ひとりでしにたい(1) (モーニング KC)

  • 講談社
3.97
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本棚登録 : 292
感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065189931

作品紹介・あらすじ

いわゆるひとつのバリバリのキャリアウーマンで、優雅な独身生活、余裕の老後を謳歌していたかに見えた伯母がまさかの孤独死。黒いシミのような状態で発見された。その死にざまに衝撃を受けた山口鳴海(35歳・学芸員・独身)の人生は婚活から一転終活へ。死ぬのは怖い。だけど人は必ず死ぬ。ならば誰より堂々と、私は一人で死んでやる。一人でよりよく死ぬためには、よりよく生きるしかない。愛と死をひたむきに見つめるフォービューティフルヒューマンライフストーリーの決定版誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 身内の孤独死をきっかけに、35歳独身女性が「終活」を考える話。

    タイトルで死にたい言っていますが、「よりよく死ぬためにしっかり生きよう」とする漫画。いたずらに煽るような表現はなく、軽妙なギャグに笑いながら読める。
    だけどメッチャ真面目に正面から向き合っているので、胸にブスッと刺さった刃が読み終わってもまったく抜けない。そのバランス感覚がすごい。「孤独死」という題材で、この笑えて考えさせられる真面目で優しい読後感というのは、なかなか稀有なのではという気がします。個人的に期待の一冊。
    著者の漫画作品はサブカル属性のイメージでしたが、これは広い層に読まれてほしいなと願ってしまう。

    面白かったのは、色々な立場の人の生き方が出てくる所と、その描き方。
    独身アラフォー女性を主役に、苦学生・専業主婦・共働き子育て・老後・親の介護…etc。それぞれの立場の価値観ギャップ、世代ギャップが非常にわかりやすい。ひとつの視点の生きづらさだけでなく、自分とは違う立場の人への無神経さ・残酷さがきちんと描かれているのが誠実です。主人公の鳴海は自分のイヤなところをきちんと自覚するので、嫌味なく読めるのが上手いなあと思う。真理はズドンと刺しながらも、全方位の表現に配慮があるので、言葉の使い方が巧みだなと唸るばかり。

    あとセリフが魅力的です。刺さる表現がたくさんありました。
    実家が太い鳴海と、苦学生と思われる那須田くんの価値観の相違、特に奨学金のくだりは耳が痛かった…
    鳴海の親世代における専業主婦と働く女の対立など、なんか見たことがあるぞーという、分かり合えない壁がたくさん出てきて、あーいたたたたってなります。
    「ひとり」を描くためにこそ、様々な個人の生を描き、自分とは違う他者がたくさんいる世界で、ひとりの人ほど「人」を大切に生きていかないといけない……という気づきの視点が良いなと思いました。潔い。
    不安と孤独の処方箋として、推しと言う名の「希望」を提示するのも、カレー沢先生らしくて良いです。
    好きなものがある人生、万歳。あと猫は神。

    孤独死のリアルを書いている本も、お金の稼ぎ方や人間関係の築き方を書いている本も、山ほどあるのでしょうが。ハウツー以前の意識部分を、こういうアプローチで攻めるのは漫画ならでは。
    最近の推し漫画です。現状把握の一巻から、どう展開してどう着地するか。続きが読みたい〜

  • ネットで最初と途中何話か飛び飛びで読んだのですが、読んでないところに真の重要なことが隠されていた。ナスダくんの目的?とか、なんかいろいろ。そうか実家が太いと何も考えずにここまで来ちゃうのか。鳴海ちゃんはまだいいほうかも。生き甲斐(アイドル推し)、マンション、猫などいろいろある。そしてまだ補正できそうな年代である。
    自分のことで考えると、夫がいても子がいても老後は果たしてどうなるのか。かなり不安になってきた。そして親、兄弟…あーうーがーもうダメだ。

