理系の文章術 今日から役立つ科学ライティング入門 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065195628

作品紹介・あらすじ

理系にとって「いい文章」とは何か? 
読みやすさ、論理、わかりやすさ……名サイエンス作家としても知られる著者が、さまざまな視点から文章の創作について実例をまじえ考察し、具体的に指南する科学ライティングの決定版!

論文やレポート、理系に文章力が必要とされるさまざまな場面において、もっとも効率的、かつ効果的に自分の意図を伝える文章とは? 

第1章では、文章創作にとってもっとも大事なこととは何かを考察。

第2、3章では、接続表現、能動と受動、簡潔な文章の創作、主語・述語など、細かなトピックスごとに実例を紹介し、それぞれの設問に答えるかたちで読者は文章創作を学んでいく。

第4章では、<パラグラフ・ライティング>という英作文のために考案された文章創作法を応用し、具体的手法を学びながら、パラグラフの構築、さらには長文を記述するための手段を学んでいく。

第5章では、実際に論文記述のために必要な論理構築を、帰納、演繹、アダクション、アドホックなどのキーワードを元に、例文と設問により身につけていく。

最終章では、これまで見てきた文章創作手法を、俯瞰的な視点から再度検証し、理系における良い文章とは何か? 本書の主題に戻り確認する。

これまで感覚的なものとして捉えられてきた「良い文章」という概念、そして「文章の創作」を、理系向けに精緻に検証し、その実践方法を伝授する!

--目次--
 はじめに
第1章 読者
第2章 論理と接続
第3章 わかりやすい文章
第4章 パラグラフ・ライティング
第5章 科学ライティング
第6章 科学と社会の架け橋
 おわりに

感想・レビュー・書評

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  • 良書 わかりやすい文章とか論理的な文章には、何らかの一般性がある。そして、一般性があれば、それは人に伝えることができるはずだ。しかも、その一般性は、短い時間で簡単に伝えることができると思う。本書は、「科学に関する文章の書き方」の本である。

    気になったことは次です。

    ・一番目に大切なことは、読者の立場になって考える
    ・二番目に大切なことは、読者が誰かを考える

    ・この本の目的は、わかりやすい文章を書けるようになることだ。そのためには、わかりにくい文章をかかなければいい。
    ・世の中には、「分かる文章」と「わからない文章」がある

    ・「わかる文章」には、「わかりやすい文章」と「分かりにくい文章」がある。
      大江健三郎の文章は、「わかる文章」の中の「わかりにくい文章」だ。
      本書の目標は、「わかる文章」の中の「わかりやすい文章」だ。

    ・その文章がわかりやすいと感じるか、わかりにくいと感じるかは、人によって違う。
      ある分野に詳しくない人は、その分野の専門用語が多い文章は、わかりにくい
      その分野に詳しい人は、専門用語が多い文章の方がわかりやすい
      専門用語は、複雑な概念をひと言で示すことができるので、文章の内容を理解してくれる

    ・論理とは主張と主張のつながり方である。

    ・逆裏対偶
      命題 AならばB
      逆  BならばA
      裏  AでないならばBでない
      対偶 BでないならばAでない その命題が正しければ対偶も正しい

    ・文と文をきちんとつなげる 適切に接続の言葉を使う

      順接  ①付加 そして、また、しかも、さらに、むしろ
          ②順接 だから、したがって、~ので、~から
      逆接  ①逆接 しかし、だが、~が
          ②補足 ただし、もっとも
          ③対比 一方、また、しかし、だが、~が
      換言  ①換言 すなわち、つまり
          ②例示 たとえば
      他   ①選択 それとも、あるいは、または
          ②根拠 なぜなら
          ③転換 さて、ところで

    ・わかりやすい文
      ・短かければ短いほどいい
      ・長くても前から順に読んでいって意味がわかるもの
      ・省略できる語を省略する
      ・1つの語句には、1つの意味
      ・論理的な文章には図がたくさんあった方がいい。だが、図に負けて文章がわかりにくく、手を抜いてはいけないのだ。
      ・文章の内容によって、文を能動態にするのか受動態にするのかを決めること。主語が明記しにくい場合は受動態を使うこと。
      ・主語と述語を明確にする
      ・二重否定はできれば使わない、多用しない
      ・音が汚くても、わかりやすい文を優先する。でも、わかりやすい文であれば、音がきれいな文を選ぶこと(語が重複しないように書く)
      ・表記を統一する。区点、かぎかっこなど。

    ・パラグラフライティング:パラグラフの基本

      ①1つのパラグラフでは、1つのトピックのみを扱う。
      ②1つノパラグラフは1つのキーセンテンスと複数のサブセンテンスからなる
      ③キーセンテンスはパラグラフの最初におく
     
      ④キーセンテンスは直前のパラグラフの最後の文につなげるのではなく、直掩のパラグラフのキーセンテンスにつなげる
      ⑤サブセンテンスは、前後のパラグラフのキーセンテンスではなく、そのパラグラフのキーセンテンスだけにつなげる

      ⑥1つの文章は、1つのキーパラグラフと複数のサブパラグラフからなる
      ⑦キーパラグラフは文章の最初におく

      ⑧キーパラグラフは短くする
      ⑨場合によっては、キーパラグラフのキーセンテンスは、パラグラフの最初でなくてもよく、キーセンテンス自体がなくてもよい。
      
      ⑩場合によっては、キーパラグラフの内容と、サブパラグラフのキーセンテンスの内容を対応させるのもよい

    ・パラグラフライティング:論理

      ①1つのパラグラフでは、1つのトピックだけを述べる
      ②キーセンテンスはパラグラフの最初におく

    ・科学ライティング

      科学の成果はすべて仮説 演繹、帰納、類比

      仮説  検証、実証、反証

      仮説は単純なほど良い

    ・科学と社会の架け橋になる文章

      ①紙芝居のような文章:科学を専門の職業にしていない人にでもわかるような文章
      ②トピックの並べ方がよい文章:論理の展開がわかりやすい文章
      ③読者によりわかりやすく伝えるために、あえて書かないことを決める。:何を書かないかを決めること

