そうくるか、というラスト含めてシリーズ出色の出来でした。面白かったし次作が楽しみ。出版界の事情を書いたあとがきも面白かった。これはおすすめ。

  •  『レイトショー』のレネイ・バラード・シリーズと、『汚名』のハリー・ボッシュ・シリーズが、どちらもそれぞれの前作の続編という形で合流する。これ以上ない読者サービス。しかも素晴らしいリーダビリティをどちらも前作から受け継いだままのリズムで。離れ業。

     コナリーは、そもそもシリーズ主人公たちを一つの事件で引き合わせて、話を展開させることが上手い。新主人公をすぐ次のボッシュ・シリーズで合流させ、主流に持ってゆくというサービス精神に富んだ作家なのである。

     C・イーストウッド主演監督で映画化された『わが心臓の痛み』のテリー・マッケイレブも、マシュー・マコノヒーを起用した『リンカーン弁護士』のミッキー・ハーランも、『ザ・ポエット』の主人公である新聞記者ジャック・マカボイも、いずれもハリー・ボッシュのシリーズに合流する。初主演作では独立しているものの、作者はより彼らの活かそうと、使い捨てにはせずに、再登場させてシリーズを互いに合流させてきた。

     最新デビューを果たした魅力的なナイトシフトの刑事レネイ・バラードは、すぐに直後の作品である本書にてボッシュとのシリーズ合流を果たした。バラードとボッシュが引きずってきた直前のストーリーとシームレスに繋がるいくつもの事件に向かい合う形で。

     ボッシュの前作『汚名』では、リンカーン弁護士が契約する探偵シスコの手を借りている。キャラの強い者はサブであれ流用されるのがコナリーの世界なのだ。そしてそれは見事に活きている。

     本作では、ボッシュとバラードの世界が交互に描かれて、複数の事件を互いの協力のもとどれも解決に導いてゆくものなので、見た目にはオムニパス・ミステリーのように見える。一時期、流行った映画『パルプ・フィクション』『バベル』『クラッシュ』などの形式みたいに。複雑に関係し合う短編作品集みたいに。それでいて大きな激流の中で、互いに岩にしがみつき合う孤独な二つの魂みたいに。

     ストーリーテリングの上手さは、相変わらず。最強のページターナーぶりを誇ったまま。時間を前に押しやる推進力と、そこに野太く息づくヒーロー&ヒロインの個性の強さと、信頼すべき彼らの尊厳と力強さと、そして優しさを読者へと確実に受け渡して見せる。これまた、職人技、ここに極まれり、としか言いようのない一作なのである。

  • ボッシュとバラード(夜勤刑事)がコンビを組む。
    つまらないわけがない。

    コナリーは意外と地味な調査をコツコツ進めるところを書く印象がある。ここでもそうしたところが描かれている。
    好感。

  • 1月2日読了。図書館。

  • 引き続き非常に面白かった。ハリーボッシュのシリーズが新しい展開を見せたという印象。最後にうまい具合にレネイバラードが絡んできて、まだまだボッシュが活躍してくれそうな感じで、とても楽しみだ。ひとつだけ問題は日本語タイトル。あとがきに翻訳者の言い訳が出ているが、英語のタイトルと異なる日本語タイトルを付けると、今回のようなしょうもない失敗になる例。映画のタイトルでもよくあるが、翻訳関係者や編集の人は気をつけてもらいたい。もちろん本の中身には全く問題なし。

  • ロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードが、ハリー・ボッシュと共演。深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを追いだしたバラードだったが、その事件に興味を示す。十五才の家出少女がハリウッドの路地で殺害された事件だった。バラードはボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に向かう。

    ハリー・ボッシュのシリーズとしては第21作。主人公が二人になる分、携わる事件数が増えている。物語の後半に向けてどんな展開になるのだろうか。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2020年 『素晴らしき世界(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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