わたしの芭蕉

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065174319

作品紹介・あらすじ

「芭蕉は美しい日本語の世界に遊ぶ楽しみを私に教えてくれた」。
そう語る加賀乙彦氏は、作家として日本語の表現を、いかに豊かに、簡潔に、美しく磨いてゆくかに砕心してきた。長編作家・加賀乙彦氏が魅了された日本語の美を体現しているのが、十七文字という短い表現法の芭蕉であることが興味深い。
芭蕉の句の、散文の美しさはどのようにしてもたらされたのか。それを三部からなる構成で、具体的にたどってゆく。
第一部では、決定句に至るまでの推敲の跡をたどることで、美しい日本語の探求として俳句の世界を豊かにした事実を示す。
第二部では、推敲よりも、深い愛着の心で自然や人事と交わる芭蕉の姿を見る。
第三部では、芭蕉の人生行路に注目しつつ、俳句をちりばめた紀行や、豊かな俳味を持つ俳文の世界を味わう。
本書は世間に数多ある芭蕉の研究書とは趣旨を異にするものである。加賀乙彦氏が夢中になって読んだ芭蕉の自然を愛でる感性と、美しく奥深い日本語の使い方、その感動を伝え分かち合いたいという気持ちから書かれたものである。

感想・レビュー・書評

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  •  鴨長明の「方丈記」、吉田兼好の「徒然草」の美しい言葉が引き継がれ松尾芭蕉に。芭蕉は美しい日本語の世界に遊ぶ楽しみを教えてくれた。不易流行とかるみを重んじた976句の俳句。加賀乙彦(1929.4.22~2023.1.12)「わたしの芭蕉」、2020.1発行。大作です。構成は:①俳句の文体 ②森羅万象 ③人生行路と俳文。 ・古池や蛙飛びこむ水の音 ・荒海や佐渡によこたふ天河 ・さみだれをあつめて早し最上川 ・夏草や兵共がゆめの跡 ・旅に病で夢は枯野をかけ廻る

  • 芭蕉の真髄は何処にありやの解を与えてくる内容
    芭蕉の生き方を深く理解するところからその句を理解して解説してくれる。
    芭蕉の生き方を改めてこの本を読むことで理解し、多くを教えられる。
    日本語の美しさを生涯をかけて追求したことを各句から読み取れるときのおもしろさが尽きない。

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著者プロフィール

1929年生れ。東大医学部卒。日本ペンクラブ名誉会員、文藝家協会・日本近代文学館理事。カトリック作家。犯罪心理学・精神医学の権威でもある。著書に『フランドルの冬』、『帰らざる夏』(谷崎潤一郎賞)、『宣告』(日本文学大賞)、『湿原』(大佛次郎賞)、『錨のない船』など多数。『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞を受賞、続編である『雲の都』で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。

「2020年 『遠藤周作 神に問いかけつづける旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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