歴史とは靴である 17歳の特別教室

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065181898

作品紹介・あらすじ

ところで、歴史は、しばしば好き嫌いで論じられます。
 ぼくもよく聞かれます。
「先生、歴史が好きですか?」
「先生、歴史上の好きな人物は?」
 などと言われます。
「うちのお父さん、歴史が好きなんです。先生の本もよく読んでます」
 とか言われることもあります。
 好き嫌いで論じられるものは嗜好品です。酒やタバコと同じです。
 はたして歴史学は、好きか嫌いかで選べるものでしょうか。
 どうもちがう気がします。
 歴史的にものを考えると、前より安全に世のなかが歩けます。歴史はむしろ実用品であって、靴に近いものではないか。ぼくはそんなふうに考えます。
(中略)
 なにごとも歴史的な考えかたは大切になります。常日ごろから、時間と空間を飛び越えて、似たようなことはないかなと考えながら暮らすと成功パターンも知れ、危険が避けられ、成功しやすいのです。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 私はどこに立っている?上下・左右、前うしろ(内田樹、田野大輔、磯田道史) | 本の処方箋、どうぞ♪ | mi-mollet(ミモレ) | 明日の私へ、小さな一歩!
    https://mi-mollet.com/articles/-/29740

    『歴史とは靴である 17歳の特別教室』(磯田 道史)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000327844

  • 歴史について
    「歴史が好きか嫌いか」なんていう立場で
    見るのは間違っている
    歴史はし好品ではない
    歴史を知ることは 世の中を安全に歩くこと
    ということが 靴というたとえになってます

    知ることによって
    世界が広がるという醍醐味
    本好きにはたまらなく
    わくわくしちゃいますよね

  • 「この表紙、なんか見たことある気がする」
    と思ったら、佐藤優さんに同じような本がありました。
    講談社の「17歳の特別教室」シリーズで、表紙は黄色(人生のイエローページ)、寄藤文平さんによる似顔絵。

    作家・哲学者・宗教家など、個性豊かな先生たちが高校生を相手に行う「特別授業」を書籍化したもの。
    この本は磯田さんが昨年6月鎌倉女学院高校で行った授業をもとにしています。

    もともとTV歴史番組を見ていて「磯田さんは他の教授や学者よりも歴史大好き」というのが伝わってきていました。
    思った通りの、子どもの頃からのエピソードに笑ってしまいました。

    〈目先の国会での5分とか10分の答弁をやり過ごせたらいいやみたいなそんな発想、減点されないよう人の顔色をうかがう忖度が蔓延しているとまずいのです。そうならないためには、まず教養です。
    だからみなさんは、ほんものの教養人になってください。ぜひ、なる!そう思っていないと教養は身につきません、ホントに。
    ぼくも学問にはげみ、世のなかのことを考えつづけていきたいと思っております。〉

  • 女子高での講演の内容をまとめたもののようです。
    対象者が生徒なので、とても噛み砕いた内容になっています。
    深く知るという目的にはあわないかもしれませんが、入門編にはとてもおすすめ。
    歴史に興味がない方でも楽しく読めるかと。

  • 課題図書にしてほしいくらい。
    私29歳だけど、だからこそ言葉がたくさんささった。
    すごく読みやすくてふんふん、となる。
    たくさん本を読もうと思った。

  • 磯田さんの幼少期の話がとても興味深かった。

    カミ、クニ、カネはホモサピエンスの特徴ですね。

    最後の高校生とのやり取りで、AIが普及するといわれる現代こそ歴史を学ぶ価値があるのだということを認識させてもらった。

  • 磯田先生が女子高生相手に行った特別授業を元に再構成したもの。

    歴史について平易な言葉で語られていた。着ぐるみの歴史なんて初めて聞いたけど、能とか歌舞伎も関係あるんですね。

    巻末の生徒さんから質問受けて答えてらっしゃる部分も、これからの時代を考えるうえで参考になりました。

  • 【感想】
    歴史家の磯田道史が送る歴史の定義について、実際の授業をもとに書かれた一冊。前半は難しい歴史用語がなく、「歴史を学ぶ意味」を分かりやすくスムーズに学ぶことができた。著書のタイトルの通り、「歴史とは靴である」の意味がここで理解することができる。私個人としては納得はいったが、人によっては納得のいかない部分もあるかもしれない。後半の脱線部分が難読であり、この評価となった。
    【アクションプラン】
    ・歴史は未来予想のためのツールとなる。過去から未来へつなげる。
    ・新しいことはAIではなく、人間が創造する。

  • 筆者が鎌倉女学院高校で行なった特別授業での講義をまとめた本です。

    特に「教科書は平均値にすぎない」という話と、一次史料と二次史料の話が興味深かったです。
    確かに、税の制度は明治に入るまで日本全国全然違うやり方で徴収していたはずですが、教科書ではそこまで学びません。
    また、一次史料と二次史料では一次史料が信憑性が高いとされていましたが一概には言えないということ、そして古文書以外のあらゆるものが史料になりえるという話もおもしろかった。

    高校生向きの話にはなっていましたが、内容的には史学科に入ったばかりの学生さんに聞かせるべき話だろうなと思います。

    そしてやっぱり磯田さんの話は分かりやすいなと♪

  • ものすごく面白かった。
    娘が中学生くらいになったら是非読んでもらいたい。

    歴史だけでなく様々な事に詳しく、物事を色んな角度から見れる、だから話が面白い。
    こういう人を教養がある、というんだろう。

    こういう本に出会えると
    本が好きで良かったなーと思う。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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