作曲の科学 美しい音楽を生み出す「理論」と「法則」 (ブルーバックス)

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本棚登録 : 272
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065172827

作品紹介・あらすじ

美しいメロディを奏でる「論理」と「数理」とは? フランス音楽界で絶賛された作曲家・演奏家が語る「作曲のロジックとテクニック」

感想・レビュー・書評

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  • 「蜜蜂と遠雷」の小説を読んで、もっと音楽の知識があれば更に楽しめるんだろうなという思いを持っていたので、本書を手に取りました。
    作曲は数学だと著者は繰り返し述べていましたが、確かに方程式を解くのに近い印象を持ちました。クイーンのギタリストのブライアン・メイのように数学などの理系学問を修めた人が音楽家になるケースも実際多いそうです。
    様々な知識やテクニックを使って方程式を解くように、様々な音の規則性や楽器ごとの出せる音域・得意な音域などの知識やテクニックを駆使して複雑な曲を作り上げていくプロセスは、非常に興味深かったです。
    著者は音楽専攻でない大学生向けに作曲の講義もしているそうですが、本書はト音記号の説明からしてくれるので、義務教育レベルの音楽知識しかなかった私にとっても読みやすい一冊でした。
    ハ長調やA Minorなどについてもよく理解できてスッキリしました。また、音源つき(CDではなくウェブから聴けるというのが非常にいい)でA Minorがどんな音なのかなども確認しながら、読み進められる点も良かったです。

  • 臆せずに規則から自由になり、新しい地平を探求市に行く冒険心を胸に抱き続け、ときには誰にも評価されないリスクをも恐れない勇気が必要です。

  • 美しいメロディを奏でる「論理」と「数理」とは? フランス音楽界で絶賛された作曲家・演奏家が語る「作曲のロジックとテクニック」

  • 縦軸と横軸で音楽をわかりやすく解説
    面白い
    あなた自身であり続けてください。
    音楽は難しく考えなくてもいいんじゃないかと思わせてくれる。

  • フランス人で日本在住の作曲家による、音楽の基礎と作曲に関する話。小学生の頃習った音楽の基礎をもう一度おさらいし、かなりの疑問点が解決できた。経歴や自分自らについてのよもやま話の部分が長すぎる。
    「(演奏家)グループで演奏中、必ずどこかでソロとして弾くタイミングが回ってくる。そのソロパートを聴いて「彼には独りよがりな傾向があるな」とか「あの人は注意深く正確に、他人の音に耳を傾けているな」とか「この人は権力志向が強いな」「度胸があるな」といった、個々の奏者の才能や深層心理、性質や演奏傾向を読み取ります」p14
    「作曲とは数学である」p39
    「ピアノの場合は右手の担当領域がト音記号、左手のそれがヘ音記号」p67
    「平均律という共通ルールを使うことで、複数の楽器による合奏が容易になりますが、一方で、各文化圏に特有の民族音楽系は演奏できなくなります。平均律は、近現代の西洋音楽に慣れた耳に向けて作った人工的な調律なので、当然のことと言えるでしょう」p70
    「下から上に上がって弾くときは「ド♯」と書き、上から下に向かって弾いているときは「レ♭」と書きます。ある音符に♯や♭がついていたら、その小節内ではずっと記号をつけた状態で弾くのが原則です。記号をはずして弾いてほしい場合には「ナチュラル」という記号をつける決まりになっています」p70
    「プロの歌手が「連日のコンサートで、今日は喉が疲れた」というときに、いつもより音域を下げて歌うことで喉を守るなど、同一人物が発声状態に応じて歌い分けられるのも、移調の効果の一つです」p74
    「(作曲の科学)小節という箱の中で合計が合うように足し算する」p75
    「(ヨナ抜き短音階)明治時代に「ドレミファソラシド」を「ヒフミヨイムナ」と和名で読んでいたことに由来し、ファとシを抜いた音階で作られた曲。童謡や「東京音頭」がそう。松任谷由実の「春よ、来い」もそうで、どこか懐かしい郷愁をそそるメロディには、日本人が幼少期から慣れ親しんでいる童謡と同じ響きが含まれているから」p93
    「(オーボエ)世界で最も演奏が難しい楽器と言われている」p162

  • 「作曲」をテーマにしているが、楽典の基本的部分、特に和声の基礎が分かりやすく書かれていて面白かった。後半では、実際の作曲を目指してコード進行の例がクラシックだけでなくロックや歌謡曲も引き合いに出して説明されている。残念ながら、知らない曲が多くてよく分からなかったが、フランス人でありながら日本滞在歴も長い著者が日本人に向けて書いた本書の意気込みを感じた。
    音や音楽は、書物では表しきれない部分があるが、特設ウェブサイトで音のデータにアクセスして実際の音や響きを聴くことができ、本では伝わらない部分を補っているのがよい。

