夫のトリセツ (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1930
感想 : 201
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065178898

作品紹介・あらすじ

日本中の夫と妻に大反響を巻き起こしている『妻のトリセツ』。

「次はぜひ夫編を」
読者の熱い声に応えてついに登場。

「話が通じない」「わかってくれない」「思いやりがない」「とにかく気が利かない」……
腹立たしい夫を見捨てる前にこの一冊。

今度は脳科学から男脳を解明。
夫婦70年時代のバイブル。

第1章 神は、夫婦を別れさせようとしている
第2章 使えない夫を「気の利く夫」に変える方法
第3章 ひどい夫を「優しい夫」に変える方法
第4章 脳とは、かくも厄介なものである


…………………………………………………
第3章 ひどい夫を「優しい夫」に変える方法
「愛は『してもらう」ことで稼ぐ」より


「私は、男性にはよく『ウルトラマンの妻になったところを想像してみて』と言う。

ウルトラマンである。何万光年のかなたの、知らない星の子どもの命を救いに、命がけで出かけちゃうんだ、この夫は。妻としてはわけがわからないが、それが、男の使命だと言うのなら、行ってらっしゃい、である。地球に3ヵ月の単身赴任。そんなことで、妻は絶望したりしない。

妻がウルトラマンに絶望するのは、ウルトラマンが弱みを見せないから。たまに帰ってきて、黙ってご飯を食べて、また出かける。それでは、自分がここにいる理由がない。彼の人生から締め出されたような気持になってしまうだろう。

ウルトラマンは、妻に弱音を吐かなくちゃ。『今日、ゼットンにここ蹴られて、痛かったの』くらい言って甘えればいいのだ。

『大丈夫? うるちゃん、ふぅふうしてあげるね』『ありがとう。きみのおかげで、僕はまた戦えるよ』

そんなふうに心を通わすことができれば、妻にとって、夫はかけがえのないものになっていく。

ほらね、愛は、してくれることよりも、してあげることで強まるのである。子どもがかけがえがないのは、命を与え、食べさせ、世話をし続けるからだ。猫がかわいいのは、手がかかるからだ」

感想・レビュー・書評

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  • 「夫婦の壁」を以前に読んでいたので、内容としては重複していることが結構あったと感じた。
    なので、さらっと流して読んだ。
    50代の自分にとっては、「夫婦の壁」の方がしっくり来たのかなぁ。
    理屈ではわかっていても、夫婦ってなかなか難しい。


  • 夫婦喧嘩の絶えない友人が参考になったーと言っていたので図書館で借りてみた。

    ほぼ、予想通りの内容で暇つぶし程度に読めばいいかなー。

    その友人は現在も喧嘩が絶えませんが。
    頭でわかっていても、いざ相手を目の前にするとなかなかうまくできないもんですよね。

  • ついに結婚したので、夫版も読んでおこうと思いたち、購入!黒川伊保子さんの本を読むと、夫の全てが愛おしく感じられる。自分に余裕がない時、可愛げがなくなってしまった時、何度も読み返したいなあと思います。素敵な結婚生活を送るぞ〜!

  • 夫が題材なため著者の私情が入ってる。思うことが多いのだろう。取り上げてる例やテンションや価値観で平成初期かと思いきや発行が2019年だった。割と新しい。

    よく聞く話もあればへーそうなんだと思うこともあった。特に身体拡張感覚はちょっと面白い。

  • いわゆる男性脳と女性脳の話。
    妻からは理解しがたい夫の言動を脳科学の観点から読み解く。

    男女によって脳の作用(チューニング)が異なるから考え方や行動の違いに苦しむということ。

    男性は昔から狩人として広い範囲を観察し、最短で問題解決する(獲物を狩る)ように、女性は子どもを育てるため、周りの女性たちと会話し協力しながら子どもの細かな変化も見逃さず守り抜くようにできている。

    そのため、男性は空間認知に長けており、その能力を発揮するため、沈黙の中でぼんやりとすること(周囲から雑音を消し静寂の中に身の危険を察知しようとする習性)で安心する。だから、女性のおしゃべりにぼーっとしやすい。男性が話を聞いてないなと思っても、男性脳を発揮してストレスから解放されてるんだなくらいに思っておく。

    また男性と女性では腕の動きが異なり、所作の違いから男性の目には妻の所作が網膜には入っても風景のように見流してしまっているので、妻がせわしなく家事をこなし手伝ってほしい時も、夫には外を走る車を眺めているようなもので妻の状況を認知しづらい。そんな時は、察してオーラではなくきちんと言葉にして何をやってほしいか具体的に言葉にする。

    なんでもやってあげる妻でいるのは危険。夫にも家事を任命する、やってもらいたいことはお願いする、甘えることが大切。

  • 妻の目線に立ってみたくて夫だが読んでみた。申し訳ない気持ちと新たな発見でたくさんだ。あの時、あの日もっとこうしておけばという後悔がたくさん思い浮かぶ。しかし、明日からもまた申し訳ないことをたくさんしてしまうのだろうと思いながらも、この本に出会う前よりかは減るだろうと思う。妻のトリセツに出会った時も衝撃であったが、同じくらいの衝撃を受けた。妻のトリセツと夫のトリセツは合わせて読むべきではないかと思う。なぜなら相手のことを思いやり、相手の立場になるという気持ちが夫婦円満の秘訣であると私は考えるからである。妻の立場になってこの本を読めば自分の行動がどれだけ腹立たしいのかよくわかる。黒川さんに感謝の気持ちを届けたい。

