- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065206287
作品紹介・あらすじ
織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼。
戦国時代を駆け抜けた6人の真の姿を描き切る。
『天地明察』『光圀伝』と傑作を残してきた著者の、新たな代表作。
感想・レビュー・書評
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何処から来て何処へ行くか。
歴史は一本の道である。
振り返ってみると全ては必然であったと言えるのではないか。
なんて事を考えさせられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「決戦!」シリーズに書き下ろした作品に加筆し、「道」というテーマで統一した連作集。
織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼という戦国末期の六人の武将を、著者独自の視点で描いている。
各編とも、著者の想像力を駆使して、今までの歴史観を覆すような人物像が現れる。
特に、『真紅の米』の小早川秀秋。
凡愚の代名詞のように言われているが、けっして凡愚などではなく、彼は生い立ちの立場から利発さを秘して行動していたとしている。
『燃ゆる病葉』の大谷吉継。
関ヶ原での活躍ばかりが語られるが、家康とも厚誼があり、最後まで関ヶ原の戦いを忌避せんと光秀を説得しており、家臣からも絶対の信頼を寄せられていたことが綴られる。
『黄金児』の豊臣秀頼。
家康とも対等に渡り合う、英明で戦略的な傑物として描かれている。大阪の冬の陣では、秀頼自ら出陣したとも。
歴史は勝者によって造られるとの言葉がある。取り上げられているのはいずれも非業に倒れた人物たちであり、こういう見方もあるのかと、新発見をする作品といえる。 -
盛り上げが上手で、テンポよく話が進み分かりやすかったが、精神論がややしつこく飽きそうにもなった。今まで知っていた武将のイメージに、膨らみができて良かった。
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歴史に取材した小説だが、現代的な視点で描いてある、モダーンな感じ。光秀のビジョナリーな様子は、こういう捉え方もあるのかと感心した。また、小早川秀秋が実は才人で、というのは新鮮だ。確かに正史にきちんと残らなかった人々とはいっても、官僚制が整っていない時代に、いっときは国を統べ、大勢の家臣を束ねるトップであったのだから、全くの暗愚ではなかっただろう。
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桶狭間での信長勝利の真相とは。六将の生き様を鮮やかに描いた冲方版戦国クロニクル。
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苦手だ~。冲方丁の筆を持ってしても、僕には戦国時代小説は面白いと思えない。
読みやすくて分かりやすいけど、単純に面白味を感じない。
興味が持てない。江戸時代の庶民や武士の話は、とても面白く好きなのに、何故かダメなんだよな。
今回は、面白く読めると期待したけど、やっぱりな~。
伝奇小説のようには、いかないな。 -
信長と義元、景虎と晴信、光秀と信長、秀頼と家康など、直接会話をするわけではない相手との関係性を意識した作品群。元は雑誌企画のようだが、一冊の本としてよくまとまっている。話が出尽くされてる戦国ものをこれだけしっかり書けるのはすごい。
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小早川秀秋、大谷吉継、豊臣秀頼を主人公とした話は初めて読んだので新鮮だった。
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時系列順に様々な武将の生き様がオムニバス形式で執筆されていたので、戦国時代をそれぞれの人物の視点から体験。
特に晩年の家康と豊臣秀頼の水面下での知略の攻防が面白かった。互いに牽制し会うなかで二人が知将ゆえに共感しあう部分があるのは興味深かったです。 -
歴史モノ短編集としては面白く拝読しました。特に大谷刑部は好きな戦国武将でしたので、良かった。道に繋げるのは、少し無理があったかな?
著者プロフィール
冲方丁の作品





