- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065204047
作品紹介・あらすじ
「文学少女」シリーズの野村美月、待望の最新作!
忘れたい人は、いますか。
忘れられたい人は、いますか。
静乃の優しすぎる恋人、誠が突如失踪した。職場に連絡すると彼は一年前に亡くなっているという。では、彼は一体誰だった?
静乃の脳内に存在する、自分のものではない思い出。これは人の記憶が綴られた書物を売買する、うたかた堂の仕業か。記憶に浮かぶ海を、静乃は目指した。冷めた目をした美貌の青年が書物を繙くとき、心に秘めた過去が、秘密が、願いが、解き明かされる!
感想・レビュー・書評
-
記憶の売買というキャッチーな要素につられて読みました。
短編集です。
おしい。特に最初の話は、わけがわからず、読み進めるのが少し大変でした。話の後になればだんだん、靄は晴れて、関係性とかわかるのですが、それまでが大変でした。
鈍い私だけかもしれませんが、せっかく良いネタなので、話の前提を読者に知ってももらうために、話の順番を入れ替えても良かったかなと思いました。最初の話は再び読めば、良かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あらすじを見る限り、長編なのかなと思っていましたが、全6話の連作短編集でした。
人の記憶の売買を行う記憶書店「うたかた堂」。そのオーナーは、少年っぽい細身の青年。
各話ごとに依頼者が代わり、記憶の書換によって忘れたい人、他の人の記憶を買いたい人など様々な人が登場します。
記憶が書き換えられた先には、感動や希望がまっています。
野村さんの作品は初めてなのですが、文章がきれいで、丁寧に言葉を扱っている印象がありました。
記憶によっては、消したい記憶や上書きしたい記憶など色々あるかと思います。操作することで都合の良い人生を送ることは良いかもしれませんが、それに影響される周りの人達のことを考えると・・・。読んでいてなかなか難しいなと思いました。
話としては、切ない話もあれば、感動した話もあって、色々楽しめました。全体的に心が優しく温かくさせてくれました。
謎めいた青年の正体は、あまり詳細に描かれていないので、わかりませんが、冷酷さやその中から滲み出る優しさは伝わりました。続編があるような感じがあったので、青年の過去も描いて欲しいなと思いました。 -
第四話「あけるの初恋」
第六話「おじいちゃんの遺産」
漢だねぇ~
第二話「愛を語るのに最適な方法」
こいつはない
女性的にはあり? -
記憶売買の方法は細かく語られないが、さじ加減で明暗が分かれるのが結構怖い。味オンチな自分としては美食家の記憶は味わってみたい。
-
人間を形成するために重要な記憶を売買するってどういうこと?と思いながら読みました。
短編集で野村さんらしい綺麗で儚くて少し残酷な物語たち。
少し初めの物語が読みにくくも感じましたが、読んだあとはなんとも言えない複雑なでも優しい気持ちになる読了感です。 -
<学生コメント>
一人で同じ作者を紹介するのかと思われるかもしれませんが、ここでも野村美月さんについてのコメントです。新刊が出た今こそ宣伝の好機なので。なぜこんなに読んでねアピールをしているかというと、3年ほど筆を折っていらして、今年からなんとか作家活動を再開してくださったことがとても嬉しいからです。野村さんの作品全てが本当に好きで、挨拶代わりに配り歩きたいぐらいお気に入りだし宝物なんですよ。
この熱意に免じて読んでほしいです。内容説明してなくてすみません。
読んだら内容わかるのでいいかなと...。