- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065174234
作品紹介・あらすじ
大人気「死者蘇生」シリーズ第6弾!
子を守るために、必死で働いてきた母が犯してしまったたったひとつの過ちが、
日常を崩壊させるーー。
今度の閻魔沙羅は、長編小説!???
第55回メフィスト賞受賞者の新境地をとくと見よ!
感想・レビュー・書評
-
シリーズ6作目にして初の長編。育児放棄のあげく世間を騒がせた殺人犯になった母のせいで厳しい人生を送ってきた律子。過去を隠して仕事には成功したが娘の美久の反抗に悩まされる日々。そこに母の借金回収の為に川澄、さらに母本人までが現れ過去が周りに明かされそうになる。やがて律子は事件を起こし、その繋がりで刺殺される。事件の全容は?母娘関係や過去に苦しむ律子の背景ががっつり描かれていてその点では読み応えあった。しかし肝心の推理パートが何時もの10分設定なのでどうも都合良く繋げた印象。折角の長編だし沙羅の母や秘書官、もう少し出番あっても良かったかなー。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ初長編。長編なので今までよりも主人公の置かれた状況がより深く描かれていますが、謎解きそのものはそれほど難易度もボリュームも変わらないので、このシリーズは長編向きではないかもしれないですね。
-
閻魔堂沙羅シリーズ初の長編。 殺人者の子供という業を必死に隠しながら41歳のシングルマザーとして生きる新山律子。 娘との関係にぎくしゃくした毎日を過ごす中、自身の過去を詮索するものと出所した母が現れる。 日常を守るために犯した殺人、そして自らも何者かに殺されて・・・。
テーマは親子関係、それも殺人者の娘という特殊な関係。 奇しくも自分の娘に自信と同じレッテルを与えてしまった律子が閻魔堂で何を感じ、現世でどんな清算を取るのか。 長編に相応しい重厚なテーマと沙羅ちゃんの痛快な語り口、非常に読後晴れやかな作品。 -
初の長編ストーリー。
いやミスに入るであろう、重いストーリーだった。
初期から辛い内容なので読み進めていくことが大変だったが、一応キレイに終わったので良かった。
人殺しの家族の苦悩に関する小説は他にもあるが、逃げ続けたことで数十年経った後にも苦労する主人公の話だった。
自尊心が高いことも重要だが、それを周りに求めることで周りの人たちが苦痛に感じることを改めて思った。
全体的に内容の重さとその後の周りの苦労の大きさを想像すると、スッキリするものではないためハッピーエンドが好きな者としては評価は高くない。 -
ついに長編。殺人犯の娘という汚名のもとで懸命に頑張り、現在の地位を築いた新山律子。人間関係にやや問題は抱えるもののそれなりに穏やかな生活を送っていた彼女に降りかかる過去からの災禍。孤立無援に陥りながらもなんとか現状を打破しようと奮闘する彼女だけど、ついには殺されてしまい。自らの生き返りを賭けたゲームに乗ることに、というのは前作までと同じ流れです。
主人公が殺されること、そして自らを殺した犯人を推理しなくてはいけないこと、という物語の流れは同じで、読者にもわかっていることなので。長編だとそのあたりがだれてしまうのではないかと思いましたが。杞憂です。事件が起こるまでの部分が長いのは当然だけれど、律子の懊悩や苦悩に感情移入できてサスペンス感にぐいぐい引っ張られました。たしかに律子のキャラって、身近にいたら気詰まりだなあって思いますが。人一倍頑張ってるのがわかるだけに嫌いにもなれないんですよね。だからこそ彼女には運命に打ち勝って幸せになってほしい気分で読みました。
ミステリとしては案外単純で推理のポイントとなるところも小粒ではあるのだけれど。案外気づけないものです。もっと思考力を鍛えねば。 -
不遇の死を迎えた登場人物は自分の死に納得できず、審判の場で閻魔大王の娘である閻魔堂沙羅と取引をし、自分の死因を推理することになる、、、という推理モノ
今回は、「人殺しの娘」として世間と戦ってきた新山律子が、母親やその借金取りなどに平穏な生活をかき回されつつ、、、、といった感じの話
シリーズ初の長編ということで読み応えがあり、またこれまでのようにグイグイと読ませる文章でとにかく物語を楽しめました
情景描写や心理描写など流れるようにでもきちんと描かれている点なども良かったと思います
ただ、個人的には推理小説を読み慣れていない上、空き時間に細切れに読んだため、推理するのは諦めました
それでも十分に楽しめるのはさすがです
締め方も腑に落ちる展開で、読後感もよく、大満足です
以下再読のための備忘
・閻魔堂沙羅の小悪魔メイク!!
・「答えが分からないのは、真剣に考えていないからです。そしてあなたに足りないのは、母親の資質などではなく、推理力です」
・「なにが合格で、なにが失格かなんて、そんな基準はありません。教育とは、子供に正解を教えることではなく、なにが正解かをそのつど自分の頭でしっかり考えることのできる自立した一人の人間にすることです。なにが正解かを、それを見つけ出すまで、苦しみながら考え続ける一人の人間にすることです。(省略)」
・沙羅は微笑んだ。奇跡のような笑顔だった。 -
私には誰にも言えない秘密がある。私の母は――殺人を犯した。 過去を消しデザイナー業と子育てを両立する律子の前に、母に金を貸したという男と、縁を切ったはずの母が現れる。築いた地位と娘との日常を壊されてしまう――恐れた彼女は自宅で母を殴り倒してしまい、さらに数日後律子は刺殺される。誰が私を殺したの? 蘇りをかけた閻魔堂沙羅との推理ゲーム初の長編小説!
-
閻魔堂沙羅シリーズ、初の長編小説。短編、中編の際には省略されている部分が詳細に書かれている。そのせいでテンポが悪いなと感じてしまったが、最後まで読むと、その部分が必要なかったわけではないとわかったので納得はいった。しかし、短編、中編の方が私の好みには合っているなと感じる。
著者プロフィール
木元哉多の作品





