ひとりでしにたい(1) (モーニング KC)

  • 講談社
4.17
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本棚登録 : 157
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065189931

作品紹介・あらすじ

いわゆるひとつのバリバリのキャリアウーマンで、優雅な独身生活、余裕の老後を謳歌していたかに見えた伯母がまさかの孤独死。黒いシミのような状態で発見された。その死にざまに衝撃を受けた山口鳴海(35歳・学芸員・独身)の人生は婚活から一転終活へ。死ぬのは怖い。だけど人は必ず死ぬ。ならば誰より堂々と、私は一人で死んでやる。一人でよりよく死ぬためには、よりよく生きるしかない。愛と死をひたむきに見つめるフォービューティフルヒューマンライフストーリーの決定版誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 身内の孤独死をきっかけに、35歳独身女性が「終活」を考える話。

    タイトルで死にたい言っていますが、「よりよく死ぬためにしっかり生きよう」とする漫画。いたずらに煽るような表現はなく、軽妙なギャグに笑いながら読める。
    だけどメッチャ真面目に正面から向き合っているので、胸にブスッと刺さった刃が読み終わってもまったく抜けない。そのバランス感覚がすごい。「孤独死」という題材で、この笑えて考えさせられる真面目で優しい読後感というのは、なかなか稀有なのではという気がします。個人的に期待の一冊。
    著者の漫画作品はサブカル属性のイメージでしたが、これは広い層に読まれてほしいなと願ってしまう。

    面白かったのは、色々な立場の人の生き方が出てくる所と、その描き方。
    独身アラフォー女性を主役に、苦学生・専業主婦・共働き子育て・老後・親の介護…etc。それぞれの立場の価値観ギャップ、世代ギャップが非常にわかりやすい。ひとつの視点の生きづらさだけでなく、自分とは違う立場の人への無神経さ・残酷さがきちんと描かれているのが誠実です。主人公の鳴海は自分のイヤなところをきちんと自覚するので、嫌味なく読めるのが上手いなあと思う。真理はズドンと刺しながらも、全方位の表現に配慮があるので、言葉の使い方が巧みだなと唸るばかり。

    あとセリフが魅力的です。刺さる表現がたくさんありました。
    実家が太い鳴海と、苦学生と思われる那須田くんの価値観の相違、特に奨学金のくだりは耳が痛かった…
    鳴海の親世代における専業主婦と働く女の対立など、なんか見たことがあるぞーという、分かり合えない壁がたくさん出てきて、あーいたたたたってなります。
    「ひとり」を描くためにこそ、様々な個人の生を描き、自分とは違う他者がたくさんいる世界で、ひとりの人ほど「人」を大切に生きていかないといけない……という気づきの視点が良いなと思いました。潔い。
    不安と孤独の処方箋として、推しと言う名の「希望」を提示するのも、カレー沢先生らしくて良いです。
    好きなものがある人生、万歳。あと猫は神。

    孤独死のリアルを書いている本も、お金の稼ぎ方や人間関係の築き方を書いている本も、山ほどあるのでしょうが。ハウツー以前の意識部分を、こういうアプローチで攻めるのは漫画ならでは。
    最近の推し漫画です。現状把握の一巻から、どう展開してどう着地するか。続きが読みたい〜

  • 実家が太いと人生に危機を感じにくい……けど、自分の代で同じ太さを手に入れるのはほぼ不可能……。
    という、負のループ。

    那須田もなんだか拗らせているし、みんなおかしいけど、これが現実、感もある。

  • 1-2巻までと続きはコミックDAYSで読了。テーマが、老後、孤独死、猫は神、って、なかなかに類を見ないもので。普段考えないことをリアルに突きつけてくれるマンガ。持ってる環境も千差万別なら選択肢も様々。そして正論ぶつけても感情で返されれば話は噛み合わず…。意識してなかったけど対話を重ねるうちに実家が太いと気づいた山口さん。複雑な家庭であることを感じさせつつキツイ言葉でつっこんでくる同僚と話すうちに、気づきを得て行動も起こすが…と。そして、猫の廬山人、かわいすぎてホッとします。/"孤独と不安は人を馬鹿にする" "それなりに余裕がある人生じゃないと他人の言うこと素直に聞いたりまして周りを見るなんてできないですから" "よく死ぬにはよく生きねばならない"

  • 鳴海と一緒に「何も考えてない」を浮き彫りにされている!
    アプローチの仕方が独特すぎるナスダ君もいいキャラしてる。
    考え始めるきっかけや気付きを示してくれるよいお話し。

  • これと風太郎不戦日記を買ったのですが、両方一気に読むと、生きたいのか死にたいのか、とりあえず強く生きていこうと思えます。

    汁まっしぐらな人生なんで、主人公と同じ視線で読める。汁だけは回避するために、やれることを…2巻読んでから考えよっと思います。
    同じくまっしぐらな父親にも勧めておこう。

  • まさかこんなに重たい内容とは。
    重すぎて2巻にいけない…

  • 絵は下手だけどストーリーがめちゃくちゃ面白い。
    Twitterの混沌を煮詰めてお話にした感じ。
    わたしもまさしく鳴海のような女なので、那須田の暴言が胸に刺さります。
    わたしも、よく死ぬためによく生きたいと思うので、続きが楽しみ。

  • 那須田くん、主人公の価値観を昭和的だの何も考えてないだのメタメタにけなしておいて本人の価値観もえげつないくらいインターネットのホモソーシャルに染まってて矛盾の塊
    若さゆえに尖った不器用男子という位置付けにしても言動がひどすぎてとても苦手…純粋アラフォー主人公との相性は何だかんだ良さそうだし、この漫画に必要なキャラだとはわかっていても。

  • さすがはカレー沢薫先生。
    すごくためになりました。

    結婚してもしなくてもシビアな現実はあるわけで、みんな死ぬときは1人だし。
    厳しい視点ふんだんに盛り込みつつ
    希望も忘れないマンガです。

    人生を考える妙齢女性にはぐさぐさ刺さる言葉だらけですが、それでも一読あれ!と言いたい作品。

  • 著者さんの作品は初読み。
    妹が大好きな作家さんで、ちょうど、引っ越しの話をしていた時に「よんでみる?」と、出してきた(笑)

    35歳設定の主人公だけど、これ、知らない人多いかも。な、実践的な社会保障制度とかが書かれてる。

    この漫画では無いけれど、「大学の学費は全額親に出してもらいました」「家は親の持ち家です」って人、本当に多い。。そのため、以前、将来話をすると、ギャップに戸惑うことがあったりした。
    サラッと読めるので、今まで社会保障制度を考えて来なかった人に良いかもしれないなー。。

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著者プロフィール

モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、作家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」(2021年7月現在)。なお、本作はコミックDAYS(講談社)で毎月第一・第三日曜日に1話ずつ更新中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。おめでとうございます。ありがとうございます

「2021年 『ひとりでしにたい(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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