合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 765
レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065190654

作品紹介・あらすじ

「殺し」と「傷害」以外、引き受けます。

美貌の元弁護士が、あり得ない依頼に知略をめぐらす鮮烈ミステリー!

不祥事で弁護士資格を剥奪された上水流涼子は、
IQ140 の貴山をアシスタントに、探偵エージェンシーを運営。
「未来が見える」という人物に経営判断を委ねる二代目社長、
賭け将棋で必勝を期すヤクザ……。
明晰な頭脳と美貌を武器に、怪人物がらみの「あり得ない」依頼を解決に導くのだが――。

感想・レビュー・書評

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  • まるで作者の柚月裕子さん御本人のような表紙のかっこいい女性は、弁護士を辞めて(辞めさせられて)新しい仕事を始めた上水流涼子(かみづるりょうこ)です。

    ロングヘアでミニのタイトスカートにピンヒールのシルエットです。
    全部の作品を拝読している訳ではありませんが、今までの作品で、作者御自身のキャラクターに一番近い人物ではないかと思います。
    「確率的にあり得ない」
    「合理的にあり得ない」
    「戦術的にあり得ない」
    「心情的にあり得ない」
    「心理的にあり得ない」の五編の連作短編集です。

    IO140を超える東大卒の貴山伸彦とともに事件を鮮やかに解決していきます。
    上水流エージェンシーは何でも屋を語っていますが、殺しと傷害は引き受けません。

    話が進むにつれ、暴力団、やくざ、覚せい剤、野球賭博などの用語がたくさん出てきて、柚月裕子さんの本領発揮と思いましたが、私は検事の佐方シリーズ、『盤上の向日葵』など、とても好きな作品もあるのですが、ちょっとついていけない世界観になってしまって…。
    『孤狼の血』の世界には永遠についていけそうもありません。ちょっとしんどかったです。ただの好みの問題なのでファンの方ごめんなさい。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪
      同じです〜!
      私も暴力のあちらの世界は読めてないです。
      お仲間がいて良かった( ˊᵕˋ* )
      まことさん♪こんばんは♪
      同じです〜!
      私も暴力のあちらの世界は読めてないです。
      お仲間がいて良かった( ˊᵕˋ* )
      2020/05/31
    • まことさん
      くるたんさん♪おはようございます。

      前にも、おっしゃってましたよね!
      私も、殺人鬼よりやくざのほうが、ちょっと怖いです。
      この違い...
      くるたんさん♪おはようございます。

      前にも、おっしゃってましたよね!
      私も、殺人鬼よりやくざのほうが、ちょっと怖いです。
      この違いは何なんでしょうね(^^;
      2020/06/01
  • 柚月裕子『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』講談社文庫。

    美貌の元弁護士・上水流涼子を主人公にした軽めの連作短編ミステリーなのだが、1作ごとに手の込んだ仕掛けがあり、非常に面白い。読み始めたら、あっという間だった。

    『確率的にあり得ない』『合理的にあり得ない』『戦術的にあり得ない』『心情的にあり得ない』『心理的にあり得ない』の5編を収録。

    海運会社の顧問弁護士を努めていた上水流涼子は海運会社の派閥争いに巻き込まれ、謀略により弁護士資格を剥奪される。涼子は東大卒でIQ140の頭脳明晰な貴山を助手に探偵エージェントを立ち上げる。持ち込まれる様々な相談をあの手この手で解決する涼子と貴山……

    『確率的にあり得ない』。コンサルタント詐欺師に下した鉄槌。上水流涼子と貴山が華麗に登場する。

    『合理的にあり得ない』。騙された男への復讐の依頼に涼子と貴山は……

    『戦術的にあり得ない』。ヤグザの賭け将棋を巡る極めて難しい依頼に東大将棋部主将の過去を持つ貴山が挑む。

    『心情的にあり得ない』。かつて涼子を裏切った海運会社会長からの依頼に応える涼子と貴山は……涼子と貴山の意外な関係も明らかになる。

    『心理的にあり得ない』。野球賭博を巡るトラブルに……

    本体価格700円
    ★★★★★

  • 表題作を含む5話の連作短編。
    確率的・合理的・戦術的・心情的・心理的にあり得ない依頼を解決していく。

    著者の作品の中では珍しく爽快感があって、サクサク読めた。

    個人的には、心理的にあり得ないが好み。
    野球賭博の裏模様が描かれていて面白かった。

    総じて、ドラマ化のイメージが湧く作品だった。

  • 弁護士資格を剥奪された探偵と頭脳明晰な助手が依頼を解決していく話。
    面白くて一瞬で読み終わった。依頼自体は簡単な謎解きで読者でも「こうなるだろうなあ」と予測がある程度できる。それでも、この二人が解決する手際が鮮やかで「読んで良かった!」と感じる気持ちよさ。
    軽く読めるので、重めの本の合間とかに読むのに最適。

  • 確かに合理的にあり得ない状況を暴いていく2人。上水流涼子と助手の貴山。上水流涼子はかつて弁護士であったが催眠術により嵌められ弁護士資格をはく奪されるが探偵業を運営する。貴山は東大出身のIQ140とあり得ない頭脳で難解なシチュエーションを打破する。上水流よりも貴山の方が主人公になるのでは?と思わせる。予知能力、悪徳商法、将棋のいかさま、薬物使用、野球賭博を奇麗に解決していった。上水流も若干頑張ったが、ほとんどは貴山のIQ依存する。今後、えぐい程の上水流涼子のハードアクションとクールな貴山の相乗効果に期待。