  • さすがはカレー沢薫先生。
    すごくためになりました。

    結婚してもしなくてもシビアな現実はあるわけで、みんな死ぬときは1人だし。
    厳しい視点ふんだんに盛り込みつつ
    希望も忘れないマンガです。

    人生を考える妙齢女性にはぐさぐさ刺さる言葉だらけですが、それでも一読あれ!と言いたい作品。

  • 絵は下手だけどストーリーがめちゃくちゃ面白い。
    Twitterの混沌を煮詰めてお話にした感じ。
    わたしもまさしく鳴海のような女なので、那須田の暴言が胸に刺さります。
    わたしも、よく死ぬためによく生きたいと思うので、続きが楽しみ。

  • カレー沢 かなり正面から衝突(突撃 猛攻)している 四十代以上の人には必読 五十代以上にはもっと必読

    叔母の孤独死をきっかけに、自分の老後について考え始めた三十代独身の主人公 社会保障や老後環境についていろいろ知ってゆく 遅蒔きのビルドゥングスロマーン

    主人公は実はけっこう恵まれた環境にいる 主人公をみちびくベアトリーチェ的な存在は二十代の同僚であり元苦学生 那須田くん その彼があてはまるロスジェネの世代がしわ寄せをくらっておりいちばんきついのだなあ

    それ以前の世代 そしてしわ寄せを喰らわなかった者たちが どうふるまうべきなのか むずかしい問題だとおもうが そのことも正面から扱われている すりきれてしまった糸井重里 氏などにはもはやできなくなってしまった立ち位置か

    主人公の仕事は学芸員だが カレー沢 氏は東京都写真美術館のフリーペーパーで紹介漫画を長期連載している 知らない向きは面白いのでオンラインでも読むとよいです

  • 身内の液状化をきっかけに、見落としてきたマウンティングや若者を苦しめる奨学金などの問題に向き合う、というある意味、実用書

  • エッセイだけじゃなくて漫画も素晴らしいカレー沢薫先生の本です。

    おばが亡くなってから終活について考えるアラフォーの漫画…と言ってしまえばそれでなんですけど終活といってもそんなに暗くならずに読めました。独り身アラフォーの自分としてはグッサグサ刺さる所はあるのですが。

    まず、しょっぱなから結婚もせず子供も産まないで一人で好き放題していて”罰が当たった”と言われるあたりで一刺し食らいました。結婚してないの、そんなに悪か!!子供産まないのそんなに悪か!!とゴロゴロ転がってしまいました。

    この本の救いは法的な知識を得られるという事と、おキャット様。魯山人と山頭火(両方イカした猫の名前)が可愛いのなんのって。この二匹の存在が無かったら本当に重たくて一度読んだらしばらく読み返すことのできない本になっていたかもしれません。

    あと、推しは重要という事も分かりました。最近は漫画やドラマ、アニメにプラスして特撮を大いに推している私ですので、推しのために生きる!!と言う気持ちはありますし、推しの活躍を見切るまでは死ねない!という気持ちもあるので、持病の少々である希死念慮も起こっていません。

    今できることは断捨離して遺言状書いて、死んだときにこの一人暮らしの部屋をどうしてほしいかを考えて置く事かなぁ。と思います。2巻も楽しみです。

  • スープ化叔母さんに始まり、己の身を振り返ると怖くなることばかり…それにしても猫のネーミングに魯山人・山頭火だなんて秀逸過ぎやしませんか。カコイイ。

  • 3.5 脇の園先輩おすすめ

  • 体調万全じゃない時に読むと普通に具合悪くなるな。孤独。

    内容とミスマッチにも思える絵柄の緊張感の無さが良い効果を。

    老いを視野に入れて生きなきゃね。

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著者プロフィール

時は2009年。モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、漫画家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」。なお、本作『ひとりでしにたい』はコミックDAYS(講談社)で毎月第一・第三日曜日に1話ずつ更新中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。おめでとうございます。ありがとうございます。まだまだがんばります。

「2022年 『ひとりでしにたい(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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