- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065197011
作品紹介・あらすじ
女子寮入り口前の石碑の彫り文字はピープル・ヘルプ・ザ・ピープル。つまり人助けという逢沢学園女子寮のモットー実現の為、代々受け継がれた役職、「お庭番」に任命された3人が大活躍!下巻。
もくじ
3章 ババアにインタビュー
4章 真冬の怪談
「あーこのブラウスかわいー、もーなんでこんな高いかな!」
ナル先輩が広げてた雑誌のページに顔をうずめて嘆いた。
「本皮なんじゃないすか」
イライザ先輩がソファーのひじ掛けに頬杖をついたまま、うわの空で素っ気ない返事して、
「ブラウスが皮ってありえねえだろ! そんなおざなりな相づちならいらぬわ!」
ってナル先輩がキレるっていう、めずらしい組み合わせ。
まず、この時間にイライザ先輩が談話室にいるのが超めずらしいし。
今日は土曜日だけど、四、五年生は校外学力テストで六年生は模試だったから、夕食前の寮内は、テストが終わって帰って来た普段は留守がちのレアな人たちで人口密度が高い。
──本文より。
感想・レビュー・書評
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有沢佳映さん、お待ちしておりました!YAで抜群の期待株ですが、今回も面白かった。中高一貫の女子寮(学校には男子もいる)で、個性的な面々がいるなかで「比較的平和」な一年生三人が、「お庭番」に選ばれた。「お庭番」とは?シリアスになりすぎず、楽しさ忘れず、よいあんばい。
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会話テンポに慣れたのか?下巻はサクサク読めた。面白かった!
お庭番番たち、何個かのトラブル解決したらしい。
今回は万引き疑惑問題。
けど、結局万引き犯人を捕まえる、とかの話でなく、
店主の宝田さんとの交流?物語、的な?
なんか知ると、それはただの記号な人じゃなくなる、とか、
人生にイン、色々したいなーーーっと。
お庭番、とゆー役割があるっていうことに意義があるんだろうな。
読み終わるとちょっと元気になるような。
上巻から一転、続きもあるといいな、と。 -
とにかく面白い、面白いので、読んでほしい。
子供たちにおすすめできる!これは!!
児童書好きの皆さんが推していたのも納得。
逢沢学園での女子寮には、「お庭番」制度が存在する。
寮内と学校内のちょっとした問題を、
助けるために情報収集するのがお仕事。
メインの3人はそんなお庭番に選ばれた1年生3人組。
「問題を解決するのがお庭番」ではないところがポイントで、あくまでも聞き役と情報収集役のお庭番。
中等部と高等部で最大5学年も離れているのに、
寮で一緒に生活することで、年齢関係なくコミニケーションをとっているのがすごい。そして憧れる。
ちなみに大した事件は起こらない。そこもまたポイント。
寮で飼っている犬は「ミルフィーユ先輩」、
寮でポルターガイストを起こしているおばけは「レイコ先輩」と、いろんなものに先輩呼びしているのが良い。
レイコ先輩って。笑
ちなみにレイコ先輩と同室には霊感のある先輩がいる。
前巻でも書いたけど、あだ名の付け方でリアルで面白い。
登場人物がとにかく多いのに、
会話で誰なのかがわかる。会話のテンポがよすぎて、
自分も寮生になった気分で最高に面白かった。
ぱーっと明るい気分になれる良い作品。
会話と地の文のテンションの高さについてこれる人なら大人にもおすすめ。 -
下巻も面白かったです。
様々な登場人物が出て来ます。
シリーズ化して欲しい!! -
これ絶対に続編あるでしょ、冒頭の詳し過ぎる寮内(外)相関図にまだブランクがいくつもあるし。
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1年生(中1)から6年生(高3)まで六十余人が暮らす逢沢学園女子寮
人助けのために女子寮に代々受け継がれてきた“お庭番”に指名されたのはアス(戸田明日海)たち1年生3人組
学校の正門近くにある宝田商店の見守りを頼まれるが、感じの悪い“ババア”が店をやっていて
──第三話「ババアにインタビュー」
食堂のおばさんに3年生の娘の成績が急降下したのは学園七不思議の怪談のせいだと聞かされて
──第四話「真冬の怪談」
《ピープル・ヘルプ・ザ・ピープル》
女子生徒の人間模様を中学1年生の目でユーモアたっぷりに描き出した“人助けエンターテインメント”
女子寮・男子寮・一般生徒・教師・寮監から番犬まで(!)、ざっと六十人を性格づけて描き分けた隠れた傑作でもある
『アナザー修学旅行』で第50回講談社児童文学新人賞(2009年)を受賞してデビュー、第2作『かさねちゃんにきいてみな』で第24回椋鳩十児童文学賞、第47回日本児童文学者協会新人賞をダブル受賞(2014年)した著者の7年ぶり待望の第3作の下巻、2020年7月刊
第一話、第二話収録の上巻も同時刊行
ちなみに、第一話の九月から第四話の十二月まで、上下巻で2学期の4か月を描いている -
上巻に引き続き。読んでいくほどおもしろかった!アス目線の文章が特徴的だけど読みやすかった。
お庭番がどんな仕事をするかっていうよりは、お庭番になったからいろんな人と関わっていくお話なんだな〜と。個性的な面々がいて、みんなそれぞれ事情があって、でもいっしょにいるときはただ楽しいときもあるのかも。
寮生たくさん出てきたからもっと読みたかったな〜。 -
「自助」やら「自己責任」がぶつけられてくる現代において、人が人を助けることってもっとゆるやかでいいんだと教えてくれた作品。「自分で!」「自分が!」と追い詰めてしまわず、困っている人がいたら助けられる人が助けられればいいし、できなくても、助けられる人を一緒に探したり誰かに伝えたりほんのちょっとしたことから関わっていけばいいんだと思う。
ミルフィーユ先輩はかわいい。
同作者の「かさねちゃんにきいてみな」がオーバーラップした。何か「役割」を与えられた人が、迷いながらそれに向き合っていき、明確な答えというよりは日々を積み重ねて積み重ねた先に自分のあり方を見つけていく…というのが軸なんだと感じた。 -
途中で断念
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お庭番としての活動だけでなく、恭緒と、侑名の家庭の事情なども出てきて、明日海の友達思いのところにも少しジーンときた。
人が困っている時は、1番近くにいる親しい人が助けるべきだと思っていたが、そうとも限らない。それまで無関心でも、好きではなくても、タイミングがあった人が助けちゃうのかもしれない。大切なのは、誰かが、助けが必要な人に気づくかどうか。
という恭緒の言葉に、なるほどと思った。
助けご必要な人に気づいてあげたいし、助けが必要なら、助けてほしいと言えるようになりたいな。