じんかん

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 114
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065192702

作品紹介・あらすじ

戦国時代の三悪人の一人として名高い松永久秀。その生涯を、絶望的貧困から立ち上がり、一国の城主として大成、さらに最後、織田信長に攻められ自害するまであまさず余さず描く。『童の神』で直木賞候補となった今最も勢いのある若手歴史作家による、圧巻の戦国巨編!

感想・レビュー・書評

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  • 【記録】
    じんかん
    2020.05発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    残念です。

    ブクロクの新刊情報を見て書店に見に行くと、字が小さくて読めず。
    今村翔吾さんの本は読みたかったので残念です。
    ※【記録】の説明は、プロフィール欄に書いて有ります。

  • 読後、すぐにwikiで松永久秀を調べてしまう。まさか信長に語らせる構成とは思わず、勝手な刷り込みも手伝って「信長ってそんな長々話す人だったっけ」と違和感があったのも事実。色々な描かれ方をする戦国武将だけれども、今村さんが描いた姿が事実であって欲しい、と思う。「八本目の槍」でも同じことを思った。天も神も仏もない、と思い続けた人生が、実に出会いに恵まれて豊かなものであった事が羨ましい。そして賢い。彼の言葉全てが楽しかった。戦国武将に思い入れはなかったけれど、今村さんのおかげで二人ほど好きな人が出来た。感謝。

  • 松永久秀。戦国の大悪人と言われた武将の人生を主君信長が語り聞かせる。追いはぎであった少年時代、生涯をかけて従った主君との出会い、努力が実を結んだ隆盛、そして裏切りと世間への幻滅。現在の悪名高いイメージと違う、礼儀正しく、忠義に厚い人物像がそこにあった。彼がいかにして悪人となったか、戦国の世をどう生き抜いたかが見えてくる。武士のいない世をつくろうとする戦国武将というのは夢物語過ぎないかと鼻白むところもあるが、苦しみばかりの世に生きながら行動を起こす事のない民に久秀が落胆する場面は人間の真理を鋭くついていた。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?時は天正五年(一五七七年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かした時に直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。大河ドラマのような重厚さと、胸アツな絆に合戦シーン。ここがエンターテインメントの最前線!

  • 今回(7月決定)の直木賞候補にも上っている話題作。
    デビュー以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している若手歴史作家の最新長編だ。
    面白くて、約500ページを一気読み。

    主人公は、「戦国時代最大の梟雄」「裏切り癖のある極悪人」と呼ばれてきた松永弾正久秀。
    一般的イメージとは裏腹に、久秀を、民を思い、恩義を忘れず、見果てぬ夢を追った熱き英雄として描いている。

    では、久秀の悪行として知られる、将軍足利義輝殺害、主君の子・三好義興殺害、東大寺大仏殿焼き払い、主君・織田信長への謀反は、実際にはどうであったのか?
    久秀の生涯を描くなかで、その謎解きがなされていく物語である。

    しかも、その語り部をなんと織田信長が務めるという、凝った仕掛けがなされている。

    『東京新聞』の書評子が、今村翔吾の作風を「熱い友情や人への優しさが際立つ作風は大ヒット漫画『鬼滅の刃』に通じるものがある」と評していた。言い得て妙である。
    誤解を恐れず言えば、今村作品には少年マンガに通ずる熱さ・わかりやすさがあるのだ。本作もしかり。

    少年時代の久秀が生きるために追い剥ぎをくり返す序盤から、「たった一人のために命を燃やす」余韻嫋嫋の幕切れまで、読者の胸を熱くさせる場面の連打!

    帯の背に書かれた惹句が、なかなか気合が入っていてすごい。

    《大河ドラマのような重厚さと、胸アツな絆に合戦シーン。
    ここが、エンターテインメントの最前線!》

    ――読み終えると、「そのとおりだな」と素直に思えるだろう。 

    タイトルの「じんかん」は、「人間」と書く。
    一個の人間というより、「人の間」に起こることすべて――すなわち「世間・世の中」を指すニュアンスだ。

    神仏の果たす役割が大きかった戦国時代を舞台にしながら、人の美しさと強さ、人と人の出会いの素晴らしさを謳い上げた物語であることが、このタイトルに示されている。

    久秀については近年の研究で、極悪人イメージとは異なる実像が明らかになってきたという。

    本作のストーリーの何%が史実に基づいているのかは知らない。
    が、読んでいるうちにそんなことはどうでもよくなり、作中の久秀にひたすら感情移入すること請け合いだ。

  • ひらがなで書かれても意味のわからないタイトルだが、漢字で書くと“人間”となる。人と人とが織りなす間という意味だ。主人公の九兵衛は、自らの体験から神仏はいないと思い込んでいる。神仏ではなく、“じんかん”に存する目に見えない力が自分を縛っているのだと。舞台は16世紀の戦国時代だが、コロナ禍に見舞われた現在にも通じる内容だと思った。なぜ罪もない人々が命を落とさなければならないのか。なぜ本当に助けを必要としている人々に支援が届かないのか……。500ページを超える大作だが、読むのを止められず一気に読んだ。

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著者プロフィール

今村 翔吾(いまむら しょうご)
1984年、京都府生まれの時代小説作家。ダンスインストラクター、作曲家、埋蔵文化財調査員を経て専業作家となる。
2016年、『蹴れ、彦五郎』で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、2016年『狐の城』で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞をそれぞれ受賞。2017年『火喰鳥』が単行本デビュー作となり、啓文堂書店時代小説文庫大賞を受賞、「羽州ぼろ鳶組」シリーズとして代表作となる。2018年「童神」で第十回角川春樹小説賞を受賞し、『童の神』と改題されて単行本発刊。同作が第8回本屋が選ぶ時代小説大賞候補となると同時に、第160回直木賞の候補に。

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