江戸で部屋さがし (The New Fifties)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065170779

作品紹介・あらすじ

江戸の町に住むとしたら、どんな家を選びますか? 町人と武士の若者が江戸の町を歩きながら、知られざる住宅事情をご案内。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の暮らしはどんなもんだったんでしょう。当時の長屋と商家と武家屋敷の住居と暮らしぶりを、絵と文で紹介。

    日頃落語で親しんでいる住まいを目のあたりにして、改めて再認識。

    『長屋』というと「貧乏長屋」「宿替え」「青菜」「延陽伯」「堀川」「不動坊」「みかん屋」「へっつい幽霊」「黄金の大黒」に「近日息子」、「尻餅」「高尾」に「書割盗人」いちばん悲惨なのが「らくだ」ですな。

    『商家』というと「千両みかん」「崇徳院」「猿後家」「悋気の独楽」「片棒「寝床」」「百年目」「口入屋」「七段目」「立ち切れ線香」丁稚で言うと「平林」「金明竹」「試し酒」「仔猫」に「鬼の面」と色々ありますな。

    『武家屋敷』となると上方落語には少ないのでは、「井戸の茶碗」「禁酒関所」ほんま少ないですな、こじつけでちょっと出てくるのが「宿屋仇」と「皿屋敷」、武家の座敷が舞台になった落語ほんまありませんな。

    でも、裏長屋の標準的な部屋とは、九尺二間の四畳半一間の板敷きに半畳ぐらいの土間。ほんま風呂もトイレもない愛想のないワンルームで、あの「青菜」にでてくる押入れがあるなんて、さすが植木屋の職人さん、長屋といっても上質の部屋に住んでたんですな。

    まあ、これから落語聴くとき部屋の状況が詳しく見えてきそうでおます。

  • 江戸時代の町家と武家、その住まいの間取りを巡ってみよう。
    第一章 町人・・・裏長屋、表店、大店、上商家等、暮らしと共に。
    第二章 武家・・・拝領屋敷、組屋敷、大名屋敷等、暮らしと共に。
    参考文献有り。
    江戸へ三味線を教えに来た菊香が大家さんの案内で、
    参勤中の殿のお供で江戸に来た真二郎が旗本の息子の案内で、
    それぞれ町家と武家の暮らしや間取りを巡るという、趣向。
    各種資料や出版物等を模写したカラーのイラストで、
    それぞれの生活の様子と間取りを中心に、会話で説明しています。
    町人ならば裏長屋から上商家まで、武家ならば足軽長屋から
    大名や殿様の屋敷まで、正にピンからキリまでの住まい。
    風呂無しでトイレ共同の簡易キッチン付きワンルームの裏長屋。
    お隣さんの声が筒抜けで、棟割長屋は日当たりが悪い。
    大工の親方宅には隣接して、職人の長屋が併設されてたり。
    隠居の住む広めの裏長屋や妾が住む長屋がいろいろなのも、
    興味深いものでした。
    武家も、細やかな足軽長屋から豪勢な大名屋敷まで。
    上級武家屋敷は接待関係の部屋がいろいろあるとか、
    屋敷替えは建具や庭石、樹木までも引っ越すことに、驚き。
    一緒に江戸物の小説を垣間見ながら読むと、興味倍増でした。
    宮部みゆき作『ぼんくら』の、お徳の店、表長屋で二階建て
    だから、ん~裏長屋よりずっと店賃高いんだ~とか。
    間取りが用途等で色分けしているのも、良かったです。
    個人的には、武家屋敷に厩が描かれてなかったのが、残念。

  • 江戸で住むことになった町人の娘さんが
    大家さんと物件探しをする前半と
    参勤交代で江戸詰めになった武士が
    武家屋敷を見て回る後半。

    どちらもフルカラーの間取りと
    江戸時代の版画などをもとにしたイラストが
    たくさん載っていて楽しい!