  • 著者の作品を読んだのは三冊目
    赤いブックカバーがよく目立つ、出来ることなら連休中に読了し投稿したいと思っていたのです。読み始めると以前も読んだ文体で、テンポよくサクサクと読めた。途中で中断しても再開しやすい。
     読みながら気付いたことは将棋がテーマの章と、それ以外の章にも将棋を比喩したキーワードが書かれていたので調べてみると、「盤上の向日葵」と同時期に上梓されていたのです。なるほど納得作品だと思いました。以前読んだ「盤上の…」と同様で将棋のルールを知らなくても読めます。全ての章が秀逸でおもしろい。探偵事務所という基本ベースがあり、章ごとの案件をこなすという意味でテーマが変わっても方向性が変わらず安心感があると思う。
     物語は、涼子が弁護士資格を剥奪され上水流エージェンシーという探偵事務所を開業するまでの経緯や、唯一の助手貴山伸彦との出会いは面白く、この作品の続編もありかなと思わせます。涼子は知的な行動派、一方貴山は、涼子を超える明晰な頭脳の持ち主でクールな性格。テンポよく案件が解明されるのは小気味好い。恐らく、どちらかがいなくなれば、事務所の経営は成り立たないだろう。お互いを惹きつけ合う何かがあると思いました。まだまだ読みたい柚木作品、こんな小説を書く人はどんな人だろうと、調べると、あらま!びっくり、思わず頭を垂れて右手を差し出し「お願いします」と叫んでしまいそう。
    実におもしろい!

  • 弁護士資格を剥奪され、探偵業を始めた上水流涼子。頭脳明晰な助手(貴山)とともに、その知略と美貌で、持ち込まれる難題を解決に導く短編集、5編。

    ・確率的にあり得ない
    ・合理的にあり得ない
    ・戦術的にあり得ない
    ・心情的にあり得ない
    ・心理的にあり得ない

    ブラックな人物たちが色々登場しますが、最後は彼女の思惑通りに...

    あまりミステリーの要素はありませんが、最後、悪者(?)を凹ます辺りは、スカッとしますね。
    続編希望。

  • ドラマ化希望。

    若いころの米倉涼子さんとディーン・フジオカ氏のコンビでお願いします。←できるか。

  • 上水流(かみづる)涼子、とても一度では覚えきれない何とも特異な苗字の主人公であることか。
    弁護士資格を剥奪された主人公が、助手の貴山とともに、依頼者の表沙汰にできない頼み事を解決してゆく5話の連作短編。
    この二人が出会うきっかけが綴られる4話目「心情的にあり得ない」が、秀逸か。
    魅力的なキャラクターゆえ、長編でこの二人の活躍を見てみたいものだ。

  • 柚月裕子の同一主人公短編5話からなる小説、2017年2月単行本、2020年5月文庫本。
    探偵事務所を運営する弁護士資格を剥奪された元弁護士の上水流涼子が主人公で、訳がありそうな東大卒の助手貴山伸彦と5つの依頼案件を毒には毒をもって悪をなぎ倒す実に気持ちのいい探偵物語。
    1話目は詐欺師に食い物にされかかっていた2代目会社社長をその詐欺を逆手に取って助ける話。
    2話目は悪どい投資ビジネスで財を築いた男を、その男に騙されて自殺した自動車部品工場経営者の妻の依頼で、騙されたお金を巧みな計略で取り返す話。
    3話目は暴力団総長同士の大金を懸けた将棋で勝つための依頼で、東大将棋部主将だった貴山が相手の不正を逆手に取った戦術で勝たせる話。
    4話目では上水流涼子が嵌められて弁護士資格を剥奪された経緯や貴山伸彦との出会い関わりがわかる。そして顧問弁護士をしていたその嵌められた大企業グループ会長から孫の失踪捜索依頼を受け、捜索と同時に嵌められた復讐も果たす話。
    5話目は賭博好きのお人好しの男が親から受け継いだ財産を無くし多額の借金までして自殺する。そしてその娘から自殺の原因となった野球賭博で騙された男への復讐を依頼され、暴力団絡みの事件ながらそれも逆手にとって復讐を果たす話。
    いづれも独立した短編物語で量的にちょっと物足りない気もするのだが、柚月裕子の小説で初登場の上水流涼子と貴山伸彦の魅力が各々の短編に散りばめられており、シリーズ化された長編を是非読んでみたい。

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著者プロフィール

1968年、岩手県生まれ。山形県在住。2008年、『臨床真理』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞。丁寧な筆致で人間の機微を描きだす、今もっとも注目されるミステリ作家の一人。他の著書に『凶犬の眼』『暴虎の牙』『最後の証人』『検事の本懐』『検事の死命』『検事の信義』『蟻の菜園‐アントガーデン‐』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『あしたの君へ』『慈雨』『盤上の向日葵』などがある。

「2021年 『小説 孤狼の血 LEVEL2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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