たそがれどきに見つけたもの (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.09
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本棚登録 : 167
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065172735

作品紹介・あらすじ

もう若くない、まだ若い、そんな複雑な気持ちを抱えた、人生の折り返し地点にきた女と男が抱える様々な問題――家族、仕事、そして恋愛――を切り取る、短編集「たそがれどきに見つけたもの」「その日、その夜」「末成り」「ホール・ニュー・ワールド」「王子と温泉」「さようなら、妻」

「たそがれどきに見つけたもの」――SNSで高校時代の友だちに久しぶりに再会。彼女はまだ、そのときのことを引きずっているようで。

「その日、その夜」――きむ子は思った。(お尻、出したまま死ぬのはいやだなあ)と。

「末成り」――ちょっと話を盛りすぎちゃったかな……ゼンコ姐さん―内田善子は家に帰って、服を脱ぎ濃いめのメイクを落としながら考える

「ホール・ニュー・ワールド」――コンビニのパート先でちょっと話すようになった朴くんに、淡い恋心を抱く智子。朴くんも、やぶさかではないんじゃないかと思っている。

「王子と温泉」――結婚して、子どもが生まれてから初めてのひとり旅。夫と娘に送り出されて行った先は、贔屓にしている”王子”との温泉ツアーだった。

「さようなら、妻」――1985年、6月。妻と初めてふたりきりで会った日。彼女はあじさい柄のワンピースを着ていた。

感想・レビュー・書評

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  • 同年代の主人公達の短編集。

    『その日、その夜』
    孤独死した女性の心を描く。
    「尻を出して死ぬのはいやだな」って、私もよく思ってる事だw

    『末成り』
    愛し合っていたはずなのに、何も言わずに去っていった男のことが忘れられない主人公。
    別れを心の中で処理しきれず
    「あなたは、まだ、私に答えていません。私はやはり知っておきたいのです」と何年もメッセージを送り続けてしまう。

    たとえどんな言葉でも、きちんと終わらせたかったよね。

    朝倉かすみさんという作家さんは、私の頭の中を何処かで覗いでいるのかもしれない。

  • 朝日新聞の土曜日別刷りに朝倉かすみのコラムが載っているのだけど、満腹感が分からないとか空腹感も分からないとか、どうにもつかみどころがない話なんだな、これが。
    この本に載っている6つの短い話も、何となくそれと同じような感じ。
    50歳前後のおばさんたち(ひとりはおじさんだが、陰の主役は家出した妻)を描いた話だが、その年齢の女性の心理というのはこういうものなのか、興味深くないこともないが、今ひとつ、おじさんの私にはしっくりこない。
    あとがきにそれぞれの話を書くきっかけが書かれていたが、そのきっかけを頼りに書き始め、なかなか悪くない着想だったのに、なんか話が広がらずここで終わりにしました、という話ばかりだった感も。

  • 短編集

  • 平均年齢51歳を主人公にした短編集
    女性5人、男性1人のストーリー

    歳をとるとはこういうことかなあ

    切ないけど
    これが日常

    まあこんなもんですよ

  • 人生を四季にたとえると、五十歳は秋の真んなか。大人の心に染みる、切なく優しい短編集。

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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