ヴァラエティ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 699
感想 : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065171844

作品紹介・あらすじ

迷惑、顰蹙、無理難題。人生、困ってからが面白い! 奥田英朗の蔵出し短編集! 貴重な対談2本も収録。

脱サラで会社を興した38歳の社長。渋滞中の車にどんどん知らない人を乗せる妻。住み込みで働く職場の謎めいた同僚……。微妙な空気を絶妙に表現する奥田英朗ならではの人間ドラマ!

短編、対談からショートショートまで、あれこれ楽しい贅沢な一冊。
コアなファンにも、はじめて読む人にもおすすめです。

感想・レビュー・書評

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  • これはこれは、特異なものを、手にしてしまいました。
    いや、おもしろかったです。
    「あとがき、というより、言い訳です。」
    とありましたが、よせあつめ短編集だったのねぇ。
    こんな形式のは初めてみた。

    奥田さんの人柄がよく出ていた作品で、
    とてもよかった。
    「あとがき」と、対談。
    イッセー尾形さんも山田太一さんもよく知らないので、よく分からないことも多く、読み飛ばしちゃったところもあるけど、奥田さんて、こういう人なんだぁ、こういう考えでこういう書き方をしてたんだぁ、と親近感が湧いて。
    ファンとして感想ハガキとか送ってみようかなぁなんて思ったり。

    作品としては、
    「おれは社長だ!」「毎度おおきに」
    すきだったし、
    「ドライブインサマー」も、「最悪」みたいな、めっちゃくちゃな絡み合いが面白かった、
    「住み込み可」もヒヤッとする感じが読み進めちゃったし、
    「セブンティーン」これも秀逸。私の息子も年頃になったらどうしよう、避妊教育が第一なんだろうか…とモヤモヤとかね、
    「夏のアルバム」もきっと経験をもとにしたんやろうと思ったけれど、最後のシーンがとても良かったしね、奥田さんのお気に入りというのも、いいですね。

    奥田さん、大好きです

  • 短篇、ショートショート、対談…
    奥田英朗さんらしさを読めたのは嬉しいけれど、面白いというにはちょっと物足りない1冊。

  • ヴラエティ読了。
    久しぶりの奥田作品楽しく読ませていただきました。
    最初の2作品は私が好きな感じのストーリーでもっとシリーズ化して欲しかったですがらあとがきに続けられなかったと書いてあって残念でした。
    奥田さんの作品には少し足りない何か不安定な主人公が困難に立ち向かいながら物事を進めていく事が多く、それが妙にリアリティですごく入り込めるのが魅力だと思います。
    今回も会社を独立するのに結構甘い考えの主人公が予期せぬ事態に直面しながら何とか問題をクリアしていき成長する様はクスッとさせられてさすがだなと思いました。
    次はどの奥田作品かな?

  • 久しぶりの奥田英朗作品♪
    タイトル通りバラエティに富んだ作品ばかり。
    どれも。全部面白い。
    『ドライブ・イン・サマー』がめちゃくちゃ奥田英朗ワールドで好き…ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)!
    対談によると奥田氏は構成を考えずに書き始めるとか。
    ほんとにこんな人いるんだなぁ~。
    天才っ!

  • 短編集。さすが!こういう人、いるわぁって思わせる描写。(嫌な人ほどリアル)
    ぜんぶ面白かったけど、ドライブインザサマーの
    メチャクチャな感じが特に好き。
    作品は好きだけど登場人物はほぼ嫌い。

  • 気軽に読める短編だった。

    個人的に好きだったのは「おれは社長だ!」と「毎度おおきに」のシリーズである。
    経営者とは孤独なものであり、弱音を吐ける場所もないという様子が父親と重なった。
    たとえセンスや技術があっても経営者として優れているかは別の話であって、社員の生活まで背負う責任の重さは計り知れない。
    会社を守るためには手段なんて選べない。
    世間知らずだと相手の好きなようにあしらわれる。

    「セブンティーン」もまたおもしろかった。
    私は母と学校のこと、友だちのこと、恋愛のことでもなんでも話す方であると思う。
    母自身学生時代はモテて遊んでいた(ように私には思える)。
    それでも娘のことは心配らしい。
    母親とはそんなものなのであろう。

  • 多彩なジャンルの作品を発表する著者の蔵出し作品集。脚本家山田太一氏や俳優イッセー尾形氏との対談も収録した、微妙な空気が絶妙な短編集。
    脱サラ社長の苦悩ものやブラックコメディなど、さすが奥田英朗ワールドを満喫して、山田さんとイッセーさんとの対談で作品世界のルーツを知る。

  • やっぱり面白い
    おれは社長だ!
    毎度おおきに
    の二つはほんとにシリーズ化してほしい
    セブンティーンも夏のアルバムも好きだな

  • 未収録の短編集をまとめたもの。
    「おれは社長だ!」や「ドライブインサマー」は続編が読みたい気もする。

  • 未収録の短編を集めた、まさにヴァラエティ。
    内容も軽めなので読みやすさは◎。
    イッセー尾形、山田太一との対談も収録。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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