免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか (ブルーバックス)

  • 講談社 (2020年10月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784065172841

作品紹介・あらすじ

最新免疫学が教える「非自己」と「自己」とは
私たちの免疫系は、なぜ自己の細胞や抗原に対して反応しないのか?
免疫学の最大の謎ともいえる「免疫自己寛容」の解明に長年取り組んできた著者が、世界で初めて発見した「制御性T細胞」。免疫学にパラダイム・シフトをもたらし、」「がん」や「自己免疫疾患」の治療や「臓器移植」に革命をもたらすとされる研究の最前線に迫る。

坂口志文(さかぐち・しもん)
大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授。1951年滋賀県生まれ。1976年京都大学医学部卒業。医学博士。1999年京都大学再生医科学研究所教授、同研究所長を経て、2011年大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授。2016年から現職。過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見。2015年ガードナー国際賞、2019年文化勲章、2020年ロベルト・コッホ賞など、内外の受賞多数。


第1章 ヒトはなぜ病気になるのか
第2章 「胸腺」に潜む未知なるT細胞
第3章 制御性T細胞の目印を追い求めて
第4章 サプレッサーT細胞の呪縛
第5章 Foxp3遺伝子の発見
第6章 制御性T細胞でがんに挑む
第7章 制御性T細胞が拓く新たな免疫医療
第8章 制御性T細胞とは何者か

みんなの感想まとめ

免疫系が自己に対して攻撃しない理由を探る本書は、免疫学の新たな扉を開く「制御性T細胞」の発見とその重要性に焦点を当てています。著者は、免疫自己寛容のメカニズムを解明する過程を詳細に描写し、研究の楽しさ...

感想・レビュー・書評

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  • 私たちの持つ免疫系は、なぜ自己に対して攻撃しないのか。坂口先生はこの「免疫自己寛容」で重要な役割を果たす、「制御性T細胞(Treg)」を世界で初めて発見し、免疫学にパラダイムシフトを起こした。本書はTreg発見の歴史から研究の最前線、がんや自己免疫疾患の治療への応用を丁寧に紹介している。

    免疫学(主にT細胞分化)の基礎的な話からTregの分子メカニズムまで丁寧に説明されていてとても勉強になりました。Treg発見のお話は推理小説を読んでるようなワクワク感があり、研究の面白さを改めて実感できました。

  • (「BOOK」データベースより)
    私たちの免疫系は、なぜ自己の細胞や抗原に対して反応しないのか?免疫学の最大の謎ともいえる「免疫自己寛容」の解明に長年取り組んできた著者が世界で初めて発見した「制御性T細胞」。免疫学にパラダイム・シフトをもたらし「がん」や「自己免疫疾患」の治療や「臓器移植」に革命をもたらすとされる研究の最前線に迫る。

  •  著者のノーベル賞受賞をきっかけに、門外漢ながら本書を手に取ってみました。理系の本はめったに読まないので苦戦するかと思いきや、入門書なので文章自体は読みやすかったです。専門的な内容への理解はまだまだですが、それでも、ひとつひとつ丁寧な説明のおかげで少しは知識を増やすことができました。
     主旨はタイトルの通りなのですが、そこに至るまでの過程も分かりやすく書かれていて、終始楽しく読めました。「研究とはなにか」が裏テーマなのではないかとすら思えました。研究職という進路が選択肢にある人には、本書を一読することをおすすめします。著者もあとがきでこう書いています──「研究とは極めて人間的な営為である。もしも、若い研究者、学生の方々が、私が経験してきたこのような世界を面白く思い、それが研究を志す刺激になればうれしく思う。」(P.255)と。
     著者の研究者としての信念を表す言葉が随所に出てきます。「ある概念と自分の考えとを並べて『どちらがより説得力が強いか』と比べて、『自分の考えは、間違っていない』と確信できるものだったからこそ、私は研究を続けてこられた。もっとも、多少の勇気は必要だった。」(P.98)という言葉に心震えました。原因不明とか根治不可能とか言われている病気の中にも、研究の現場では原因や治療法に目星のついているものは多いのでしょう。ただ、それを特定し再現性を持たせることがとても難しい…。そういうことも初めて知りました。ミーハー心から読んでみた本ですが、知らなかったことをたくさん知ることができたので読んでよかったです。

  • 専門的な知識を丁寧に解説してくれているので、全てとは言えないがおおよその全体像が理解できた。しかし、知れば知るほど、免疫の機能が白黒では分けられない複雑さを備えていることに驚きを感じた。

  • 制御性T細胞の研究者がノーベル賞、と聞いて、サプレッサーTの事???と思って名前が変わったのかと思って読み始めた本。
    坂口先生の若いころの話などもはさんで、丁寧に説明しているけれど、免疫学を学んだことが無い人には難しいかも。
    昔のお勉強のブラッシュアップになりました。
    研究のざっとの経過はこちらにも。
    https://brh.co.jp/s_library/interview/89/

