山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019 (Bros.books)

著者 :
制作 : 山内 マリコ 
  • 東京ニュース通信社
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本棚登録 : 771
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065190913

作品紹介・あらすじ

アート界とは無縁の作家が行った、7年分の美術展の記録!

新時代、新感覚の、やさしいアート入門書。


 ありふれた地方都市に生きる女の子を描いた小説『ここは退屈迎えに来て』で、鮮烈なデビューを飾った山内マリコ。瑞々しくリアルな筆致で心の機微を捉える彼女の小説は、同世代を中心に圧倒的な共感を呼ぶ一方、エッセイでは抜群のユーモアセンスを発揮。コラムやレビューの依頼が絶えない作家です。
 大阪芸術大学を卒業し、美術館めぐりが趣味だった彼女は、2013年に雑誌『TV Bros.』で、美術展をテーマにした連載をスタートします。主に一人で、自腹で美術館の企画展に行き、作品の紹介はもちろん、芸術家の背景にも思いを巡らせながら、感じたことをそのまま書く。彼女のユーモラスな文体は、ときに小難しいと思われがちなアートの魅力を、身近な存在として伝えてくれます。
 本書は『TV Bros.』誌で2013年から2018年にかけて連載された原稿に、プライベートで訪れた2019年の新作を加えた、美術展探訪エッセイです。サブタイトル「ART COLUMN EXHIBITION」のとおり、コラムの展覧会がコンセプト。厳選したコラム101点を作品に見立て、美術館に展示するように並べました。
 さらに、亡き愛猫チチモをモチーフに、近年自ら制作している、愛と弔いのアート作品も一挙掲載!
 作家・山内マリコが7年間にわたって書きつづけた、忖度なしの美術鑑賞コラム、ぜひご一読ください。


”ーーこの展覧会によって、はっきりと悟ったのです。18歳のわたしにかけられていた「バルテュスって素敵!」という魔法が、完全に解けていたことを。”
(本文<バルテュス展>より)

感想・レビュー・書評

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  • 『山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019』/ニュース | OBIKAKE(おびかけ)
    https://obikake.com/column/10099/

    サブカルからフェミまで 作家・山内マリコが語るアート:朝日新聞デジタル
    https://www.asahi.com/articles/ASN4N6HX1N4GPTFC007.html

    『山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019』(山内 マリコ)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000339810

  • TV Bros.で連載していた山内マリコさんの美術展探訪記。

    すでに定まった作品の評価ではなく、山内さんがその作品たちを観てどう思ったか、何を感じたかについて書かれているのは面白かった。
    ただ、こういうのって雑誌に載っているのを2ページくらい読むからワクワクするのであって、続けて読むのはなかなかきつかった。消化不良気味。
    常設展以外はすでに終了してる企画展がほとんどで、興味を持っても作品を観るのはGoogle画像検索になってしまうのも悲しい。しょうがないことだけど。

    東京駅徒歩1分のインターメディアテクにはぜひ行ってみたいと思った。アクセスしやすいのがとてもいい。

  • 私にとって
    「美術館」「博物館」は
    生きていくうえで
    必要不可欠なもの
    そんな思いが
    行間から滲み出てきます

    有名だから(無名だから)
    人がどう言おうが
    人がどう見ようが
    そんなの関係ない
    私は私の「眼」と「感性」で
    「美」に向き合います
    その「潔さ」が
    かっこいい!

  • いくつか小説を拝読したことのある山内マリコさんのさくさくっと読める美術館のレポート集。冒頭のこんな文章にまず激しく同意。『アートはだいたい掴みどころがない。それをみて何か感じてもぼやーっとしてる。Twitterで人の感想を目にした瞬間にラベリングされ、かき消される』まさにそう、だから言った直後は出来る限り他の人の感想を見ないうちにまとめている。わかりみが深すぎる。

    ひとつひとつの感想がとても読みやすい量。なにより、展示会の本筋とはまったく関係ないところに意識が飛びまくってるのがいい。展示会は、そこにいる人、置かれている場所、その人の人柄含めて体験するもの。『印象派の作風はこんな時期にこんな運命を辿ってて〜』ていう情報は、正直なところ図録を読めば追体験が可能。
    マリコさんの本は、図録でも取り返すことのできないなにかを楽しむ一冊だった。自分が行ったことある展示もあって懐かしかった!自分もこまめに言った記録を残そうかなー。

  • お買い物エッセイを読んでから大好きになった山内マリコさんの美術館探訪コラム集。

    内容はもちろん、表紙の可愛さにも惹かれました。
    読んでいると、今すぐ美術館に行きたい!という気持ちになりました。影響を受けやすい…
    文章も感性もおもしろいので、私も美術館巡りを趣味にしてみたいと感じましたが、山内さん独自の目の付け所があるからこんなに豊かな感想と満足感が得られるのかも、、と少し怖気づきます。

    まずは自分の興味のある展覧会などがあればそこから踏み込んでみたいなと思います。

    大好きな一冊になりました。

  • 美術展に絡めながらも内容はエッセイのよう
    著者とは同世代なので、その感覚よーく分かる!ということばかり

    「洗脳が解けてフェミニズムに開眼」とか「おばさんカメラ」の話とか、そうそう!!全く一緒!
    「あんた青春トラウマでどんだけ食おうとしてんの?!」のくだりは笑っちゃうとと共に己にもグッサリ刺さる

  • 教科書に載ってるような美術作品の展示会は少なく、著者のセンスの赴くままのチョイスが良い。初めに断りがあるように、解説文というより、感性視点で綴られており、こんなアーティストやアートがいる(ある)んだなと、本書そのものがキュレートされた媒体のよう。展覧会のポスター写真を掲載しているのも、PRの仕方も作品のうち、という感じがあって興味を引いた。

  • 曖昧で定義化できないものを肯定されることは安心する。
    文学も音楽もアートも、
    そうやって曖昧でもやもやした気持ちの中で必死に紡ぎ上げられたもので
    だからこそこんなにも心を揺さぶってくる。
    別に詳しい必要なんかない。
    ただ好きだというその気持ち一つで、
    本を読んでも音楽を聴いてもアートを楽しんでもいいし
    そうやっていつまでも純粋に楽しめる自分でありたい。

  • twitterで装丁の方が紹介してて、タイトルに共感して買った。
    タイトルだけでなく、「おっさんカメラ問題」など
    それだ!という共感ポイント多い。
    そして国内外の美術館紹介にもなっているので、
    今後の旅行プランの強力なサポートになりそう。
    いい本買った。

  • 7年分の美術館の展示のあれこれが載ってるから、わたしが行ったいくつかも載っていて、え、あれってもうそんな前の展示?となったり懐かしかった。あくまで指南書ではなく、その時々でマリコさんが感じたこと。アート鑑賞って硬いものではなく、ゆるりと適当にそれぞれ好き勝手に感じていいんだよ、なムードが好き。
    そして愛猫チチモちゃんのアートが各章の終わりにあってそれがまたうまくて、ほっこりしました

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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