高瀬庄左衛門御留書

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 341
感想 : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065192733

作品紹介・あらすじ

五十手前で妻を亡くし、息子をも事故で失った郡方の高瀬庄左衛門。
老いゆく身に遺されたのは、息子の嫁だった志穂と、手すさびに絵を描くことだけだった。
寂寥と悔恨を噛みしめ、韜晦の日々を送るが、それでも藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。

「決戦!小説大賞」でデビューし、文芸評論家・縄田一男氏に「新人にして一級品」と言わしめた著者。
藤沢周平、乙川優三郎、葉室麟ら偉大なる先達に連なる、人生の苦みと優しさ、命の輝きに満ちた傑作時代長編!

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説は言葉使いに慣れずに読み難く敬遠していたが、この本は違った。時代小説の素養がない私でも世界に入り込めた。
    描写がなんとも美しく叙情的。
    庄左衛門の迷いながらも芯はぶれず凛とした姿に大人の魅力を感じた。

  • 東えりかが読む『高瀬庄左衛門御留書』新鋭による圧倒的完成度の歴史長編 | 本がすき。 - 本がすき。
    https://honsuki.jp/review/45156.html

    『高瀬庄左衛門御留書』砂原浩太朗著 研ぎ澄まされた語りに万感を読み取る 神戸新聞
    https://www.google.co.jp/amp/s/www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/entertainment/book/202102/sp/0014057361.shtml%3fpg=amp

    「今の日本人につながる、人情の美しさが描かれているところに魅力を感じます」/『待ち合わせは本屋さんで。気になるあの書店員さんの読書案内』旭屋書店 池袋店 礒部ゆきえさん | ダ・ヴィンチニュース
    https://ddnavi.com/serial/739091/a/

    【書評】『高瀬庄左衛門御留書(おとどめがき)』砂原浩太朗著 - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/210221/lif2102210017-n1.html

    『高瀬庄左衛門御留書』(砂原 浩太朗)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000340907

  • 庄左衛門、渋すぎます。不器用な生き方ですが、時代を超えて、人としてどうあるべきかを示してくれます。

  • 十万石の小藩の神山藩にて郡方を務める高瀬庄左衛門。五十手前で妻に先立たれ、家督を譲った息子も事故で失う。実直で正直者の初老の武士に与えられた環境が冒頭からあまりに心寂しく物語は始まる。
    しかし庄左衛門は、手すさみに絵を描く趣味があり、それが息子の嫁だった志穂との繋がりを続けるきっかけとなる。地方の下級武士の慎ましく清貧な生活を続けていたが、藩内の不穏な動きに巻き込まれ物語は大きく動き出す。
    人物描写も素晴らしいが、季節の移り変わりや、食欲をそそる美味しそうな料理の描写に引き込まれる。ようは映像が脳内に再生されまくりで、庄左衛門と共に組屋敷に住んでいるような感じになる。上手い。
    第165回直木賞候補作。第134回山本周五郎賞候補作。

  • 藤沢周平の世界が令和の時代によみがえった。
    これから注目すべき作家が現れた。
    気が早いが2021年のベスト‼

  • とても読み易い本である。

    はじめは、御留書と、なっているので、事件性の物が描かれているのかと、、、思っていた。

    将軍が、登場するわけでもなく、又、史実の係累などや剣豪の裂帛した技が、描かれることも無いのだが、・・・・
    主人公の高瀬庄左衛門の優しさに 心響くものがある。

    40歳後半で、亡き妻 延の溺愛の一人息子 啓一郎が、出立の時に 玄関口で、寝過ごして、ばつが悪いのだが、「気をつけてな――」と声をかけたのだが、・・・
    元気な息子は、崖から落下の事故で、何も言えない状態の骸になっていた。