  • 研究の始まりから丁寧に記載されており制御性T細胞だけではなく研究がどのように進められていくかがよくわかる内容でした。良書です。

  • 2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文氏により、免疫の守護者である制御性T細胞とは何か、その役割、がん治療への可能性、新たな免疫医療への可能性などが、非常にわかりやすく説明されている。

    それとともに、坂口志文氏が研究者として歩んできた道、信念などが書かれており、読み物としても、非常に面白い。

    このような書籍を読み、人類の発展に広く貢献できる研究の偉大さを改めて認識した。

  • 最初は最後まで行けるかと思ったが、分からないところでは何度も眠くかけた。
    やはり今後のTregを使った新薬への期待は興味があった。
    著名な学会誌へ採用してもらうことは大変だけれども、最初だからこそノーベル賞の価値があったと思う。その苦労がよく分かった。

  • 背ラベル:491.8-サ

  • 2020年刊行の新書ですが,著者のノーベル生理学・医学賞受賞のため受入しました。
    免疫自己寛容維持の中心的な役割を果たしている制御性T細胞とは何か,
    また発見に至るまでのあゆみやこれからの免疫医療について,医療が専門でない方でも読みやすいようにまとめられた1冊です。

  • 専門外の私にとって、概念や用語を適宜繰り返し説明してくれるため、内容が難しいのにとても読みやすい。
    この分野についてわかった気にさせてくれる。

    サプレッションT細胞の亡霊に何度も苦しめられたつらさ、風向きが変わり論文の最初の提出を争う焦りや疾走感というものがとてもよく表現されていて、読み物としても面白い。
    塚﨑朝子氏の力量によるところも大きいのかもしれない。

    本筋の医学的な内容として、免疫系が本当に複雑でかなり合理的な働きをしていることをしった。設計してもこうはできないだろうと思う。自然の選択だけでよくもこんな複雑な仕組みを作り上げたな。

    シェバック博士の壁としての存在、胡散臭いものを門前払いするのではなくしっかり追試して蹴散らそうとする精力、結果を正しく評価する姿勢。こういう人がいたことも幸運であった。
    坂口氏の苦労が報われて本当によかった。

  • 自身、ギランバレー症候群という白血球の暴走でぶっ倒れた経験がありまして。
    幸い、初期の治療と先生、看護師の皆さんと、リハビリに当たって頂いた各療法士の皆さんのおかげで今が在ります。
    更なる研究を期待しております。
    坂口先生、ノーベル生理学医学賞受賞おめでとうございます。

  • 専門的な話も多いが、免疫という、自己と他者を分節化する境界線に関する仕組みの解明は非常に哲学的であり、こうした関心の根本には坂口氏の哲学への関心もうかがえる。そう言った意味で、一般の読者(素人)の私にも楽しめる一冊であった。

  • reg CD25陽性CD4陽性T細胞(かつてのsupTはCD8陽性と信じられてきた)
    FoxP3がマスター遺伝子
    TregがIL2をやたら吸収し免疫反応を抑制(TregはIL2産生しない)
    樹状細胞のMHC+抗原がTcellレセプター(シグナル1)
    樹状細胞のCD80/86がTcellのCD28に結合(シグナル2)でTcellが増殖
    TregにはCTLA-4がありこれがCD80/86を吸着し反応抑制(CD28より20倍の親和性)
    ATL細胞にもFoxP3が発現、Tregに酷似
    抗CCR4抗体モガムリズマブ(ポテリジオ)がATLに著効
    免疫抑制剤ラバマイシンは少なくとも生体外でTregを増殖させる

  • 〈日本大学歯学部OPACへのリンク〉
    https://dentlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000088201

  • もう一回読んだ方がいいかも?

  • 全然しらない分野の本。著者がノーベル賞を取られなければ読まなかったと思う。逆に言えば、手に取る良いチャンスでとっても良い勉強になった。
    文章はお世辞にも良く無いけどね。

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著者プロフィール

(さかぐち・しもん)
大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授。1951年滋賀県生まれ。1976年京都大学医学部卒業。医学博士。1999年京都大学再生医科学研究所教授、同研究所長を経て、2011年大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授。2016年から現職。過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見。2015年ガードナー国際賞、2019年文化勲章、2020年ロベルト・コッホロコッホ賞など、内外の受賞多数。

(つかさき・あさこ)
ジャーナリスト。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野を中心に執筆多数。国際基督教大学卒業、筑波大学大学院および東京医科歯科大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学非常勤講師。主な著書に『世界を救った日本の薬』『新薬に挑んだ日本人科学者たち』(講談社)、『患者になった名医たちの選択』(朝日新聞出版)など。

「2020年 『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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