    目次は以下の通りです。

    はじめに

    第1章 読書
      1・1 読書のことを考える
      1:2 二番目に大切なこと
      1・3 読者の目的を考える
      1・4 「論ぜよ」と「述べよ」
      1・5 審査員が知りたいこと
      1・6 自分も読者
      1・7 一番大切なこと

    第2章 論理と接続

      2・1 大江健三郎の文章はわかりにくいけれど
      2・2 「そもそも」の意味
      2・3 根拠は正しくても結論が正しくない
      2・4 論理とは何か
      2・5 風が吹けば桶屋は儲かるか
      2・6 逆・裏・対偶
      2・7 文と文をきちんとつなげる
      2・8 接続表現① 順接、付加
      2・9 接続表現② 逆説、補足、対比
      2・10 接続表現③ 換言、例示
      2・11 接続表現④ 接続表現を使わなくてよい場合

    第3章 わかりやすい文章

      3・1 わかりやすい文章は最高の文章ではない
      3・2 文は短く
      3・3 文を短くするにはどうするか
      3・4 省略できる言葉を削る
      3・5 1つの語句には1つの意味
      3・6 便利な語句
      3・7 注意すべき語句
      3・8 能動態と受動態
      3・9 主語と述語・二重否定
      3・10 明確な文
      3・11 音がきれいな文
      3・12 表記が統一された文

    第4章 パラグラフ・ライティング

      4・1 論理的な文章の基本
      4・2 パラグラム・ライティングの歴史
      4・3 パラグラム・ライティングについての誤解
      4・4 パラグラム・ライティングとはどういうものか
      4・5 パラグラム・ライティングのルール①
      4・6 パラグラム・ライティングのルール②
      4・7 パラグラム・ライティングのルール③
      4・8 パラグラム・ライティングの論理①
      4・9 パラグラム・ライティングの論理②

    第5章 科学ライティング

      5・1 創造論者の考え
      5・2 科学の成果はすべて仮説
      5・3 仮説の検証
      5・4 仮説が反証されたとき
      5・5 反証可能性
      5・6 アドホックな仮説
      5・7 アドホックな仮説が認められる場合
      5・8 仮説は単純なほど良い
      5・9 推測では新しい情報が得られる
      5・10 推論のまとめ
      5・11 仮説のシナリオ

    第6章 科学と社会の架け橋

      6・1 紙芝居のような文章
      6・2 トピックの並べ方
      6・3 何を書かないか

    おわりに
    参考文献
    索引

  • 後半の例がくどい
     前半まではわりといいと思った。接続表現の使ひ方や、わかりやすい書き方、パラグラフ・ライティングのルールは役に立つ。また、出題した問題も適切で、理解の一助になってゐる。

     しかし、5章の科学ライティング以降は、例がくどくなり、読みづらくなる。たとへば、アブダクションと演繹と仮説の関係性がわかりづらい。その説明に費やす例が、創造論者だったり、スナメリだったり、カラスだったり、超能力だったりして、てんでんばらばらなのも原因のひとつ。

     ほかにも気になったのは、著者の文学趣味である。書きぶりを見ると、どうやら文学を高尚なものだと思って憧れてゐるらしい。
     大江健三郎の文章が、わかる文章のなかのわかりにくい文章といふのは、まあさうかもしれない。
     一方で、石川淳について《『森鷗外』という有名な作家論》だの《誰もが一目置く存在》だの、あるいは幸田露伴の『五重塔』を《近代日本文学における名文》だのとしてゐるのは、称揚しすぎである。少なくとも公然たる事実ではないのだから、科学ライティングとしてかう書いてはいけない。

  • 進化論などについての一般書の著書に
    よる文章作成法。

  • 今まで文章の書き方について深く考えたことは無かったが、本書では改めて日本語の文章について考えさせられる。学びが多くあった一方で、本書自体がすごく分かりやすく書かれているかというとそういうわけでもない、と感じた。

  • よく見かける「伝わる技術」の本でなく、理系の視点からみた文章術を教えてくれる本。
    論理的な文章を書くための接続表現やパラグラフ・ライティング等が学べて面白かった。

  • 総括
    簡潔で論理的な文章を書く方法論が書かれている。
    科学的な論文を書く機会はないが、仕事で文章を作成する機会が多々あるので活用していきたいと思った。

    第1章 読者
    誰に対して何のために書くのか。

    第2章 論理と接続
    接続詞を使用して、文章を論理的につなげる。

    第3章 わかりやすい文章
    簡潔な文章を作成することを心がける。

    第4章パラグラフライティング
    パラグラフライティングの歴史や方法。

    第5章 科学ライティング
    詳しくは 読んでいない。
    全ての科学 は仮説であるというお話は面白かった

    第6章 科学と社会の架け橋
    紙芝居のようなプレゼン。


  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/670891

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著者プロフィール

更科功
1961 年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』で、第 29 回講談社科学出版賞を受賞。著書に『若い読者に贈る美しい生物学講義』、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか―生物の死 4つの仮説』、『理系の文章術』、『絶滅の人類史―なぜ「わたしたち」が生き延びたのか』など。

「2022年 『人類の進化大百科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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