おおきな森

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 57
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (898ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065187395

作品紹介・あらすじ

東北から南米へ
戦前から現代へ
時空の森を貫き
その列車は疾る

小説家兼探偵・坂口安吾が、疾走した高級コールガールの行方を追う「第一の森」。
記憶を持たない男・丸消須ガルシャが乗った列車で不可解な殺人事件が起きる「第二の森」。
そして私は小説に導かれ京都、長崎、東北と漂泊し、手記「消滅する海」をしたため続ける。

ミステリ、SF、幻想小説にして世界文学。
前人未踏のギガノベル、ここに誕生!

感想・レビュー・書評

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  •  記憶のない丸消須と同じように読者は、いきなりよくわからない世界に放り出されたように始まる。まさに混沌の世界。その中で厳密性を求めるように言葉を学びゆく丸消須。それに対して読者は言葉の森に迷い込んだように翻弄されていく。衒学的ともいえる認識論や坂口安吾・宮沢賢治・小林秀雄などの作家論を背景にした修辞学的議論などが、まるで万華鏡のように展開されていく。まさにカオスであり「ごった煮」だ。会話の目指すところが見えないまま、時間・空間が並行して進んでいるようでありながら、ちょっとした単語(例えば、丸太であり森や神隠しなど)が意識の中に残り3つの世界をつないでいることに気づかされる。そして、難解なメタファの山を読み解く様にメタ小説化していくパートが表れてくることにより徐々に「感じるもの」が増えていく。長い長い意識の漂流の先に現れてくる怒涛の展開は、まさにカタルシスである。

    #おおきな森 #NetGalleyJP 

  • 理解不可能だけれど、一大交響曲を左脳で聞いたという風に読み終えた。
    銀河鉄道、百年の孤独、長崎の二十六聖人、満州、東北弁
    ありとあらゆる興味深い事柄を編み込んでいって、坂口安吾も探偵家業をなしている。おおきな森に迷い込むというよりも余りの難解さに大海原にひとりぼっちでなげ出されたような気さえする。
    あの車両の中で早々に溺死したのはこの私だったのかもしれない。

  • 僕には理解できない。だけども雰囲気は味わえたからそれでいい。あと、本棚に置いときたい。無性に。

     

  • 古川日出男著『おおきな森』読了。連載時に二年毎号追いかけて読んでいたので、実質二回目。この文量と物質としての重量は一気に読むと混乱する、混線する。
    改めて読み返すと坂口安吾やガブリエル・ガルシア=マルケスやフリオ・コルタサルやホルヘ・ルイス・ボルヘスのラテン文学三人衆、現代の小説家である「私」の三つの世界が描かれていく。キーワードとして「銀河鉄道」「イーハトーブ」「満洲」「東北」「京」などが炸裂する。三の因果率のように三に関連する物語たち、広島に長崎に、そして落とされていたかもしれない三つ目の原爆、兄と妹の関係性が絡み合う。
    満洲における七三一部隊も出てくるが、これは現在連載している『曼陀羅華X 2004』にも出てきている。『曼陀羅華』はオウム真理教について書かれているので七三一部隊の細菌兵器やペストについて触れているからだが、『おおきな森』に通じるものもいくつかある。
    『おおきな森』の副読本としては『グスコーブドリの太陽系―宮沢賢治リサイタル&リミックス―』なんだろうなと思う。兄と妹なら『サウンドトラック』も浮かんでくるが、宮沢賢治という存在が、兄と妹が、東北が、通じているのがよくわかる。
    読み終わってもなにかわからないものが残り、理解するためにはまた最初に戻り読み返さないと見えてこないのかもしれないみたいなイメージはたぶん、作中でも触れられているフリオ・コルタサル『石蹴り遊び』に近いのだろう。

  • 重い。
    九百ページは肩がこる。

  • 古川日出男の最新作……は、超大作w
    こんな分厚い本が出たらそれだけでも欲しくなってしまうもので、期待しながら買って、休日を潰した。一言で表現出来るような内容ではないが、休日を潰して読んだ甲斐はあった。腕は疲れたが……w

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著者プロフィール

1966年生まれ。98年『13』で作家デビュー。『アラビアの夜の種族』で推協賞、日本SF大賞、『LOVE』で三島賞、『女たち三百人の裏切りの書』で野間文芸新人賞、読売文学賞。最新作は『ミライミライ』。

「2018年 『作家と楽しむ古典 平家物語/能・狂言/説経節/義経千本桜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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