合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065190654

作品紹介・あらすじ

「殺し」と「傷害」以外、引き受けます。

美貌の元弁護士が、あり得ない依頼に知略をめぐらす鮮烈ミステリー!

不祥事で弁護士資格を剥奪された上水流涼子は、
IQ140 の貴山をアシスタントに、探偵エージェンシーを運営。
「未来が見える」という人物に経営判断を委ねる二代目社長、
賭け将棋で必勝を期すヤクザ……。
明晰な頭脳と美貌を武器に、怪人物がらみの「あり得ない」依頼を解決に導くのだが――。

感想・レビュー・書評

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  • 温め過ぎた柚月裕子作品を消化するぞYEAR。
    という事で「合理的にあり得ない」読了でございます。
    ふむ...その...なんともまぁ...「映像化を目論んでまんねん」な濃厚キャラクターに最後まで着いて行く事が出来ず。
    内容もー奇跡的に有り得ないーハイスペックな人外達が全ての創作物。想像していた物とはかなりかけ離れておりました。
    流るるままの読了となり、当たり前の様に解説に突入。白昼夢でしょうか、白昼夢です。
    解説の方も、見て!!こんなに凄い作品がいっぱいなのよ!!!と、柚月裕子がいかに素晴らしいかを語るばかりで、本作品の解説は半ページ程。ほとんどが他作品の紹介文という仕様。
    ひたすら頷くだけの時間が流れます。
    孤狼の血...良いよね...( '-' )b✧

    短編集とは言え上水流女帝と下僕の貴山の過去や関係性の謎は、まるで知念実希人作品の様な未来に希望が持てるドキワク連作短編として興味深い物がありましたが、
    【小学生の粘土細工 タイトル「ロボット」
    粘土余ったから背中にミサイル背負わせてみました】
    くらいの取ってつけた感満載で、中々重みのある内容なのに羽毛張りの軽さit'sアメイジング。

    いやきっと何かある
    次こそ何かある
    もうこれ最後に一発ドッカーンでしょ。そのパターンでしょ。
    と次に希望を託し託しのバケツリレー状態だったので読了スピードはベン・ジョンソン。
    裏を返せば、このサクサクと読めるライトさが本作品の美点でしょう。
    賭博、将棋 ここら辺の遠からず近い存在である題材には惹かれるものがありました。

    最後に、推しキャラ宣言でもして
    この下方向に振り切ったゲージの軌道修正を試みようと思ったのですが、
    むむぅ...
    特におらなんだ。\ 完敗 /

  • テレビドラマを意識したようなエンターテイメントストーリ(笑)
    柚月裕子はこのような物語も書くんだ..というのが最初の感想。

    美貌の元弁護士、上水流涼子とそのアシスタントの貴山が様々な依頼人からの難題を解決していく、5編からなる短編連作ストーリです。

    主人公たちのキャラがばっちり立っています。
    続編があれば、10編で、ドラマワンクールいけそう。

    ■確率的にありえない
    未来が見えるという人物に経営をゆだねてしまう二代目社長の物語。
    これの解決はとてもスッキリ。
    5つの物語の中で一番好きです。

    ■合理的にありえない
    余生を過ごす夫婦の物語。
    奥さんが隠れてお金を使う目的は..

    ■戦術的にありえない
    暴力団組織の「将棋」での対局。大金がかけられたその勝負で、どうやって勝たせるのか..

    ■心情的にありえない
    涼子と貴山の出会いの物語。
    涼子が弁護士資格を剥奪された理由が明らかになります。
    これまたすごい。

    ■心理的にありえない
    野球賭博の仕組みがわかります。
    そして、騙しには騙しを..

    ということで、どのストーリも楽しめます。
    ドラマ化してほしい!
    涼子は北川景子か綾瀬はるかでお願いします(笑)

  • 表題作を含む5話の連作短編。
    確率的・合理的・戦術的・心情的・心理的にあり得ない依頼を解決していく。

    著者の作品の中では珍しく爽快感があって、サクサク読めた。

    個人的には、心理的にあり得ないが好み。
    野球賭博の裏模様が描かれていて面白かった。

    総じて、ドラマ化のイメージが湧く作品だった。

  • 弁護士資格を剥奪された探偵と頭脳明晰な助手が依頼を解決していく話。
    面白くて一瞬で読み終わった。依頼自体は簡単な謎解きで読者でも「こうなるだろうなあ」と予測がある程度できる。それでも、この二人が解決する手際が鮮やかで「読んで良かった!」と感じる気持ちよさ。
    軽く読めるので、重めの本の合間とかに読むのに最適。

  • テレビドラマの1クールに如何ですか?
    って感じの短編集。
     涼子 北川景子さん
     貴山 林遣都さん
    ぐらいな感じが良いな!
    「◯◯的にあり得ない」ではじまるタイトルの5作品。
    「殺し」と「傷害」以外、引き受けます!を謳い文句に依頼主の問題を解決する!