    特に前半は、時代小説を読むのに
    ああ、こんなところで寝起きしてたんだなぁと
    想像を補完してくれる気がします。

    江戸で三味線を教えて暮らしたいという娘さんに
    「それなら習い手がいそうな商家の近くとか」
    なんて物件情報を教えてくれるのがポイント♪

  •  現代東京で、江戸の長屋暮らしを再現できないか考えている。

     江戸では通りに面した大店から路地に入ると、そこには長屋が並んでいた。
     長屋の間には公共の場があり、そこには棒手振りの物売りが出入りしていた。

     そういった、現代のビルにおいて、どうやって人が出入りできるような隙間を作ることができるか。
     また、江戸と比べると現代社会では小商いが成立しない。
     かつては長屋の自室で仕事をしていた職人ばかりだったはず。

     職人と小商い、そして長屋の隙間。
     そういった町の仕組みを再考したい。

  • 話し口調で読みやすかった。住む人や生活に合わせて家が作られている様子が分かりやすい。

  • 東京で部屋を探すとなると大変だが、江戸時代の部屋はどうなっていたのか。





    主に町人と武士が住んでいたが、イラスト付きで説明しているのが今回の本。






    町人は四畳半一間が標準で、現在の価格にすると家賃は月額25000円になる。





    住居には表店(おもてだな)と裏長屋があった。表通りにあるのが表店あるいは表長屋と言う。そこは人通りが多いので商売に適している。その代わり、店賃が高くなり、広さによるが、裏長屋の店賃の5-10倍になる。




    その一方で、裏店あるいは裏長屋に職人、商家の奉公人などが住んでいた。




    中に入ると「意味深な男たち」もいたそうだ。その中には商家の若隠居という、早くから跡継ぎに当主の座を譲って趣味の世界に生きる人がいた。





    武士の家と言ってもピンキリだ。加賀百万石の前田家のような広大な屋敷を持っている大名もいれば、徳川家の直参の下級武士の御家人(約200石未満)もいる。





    大名にもなると上、中、下屋敷を幕府から拝領していた。




    上屋敷は参勤交代で来た家臣と殿様が住んでいた。




    中屋敷は隠居した下藩主や、当主の生母、藩主の世継ぎなどが住んでいた。




    下屋敷は江戸の郊外にあり、広大な敷地には築山や池を配して息抜きをするための場所だった。





    尾張藩の下屋敷は、現在の新宿区早稲田戸山公園にあった。約13万6千坪の広い屋敷だった。




    面白いのは、東海道をまねた「ニセの宿場町」を造っていたことだ。しかも、店まで作って、来客の武士たちが町人のマネをして買い物をしていた。




    店側の人は誰が担当していたのか気になるが、近隣の百姓たちが園内の農地を耕しに来ていたので、彼らが担当した。




    お買い物ごっこをするお殿様。「籠の中の鳥」みたいなもので、息抜きがしたかったのかな。

  • 「江戸で部屋を探す」という設定に惹かれて読みはじめました。
    ストーリーの中で江戸の暮らしや家屋を分かりやすく説明してくれます。
    現代の暮らしに照らし合わせて載っているのでとても分かりやすかった。
    ただの図鑑よりも、まるでその場にいるような感覚になって江戸の生活を知ることができました。
    武家屋敷編はちょっと分かりにくかったかな。

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  • 第1章 町人―江戸へ、菊香深川に着く
    裏長屋
    裏長屋の住人 職人
    裏長屋の住人 商家
    裏長屋の住人 自由人
    江戸の女たち
    裏店住いの女
    表店 商家
    大店と越後屋
    上商屋と暮らし
    町と大家

    第2章 武家―真二郎、江戸参勤
    直参と拝領屋敷
    下級武士の組屋敷
    中級武士・旗本の家
    武家屋敷の特色 座敷
    武家屋敷の特色 夫人棟と水廻り
    書院と床の間
    数寄屋
    上級武家屋敷
    大名、殿様の屋敷

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著者プロフィール

菊地ひと美(きくち・ひとみ)
衣装デザイナーを経て、早稲田大学の一般講座や江戸東京博物館で10年間学びつつ、著作活動(文と絵)に入る。2002年から始まった日本橋再開発に作品が起用された。また、2004年国立劇場より制作依頼を受けて描いた『伝統芸能絵巻』全4巻(10メートル)は、海外2カ国の国立美術館(ローマ・ブタペスト)で3カ月間展覧された。2008年には、丸善・丸の内本店にて同絵巻の国内初披露を含む個展を開催。現在は絵本を含む著作執筆を中心に活動中。主な著書に『江戸の暮らし図鑑 女性たちの日常』(東京堂出版)、『お江戸の結婚』(三省堂)ほか著書多数。

「2021年 『江戸衣装図絵 武士と町人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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