〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで (講談社学術文庫)

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本棚登録 : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065183595

作品紹介・あらすじ

自転車を「bike」と呼ぶか「cycle」と呼ぶか、眼鏡は「spectacles」かはたまた「glass」か。イギリスの階級意識はこんなところにも現れる。言葉遣い、アクセントにはじまり、家や食べ物、ファッション、休暇を過ごす場所……あらゆるものに微妙な、あるいは明白な階級をあらわす名札がついている。「世界中でもっとも階級にとりつかれた国」、作家ジョージ・オーウェルはイギリスをそう評している。
 そんなイギリスで「紳士」たらんと、ほかの階級から嘲笑を浴びつつ精一杯背伸びしてきたのが、本書の主人公「ロウアー・ミドル・クラス」の人々である。「英国紳士」と聞いて真っ先に思い浮かべるシャーロック・ホームズや、日本で人気のジーヴズは、実は彼らと同じ階級に属するヒーローなのだ。
 ワーキング・クラスとは断固区別されたい、しかしアッパー・クラスには決して届かない。上の階級の趣味や持ち物をまねると、たちまち流行して彼らが所属する階級の証となり、揶揄の対象になってしまう。隣人と差をつけるべく、アップライト・ピアノを買い、レースのカーテンを飾り、ささやかなことに一喜一憂する姿は、滑稽でありながらもいじましく、愛おしい。
 彼らが揶揄されはじめたヴィクトリア朝から、かつての階級を超越した「スーパー・クラス」が登場する現代に至るまで、およそ100年間の悪戦苦闘を豊かなエピソードで描きだす。ほろ苦くもおかしいイギリス階級文化論。(原本:『階級にとりつかれた人びと』中公新書、1999年)

著者プロフィール

1961年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学(比較文学比較文化専攻)。東京大学教授。専門はイギリス文学と比較文学。主な著書に『不機嫌なメアリー・ポピンズ』,『執事とメイドの裏表』、『魅惑のヴィクトリア朝』、『パブリック・スクール』、編訳書にジェイン・オースティン『ジェイン・オースティンの手紙』などがある。

「2020年 『〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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