  • 妻のトリセツが取扱説明書だったのに比べると、こちらはなんだか夫はもうこういうもんだから期待せず諦めよ、という悟り的な雰囲気が漂う。

  • 2023年10月7日読了。「妻のトリセツ」の第二弾。女性の立場での夫の無神経さの理解の仕方、夫に自分の望むよう行動してもらうコツを解説する本。「男性にとっては定番の行動を欠かさないことが愛情の証、女性は日常を超えるアクションが発露したときに愛情を感じるもの」という指摘は興味深い、確かにそうだなと思う反面「女性はプロセス指向なので突然のサプライズを嫌う」という説明と矛盾するような気もする。まあ、夫も妻も相手を自分の尺度で、自分の期待に沿って評価するのは酷なもの。相手の思考様式を理解し、それに反するような期待をせず、相手も自分も快感を得られるようなやり方でインタラクションできればそれに越したことはない、ものか。本書にある通り「完全に相手の意図を理解し効果的な先回りばかりする夫」はつまらないと思うし、意図が伝わらずたまに言い合いをするくらいが健全な関係性なのだろう。

  • 授乳期に入り、育児疲れもある中、夫婦間の向き合い方に齟齬を感じていた。そして、それをうまく解決できないがために夫に当たってしまうことが少々あり、どうにかしたいなという気の迷いで手に取った本。
    数年前に「妻のトリセツ」が話題になっていたことは知っていたが、夫に、さあわたしを知ってくださいねと渡すのは不遜に感じたため、まずは自分が相手を知るためにこちらの本を読んでみることにした。

    で、実際読後の感想であるが、エビデンスに全くといっていいほど言及されておらず、要所要所でツッコまずにはいられない。それでいて、書きっぱなしの筆者に直接対話して反論することができるわけでもなく、自己消化を強いられるためにモヤモヤが溜まり、読むのに時間がかかってしまった。
    一言で言うならば、近所のおばちゃんが書いた疑似科学本。血液型診断の類に近い。気休め程度の本。おばちゃんに「わたしの家ではこうでね、わたしの周りの人はこうでね(微笑)」「男と女は違うから、これをした我が家はうまくいってるわよ(^_-)」と延々と聞かされているような本だった。
    きっと筆者は繊細な人ではないからそう簡単に二分化してしまうんだろう。本人も自覚しているようではあるが(最終章記述あり)。
    人はモノではなく、複合的に内包されたコトなのだとしたら、そう簡単に分けるのはよしてくれよと思ってしまった。

    それと、ご自身に酔った文章の書き方がわたしには合わなかった。まあ、世間にウケる書き口ってこんなもんか……。

    とはいえ、何か対人関係に行き詰まったときにわたしを助けてくれるのはいつだって読書だということは間違いないので、知らない人の話を聞く意味では、新たな出会いだったかなとは思う。そう思わないと費やした時間がしんどい。

    この本を読んだ自分の気づきとしては、おそらく、夫を知るために一般的な男性は〜、と型にはめて理解してしまいたい自分がいたが、夫婦のありようは夫婦の数だけあり、夫をこの本に当てはめるのは失礼だなと思えたことである。
    この本を読んで打算的に接する自分も嫌だし、おそらくそうしたところでうまくいかない。たくさんパートナーに向き合って試行錯誤するしかない。
    要するに、自分にとって読書が息を抜く活動であるのはよいとして、そこから得たことを鵜呑みにして実践するのは違うということ。もっと大いに長い時間をかけて反芻した挙げ句に無意識に取った行動が、もとをたどれば本の影響であった、と思えるのが自分にとってはこれこそ血肉同然となったといえるのであり、それが読書活動のうまみであるのではないか、ということ。
    タイムパフォーマンスの効率化が加速しているが、ハウツー本ってやっぱ人に当てはめるものではないなと反省した。

    ただ、育児については、本書にもあった通りで、夫も働いて日々疲れている中、協力してくれているので(わたしはもとより専業主婦ではないため察する)、ある意味割り切って、シングルマザーのわたしの育児を手伝ってくれる男友達、と捉えると精神衛生上いいのはある。なんで気を遣ってくれないの?とは思わなくなった。その点については、評価する。

    まあ、色々書いたものの、喧嘩してうまくいかないからこうやって本書にすがるように手を取ったわたしの行動は、彼女に言わせれば共感を求める女性脳そのもののなのかもしれない。きっと「男性脳」の夫は読まないだろうな〜絶対。それとこの男性脳、女性脳は世界的にも当てはまるの?などやっぱりツッコミは尽きない。

    さて、モヤモヤを抱えながらどうにかこうにか読んだ本書であるが、その途中、彼女に対する批評文について調べたら、東大の四本准教授の文章が出てきた。まさに言いたいことを代弁してくれているようで読んでスカッとした。やっぱこの時代、エビデンス必須だし、多様性に踏み込まないといけませんね。4年前に読んでいたらもう少し自分も未熟で、世のスタンダードもあり、多少は優しい評価になったかもしれないが。

  • 結婚している全女性必携の教科書的な本。
    なるほどねぇ、が沢山詰まってる。夫にムカついた時や、夫婦関係につまづいた時に読み返したい本です。

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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