時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 249
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065202104

作品紹介・あらすじ

物質には反物質があり、力には作用と反作用があるように、この世のすべてのものは、ほんのわずかな破れはあったとしても、対称性を持っています。ところが時間の進み方だけは対称ではなく、宇宙ができたときから現在まで、一方向だけに進んでいると考えられています。このことを「気持ち悪い」と感じている物理学者は少なからずいるようです。筆者もその一人です。
本当に時間は一方向だけなのか。宇宙は逆戻りしないのか。じつは時間も宇宙も、反復し、逆戻りしているのではないのか。一見、荒唐無稽なこの疑問を大真面目に検討してみることで、宇宙や時間についての新しい見方を呈示しようという狙いです。
量子重力理論研究の期待の新鋭にして、日本人としては最後の「ホーキングの弟子」ともいわれる著者が、量子論的な視点を突破口にして、「反復する時間」の可能性をわかりやすい言葉で探っていきます。

感想・レビュー・書評

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  • 時間が未来への一方通行という認識が本当に正しいのか、当たり前と考えられていることに一石を投じる一冊。
    とんでも科学や似非科学が蔓延る中、正真正銘の物理学における時間の概念を検証していきます。
    読了してまず感じたのは理系にとっても小難しいという印象で、多少の基礎知識が必要であると思います。
    とはいえ、量子世界では既に時間が過去へ戻る現象を観測したことや、時間が未来へ流れる膨張と時間が過去へ流れる収縮を繰り返すサイクリック宇宙といった劇的なシナリオが紹介されたり…、文理問わず楽しめる内容です。
    サイクリック宇宙が正しかった場合、この宇宙は50回目位の宇宙で私は50人目位の私であるようなので、確定した未来へのレールを歩んでいることになるのでしょうか。
    人生観が変わってしまうほど、色々と考えさせられます…。
    過去へのタイムトラベルが可能であれば夢はありますが、同時にそれが閉鎖した時間を何度もループすることを意味するならば虚しくも感じますね。
    遠い未来の人類が時間と空間の秘密を解き明かして限界を突破していることを、食事をしてエントロピーを減少させ排泄をしてエントロピーを増大させながら期待します。

  • 映画『TENET』を見て興味を持ち読了。時間に関する近代以降の科学的歴史から相対性理論、量子力学までのトピックの概観をざっくりと学べた。極めてミクロな世界と極めてマクロな世界の中では時間は逆行しうるというのは体感的にりかいしがたいが、とても興味深いと感じた。文章もロヴェッリを支持しているように、フランクな感じで読み易い。

  • 《生命とは、因果律や熱力学といった物理法則にしたがうだけでは決して成立しえない、最終的にめざすある状態(=目的)を、高い確率で実現させるという合目的性をもつ何かではないか、と思われるのです。そうした合目的性は、生命の部品となるアミノ酸やタンパク質がつくられる過程で、すでに実現されていたのではないでしょうか。そこにはすでにエントロピー増大の法則に抗うような、一見すると実現不可能な状態ができあがっていて、それが、生命が合目的性をもっていることの根本的な原因になったのではないでしょうか。宇宙の絶対法則に抗って、ある状態を高確率で何度も再現できるように形成されたからこそ、それが生命たりえたのです。》(p.234)

  • 「これは主人公が過去のさまざまな時点に飛ばされる、いわゆる「タイムワープ」をテーマにしたSFです。主人公は、すでに何度もタイムワープを経験し、何回目かのワープでは、前にもワープしてきていて命を落とした自分自身の遺体を見つけたりもします。」って書いてあるけどデンゼル・ワシントンのデジャヴってそんな映画じゃなくないか、どのデジャヴだ

  • 421-T
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  • 取っ付きにくく理解出来るだろうか心配でしたが、分かり易く説明されています。興味深く読ませてもらいました。

  • 物理学って、哲学みたいだなと思った。
    時間とは何か、宇宙とは何か、生命とは何か、それを理解するためのエントロピーとは?粒子とは?ブラックホールとは?重量とは?
    それを科学と数式で考える学問。そう理解した。

    特に量子力学あたりはまじでぶっ飛んでて訳わからないし、この著者の先生はめちゃくちゃ噛み砕いて説明してくれているであろうに、途中「???」となること数え切れなかったけど、それでも読んでて面白かった。

    SFって物理学の世界なんだな(サイクリック宇宙とかまじでSFのストーリーそのもの。これが学説の一つとして存在していたのか!)、とか、かの有名な相対性理論とか、アインシュタインやホーキング博士のすごさとか、次元の考え方とか前より少し理解できたことや気付きが多かった。
    数式の意味はわからずとも、物理学という学問やその学者たちの考え方はほんの少しわかった気がするし、こんなになんでも科学が明らかにしてくれる世の中でも宇宙のことはまだまだわからないことだらけなんだなと思った。

    時間は逆戻りするのか。
    この問いに対しては、見方によってはするとも言えるし、しないとも言えると理解した。ミクロで見ると起きているらしいけど、私たちがタイムマシンで過去へ飛ぶ、みたいなわかりやすい理解では起きえていない(ミクロで見るかマクロで見るか、どんな観点で見るかによっても捉え方は変わってくる)。
    量子力学的考えでは今後観測を続けていく上で2つの可能性が同時に存在していて、あとはさらに明確な形で観測することで答えが固定するという感じかしら。うーむ。きっと著者の方が書かれているように、考え続けることが大事だ。
    私もこの問いの答えを人間がどう導き出すのか、宇宙の成り立ちに想いを馳せながら注視したい。

  • 量子論、宇宙論を幅広くわかりやすく伝えてくれている。大変読みやすい。

  • 「時間」を切り口に、ニュートン力学、特殊・一般相対性理論、量子力学、超ひも理論、ループ量子重力理論などを、全くの素人にもなんとなくわかった気になるように駆け足かつ平易に解説してくれる。

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著者プロフィール

たかみず・ゆういち
筑波大学計算科学研究センター研究員。一九八〇年東京生まれ。二〇〇三年、早稲田大学理工学部物理学科卒業。二〇〇七年、早稲田大学大学院博士課程修了、理学博士。二〇〇九年、東京大学大学院理学系研究科ビッグバンセンター特任研究員。二〇一二年、京都大学基礎物理学研究所PD学振特別研究員。二〇一三年、英国ケンブリッジ大学応用数学・理論物理学科理論宇宙論センターに所属し、所長を務めるスティーヴン・ホーキング博士に師事。二〇一六年より現職。専門は宇宙論。近年は機械学習を用いた医学物理学の研究にも取り組んでいる。著書に『知らなきゃよかった宇宙の話』(主婦の友社)、『時間は逆戻りするのか』(講談社
ブルーバックス)。


「2021年 『宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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