- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065172476
作品紹介・あらすじ
結婚して、離婚して、新しい人に恋をして、
それでも「家族」は続いていく。
2019年本屋大賞2位『ひと』で話題の俊英がおくる、新しい家族の物語。
川遊びの最中、小学生の娘・菜月が友人の娘と溺れるのを見て、とっさに助けに飛び込んだ守彦。
必死の想いで引きあげた腕の中には、菜月ではなく友人の娘がいた。
「お父さんは菜月をたすけてくれなかったもん」
その言葉を最後に、口をきいてくれなくなった血の繋がらない娘。七歳年上の妻ともすれ違いはじめ―――。
困り果て、とりあえずの間と家を出る守彦だが、会社の後輩や、川遊びに来ていたシングルマザーとの何気ない会話の中で、娘と妻への本当の気持ちに気づかされていく。
いつもあと一歩が踏み出せない、不器用な守彦の出す答えが心にしみる、新しい家族の物語。
感想・レビュー・書評
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この話の主人公は人に対して誠実でありながらも起用に立ち回れずというキャラクター。作者の小野寺史宜の作品である「ひと」や「まち」の主人公と共通している。しかし、本書の主人公は誠実なあまり行動に移せないもどかしさがあり、結果的に上手く立ち回れない。考えすぎて動けない主人公に対し、大丈夫かよと思いながらも行動を起こす後輩の対比が面白い。
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妻の職場の仲間と出掛けたバーベキューで、川遊びしていた娘が溺れるのを見てとっさに川に飛び込んだ守彦だったが、その腕の中にいたのは娘ではなく一緒に溺れた別の女の子だった。
娘も助かったが、その日から口をきいてくれなくなり、妻との関係もぎくしゃくし始めて、困り果てた守彦はとりあえずの間と家を出る、といった発端。
だけど、なんか、彼の行動には違和感があるなぁ。
家を出るのはまだあるかなと思うが、助けた娘の母親・結衣から連絡が来たからといって、彼女が働く喫茶店に通ったり、家に行ったりするかなぁ…。
下心があるのかないのか、中途半端に生真面目っていう感じで、小池くんでなくこっちこそ度を越えているような気がするぞ。
どういうつもりか守彦の気を惹きながら最後に梯子を外す結衣のほうもどうだかなぁ。
この二人だけでなく出来てくる人物が皆、私にとってはどこか変。
大人の振りして自分が一番大事の妻やバイト先の女性たちに次々と声を掛けていく塚越くんには付き合いきれない感じだし、どうしようもなく性悪女の品田くるみと彼女に首ったけで全く学ばない小池くんのカップルもなんだかな…。
守彦が人事課長に登用されたり、最後の深井さんの登場まで、真面目に悩む話な割には軽い話に微妙な陳腐さや違和感を覚えたのでした。
★は2と3の間くらい。 -
波が立つのも、日常のひとこま。いなしながら、たんたんと、多少食欲は落ちてもって考えると、マナブンは、もはやいやし(なんとっ!)
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まさに小野寺小説的主人公である豊永守彦、周りに流され抗うことをしない姿はちょっと歯痒い。
楽しく読めるが読了感はモヤモヤかな。 -
出てくる登場人物がみんな変わってるけど良い人。楽しく読むことができました。
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男性作家さんであまり読んだことのない、登場人物の心情が繊細に描かれている文章。
守彦と妻の成恵、後輩、シングルマザーの女性その子供とのやりとり。後輩の小池くんがなんとも憎めない。結婚した後も小池くんは守彦に相談してきそうだ。
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20240316
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今まで読んできた小野寺さんの本よりほっこり度少なめ。そんな都合よく行かないよね。
でも、この人の本をもっと読みたいって思ってしまうんだなぁ。