    おいしい話は、転がってない!
    レース予想100%って…それにハマる社長。詐欺師の思う壺。

    その他、表に出したくない案件が、涼子さんのもとへ依頼が来る。貴山さんの明晰な頭脳と涼子さんの決断力で案件を裁く!
    弁護士資格剥奪されて、ある意味、法律からの縛りを受けずにチャチャと解決!
    (縛り受けんとあかんけど。ほんまは…)
    チャチャというだけあって、あんまり深みはない気もするけど、スッキリするから、まぁ、ええか(^-^)v

  • 柚月裕子『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』講談社文庫。

    美貌の元弁護士・上水流涼子を主人公にした軽めの連作短編ミステリーなのだが、1作ごとに手の込んだ仕掛けがあり、非常に面白い。読み始めたら、あっという間だった。

    『確率的にあり得ない』『合理的にあり得ない』『戦術的にあり得ない』『心情的にあり得ない』『心理的にあり得ない』の5編を収録。

    海運会社の顧問弁護士を努めていた上水流涼子は海運会社の派閥争いに巻き込まれ、謀略により弁護士資格を剥奪される。涼子は東大卒でIQ140の頭脳明晰な貴山を助手に探偵エージェントを立ち上げる。持ち込まれる様々な相談をあの手この手で解決する涼子と貴山……

    『確率的にあり得ない』。コンサルタント詐欺師に下した鉄槌。上水流涼子と貴山が華麗に登場する。

    『合理的にあり得ない』。騙された男への復讐の依頼に涼子と貴山は……

    『戦術的にあり得ない』。ヤグザの賭け将棋を巡る極めて難しい依頼に東大将棋部主将の過去を持つ貴山が挑む。

    『心情的にあり得ない』。かつて涼子を裏切った海運会社会長からの依頼に応える涼子と貴山は……涼子と貴山の意外な関係も明らかになる。

    『心理的にあり得ない』。野球賭博を巡るトラブルに……

    本体価格700円
    ★★★★★

  • まるで作者の柚月裕子さん御本人のような表紙のかっこいい女性は、弁護士を辞めて(辞めさせられて)新しい仕事を始めた上水流涼子(かみづるりょうこ)です。

    ロングヘアでミニのタイトスカートにピンヒールのシルエットです。
    全部の作品を拝読している訳ではありませんが、今までの作品で、作者御自身のキャラクターに一番近い人物ではないかと思います。
    「確率的にあり得ない」
    「合理的にあり得ない」
    「戦術的にあり得ない」
    「心情的にあり得ない」
    「心理的にあり得ない」の五編の連作短編集です。

    IO140を超える東大卒の貴山伸彦とともに事件を鮮やかに解決していきます。
    上水流エージェンシーは何でも屋を語っていますが、殺しと傷害は引き受けません。

    話が進むにつれ、暴力団、やくざ、覚せい剤、野球賭博などの用語がたくさん出てきて、柚月裕子さんの本領発揮と思いましたが、私は検事の佐方シリーズ、『盤上の向日葵』など、とても好きな作品もあるのですが、ちょっとついていけない世界観になってしまって…。
    『孤狼の血』の世界には永遠についていけそうもありません。ちょっとしんどかったです。ただの好みの問題なのでファンの方ごめんなさい。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪
      同じです〜!
      私も暴力のあちらの世界は読めてないです。
      お仲間がいて良かった( ˊᵕˋ* )
      まことさん♪こんばんは♪
      同じです〜!
      私も暴力のあちらの世界は読めてないです。
      お仲間がいて良かった( ˊᵕˋ* )
      2020/05/31
    • まことさん
      くるたんさん♪おはようございます。

      前にも、おっしゃってましたよね!
      私も、殺人鬼よりやくざのほうが、ちょっと怖いです。
      この違い...
      くるたんさん♪おはようございます。

      前にも、おっしゃってましたよね!
      私も、殺人鬼よりやくざのほうが、ちょっと怖いです。
      この違いは何なんでしょうね(^^;
      2020/06/01
  • かっこいい。
    クールな二人組男女のなんでも屋。
    殺しと傷害以外はやる。
    連作短編といった形。○○的にありえない、が各章のタイトルになっている。
    弁護士資格を失った涼子とIQ140の貴山。
    どうして涼子が資格を失ったか、貴山と組んだのはどんな経緯か、それもこの1冊でわかる。
    続編も出たらしいので読みたい。

  • 面白かった!
    どの話しもサクッと読めてスカッと!
    キレの良い1冊ですごく良かった。
    映像化されてるようなのでそちらも見てみたくなる1冊

  • 確かに合理的にあり得ない状況を暴いていく2人。上水流涼子と助手の貴山。上水流涼子はかつて弁護士であったが催眠術により嵌められ弁護士資格をはく奪されるが探偵業を運営する。貴山は東大出身のIQ140とあり得ない頭脳で難解なシチュエーションを打破する。上水流よりも貴山の方が主人公になるのでは?と思わせる。予知能力、悪徳商法、将棋のいかさま、薬物使用、野球賭博を奇麗に解決していった。上水流も若干頑張ったが、ほとんどは貴山のIQ依存する。今後、えぐい程の上水流涼子のハードアクションとクールな貴山の相乗効果に期待。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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