    息子の嫁の志穂は、子供を授からなかったので、実家へと、・・・そして、小者の余吾平も 息子と同行しなかった事を悔いて、暇を出す。

    武士たるものが、一人で、家事をできるのであろうか?と、思えるのだが、家事の大変さも書き記している。

    志穂の兄弟、立花弦之助、二八蕎麦の半次という若者達あ、登場してくるのだが、・・・
    少しづつ、笑顔が、出て来るところが良い。

    2年目の管轄の村ヘ庄左衛門と弦之助と訪れるのだが、隣村からの一揆に遭遇してしまい、人質になってしまう。
    そしてその一揆の張本人の疑いもかけられるのだが、弦之助の兄 立花監物の 次から次へと 証を出して来るところは、小気味よさを感じてしまった。

    しかし、庄左衛門が、若き日に3人の友と道場の一人娘を嫁にと競った事。
    そして、その友の一人が、一揆にも加担し、落ちぶれいた事。

    最後に、その友が、息子啓一郎を事故死させたのも、そして庄左衛門を殺そうとするところ、・・・・人間の醜さを表している。

    志穂が、勘定奉行の息女のお側仕えに江戸ヘ出る事も、庄左衛門が、背中を押す。
    志穂が、舅の優しさ以上の気持ちがある事も、そして、庄左衛門も、娘以上の可愛さを感じている事も・・・

    小説では、書かれていないけど、又、高瀬家ヘ、志穂が戻って欲しい。
    そして弦之助も 高瀬の名を・・・と、養子の事を庄左衛門に話、「照れくさい」という事が、理解出来たと微笑むところが、いい。

    小説では、1年目、2年目と、書かれているのだが、その翌年は、もっと、良い事があれば・・・・と、思いながら、何故か、こんな人達が、もっと幸せを掴んで欲しいものだと、本を閉じた。

  •  この作者は短編としての筆力とそれをつなぎ留め長編として盛り上げる力がとても高いと二作目にして改めて思う。本作は時系列でつながっており、章ごとに完結しているわけではないが、例えば最初の『おくれ毛』。亡き息子の嫁である志穂の心情を「おくれ毛」というキーワードで表し、絵をきっかけにちょっとした邂逅を描き、長編小説の導入とする。そして、静かに進む物語の中、少しずつ不穏な出来事が増えていき、最後にはミステリ小説並みの驚きの事実が明らかになるなど、色々な要素満載で隅から隅まで楽しめることができた。

     帯には「神山藩シリーズ」第一弾とあるが、続編があるのだろうか?個人的には、庄左衛門、志穂、弦之助のそれぞれが区切りをつけ、新たな生活に進み始めるという綺麗な終わり方をしていただけにここで完結してほしい。

  • 小説現代2018年8月号おくれ毛、に書下ろしの9章分を加えて2021年1月講談社刊。長編。神山藩の郡方の高瀬庄左衛門、息子の啓一郎とその嫁の志穂という登場人物に味があります。二転三転する武家もののストーリーに惹かれ、最後まで面白く読みました。続きが読みたいです。

  • 大それた野心もなく、功名心にはやるでもない下級武士のつましい日常が舞台。無欲清貧ながら何くれとなく平穏とはいかず、難事が降り掛かる。そこをゆるやかに、一芸秀でた才をも発揮して解決に導いていく。こうした時代小説に触れるとほだされる。庄左衛門、たしかに齢を重ねて覇気も衰え、身内の不幸に心が萎えるのも分かるが、ちともどかしい。平素は控えめであれ、百姓の強訴にここ一番の働きをと期待すれば、達者なはずの剣もからきし生かせず仕舞い。最後ようやくうさを晴らしてくれるのだ。志穂との関係は似合わぬが、これも一興ってことで。

  • ‎そんな男に都合の良い話がと言われそうですが、私は男なので面白く読了しました。読み始めると「あれ!」どこかで読んだようなと。まあ既刊の時代小説に似た状況があったかな。

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著者プロフィール

1969年生まれ。兵庫県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者となる。2016年『いのちがけ 加賀百万石の礎』で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第34回山本周五郎賞候補、第165回直木賞候補作になる。他の著書に『逆転の戦国史』がある。

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