  • 音「楽」なのだから、余計なルールや固定観念に囚われず自分をさらけ出せ!ということが伝わりました。

  • ・フランソワ・デュボワ「作曲の科学 美しい音楽を生み出す『理論』と『法則』」(講談社ブルーバックス)を読んだ。本書は「曲作りの『しくみ』と『原理』を、音楽の理論的な知識をまったくもたない人にも理解していただけるよう」(4頁)に書かれたといふ。実際、五線の各部の名称から始まる。これはヨーロッパの記譜法の歴史を終へたところで出てくる。第1章「作曲は『足し算』である」と名づけられた章である。 副題として「音楽の『横軸』を理解する」(21頁)とある。なぜここに記譜法や五線が出てくるのか。「音の組み合わせには『定理』があり、美しいメロディ を生み出すための“足し算”や“かけ算”があって、その『四則演算』を知らなければ、決して美しい楽曲を作ることはできないからです。(原文改行)そして、その四則演算を理解するために必要不可欠なのが、『音楽記号』です。」(39頁)何事も基礎を知らねばならぬ、音楽も同様だ、といふことであらう。それにしても、足し算やかけ算とは何かと思ふ。音楽が数学等と非常に密接に結びついてゐるのは知つてゐる。クセナキスやブレーズ(79頁)がその代表である。さういふのと関係があるのか。しかし、ここでの足し算は関係がなささうで、1拍が2つで2拍となり、2拍が2つで……のやうに考へるのが、ここでの意味であるらしい。全音符、全休符から32分音符、32分休符までの一覧表もある。これで1小節の中を埋める足し算をせよといふのであらう。これに対してかけ算とは何か。「単一の音では実現できない音の響きを、複数の音の組み合わせで可能にする」(同前)操作である。「音楽の縦軸は、ある同一時点において、 同時に組み合わさって鳴らされる音のセットを指」(同前)すから、かう言へるらしい。だから「クラシック音楽におけるオーソドックスな『かけ算』には2種類あります――『対位法』と『和声法』です。」結局、ここに至つても私にはかけ算の意味がよく分からないのだが、要するに音の重ね合はせ方をここではかけ算といふらしい。その説明のためにラモーの「和声論」あたりから始まつてクラシック、ポピュラー、そしてヨナ抜き音階からユーミンまで、実に幅広くの材料で説明してゐる。これは読み手に実際の音が思ひ浮かぶやうにといふ配慮からであらう。ただ、私はポピュラー系はほとんど分からないので、却つて複雑な、あるいは不明な響きになるだけにやうな気がする。これはしかたのないことだが、もしかしたらデュボワの頭には、本書の読み手として専らポピュラー音楽の聞き手があつたのかもしれない。これ以後も多くの歌が出てくるが、クラシックはほとんどない。私のやうな者が読むことがまちがつてゐるのかもしれない。最後の曲例も明らかにクラシック音楽ではない。巷でよく聞かれる曲である。コード進行も「あえて日本の王道コードを使って」(209頁)あるとか。出てゐるのと曲例のとを比べると、確かにさうなつてゐる。かういふのは見たことがあるやうな気はするが、その実際は私には分からない。そんなわけで、おもしろかつた反面、実際の曲作りや旋法等になるとあまりおもしろくなかつたと言へる。私とは考へることが違ふらしい。かういふ人が和声のテキストを作るとどうなるのかと思つてみたりもするのだが……。
    ・それにしても本書は「」、括弧が多い。大体は「」だが、ごく一部に“”もある。一種の強調表現であらうが、一々つけなくてもいいのにと思ふ。足し算はともかく、かけ算は所謂かけ算らしくないよなと思ふ。だからつけたのかもしれない。それにしてもである。引用するのに苦労したことではあつた。

  • Let it beとIt’s My LifeとPoker Faceは同じコード進行と書かれていた。

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著者プロフィール

フランソワ・デュボワ(Francois Du Bois)
1962年、フランス生まれ。94年にレジオン・ヴィオレット金章音楽部門を史上最年少で受章するなど、世界的なマリンバソリスト、作曲家として活躍中。楽器史上初の完全教本『4本マレットのマリンバ』(全3巻/IMD出版)を刊行するなど、卓越した表現力で、作曲、執筆などを通じてマリンバソリストの地位を向上することに大きく貢献。慶應義塾大学で作曲法を指導しはじめたことをきっかけに在日21年目。本書読者のために新譜『Gunung Kawi』を特別公開(ハイレゾ対応)。

「2019年 『作曲の科学 美しい音楽を生み出す「理論」と「法則」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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