異世怪症候群 (星海社FICTIONS)

  • 星海社
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本棚登録 : 28
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065206515

作品紹介・あらすじ

あなたに素敵な怪異をお届けする『XYZ in RADIO』。
今夜のお耳のお供はX.Y.Z……と書いて『XYZ(カイズ)』がお送りします。
リスナーのみんな! 最近、怪異はあったかな?

女子中高生の間で流行するレトロラジカセの購入。
その裏には、彼女たちしか聴けない怪談を物語る都市伝説“怪人ラジオ”の噂があった。
ライター・鈴鳴鵺はその正体を追いかけるが、
怪人ラジオが囁く異形の怪異譚には、聴いてはいけない戦慄の呪いが隠されていたーー!

<Contents>

“赤”を忌避する寒村で妻が監禁される!?
ーーーーポストの村

深夜の高速道路で発車する死の爆走!
ーーーー『ん』の車

T字カミソリを手に襲い来る怪人の正体は!?
ーーーーカミソリおっさん

醜悪な魚を食した者を待ち構える怪神社!
ーーーーサルソギ

樹海の首吊り死体が誘うバケモノ屋敷!
ーーーー死に宿

感想・レビュー・書評

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  • なかなか嫌な感じの一冊だった。

  • 都市伝説「怪人ラジオ」の怪異譚を描いた連作ホラー。語られる理不尽でシュールな恐怖の物語。各話の扉絵も美麗でなおかつ恐ろしさも引き立てられます。そして、どの物語にも何かしらヤバいものが紛れ込んで……いるような? これは気づいてよかったのでしょうか、それとも気づかない方がよかったのでしょうか。だけどどのみち、気づいたときは手遅れのような気がします。
    どの物語も嫌だなあ。怖いし、とにかく嫌。こんな目に遭ったら気が狂いそうなほどに怖い、というか気持ち悪いなあ。一番嫌なのは「サルソギ」。もうね、最初っから嫌でした。こんな港町に足を踏み入れること自体が既にいけないのでは。
    しかしそれにしても、最後の「答え合わせ」まで気が抜けないなあ。そしてこんな物語を途中で断ち切られてしまったら。それはまた別の意味で「恐怖」になるのかもしれません。

  • 昭和60年代に製造されたラジカセを女子中高生は求めた。世間は理由を知りたがったが、よく分からない。本人たちに聞けば、「可愛いから」と適当な返事が返ってくるばかりだ。唯一分かっているのは【怪人ラジオ】という謎の言葉だけであった……。
    ***
    一つの物語を主軸に、怖くて奇妙な話が5つ。連作ではなく、それぞれが独立している話。帯には連鎖感染型ホラー!とあったので、各々の話が関連しているのかな?と思って読んだが、どうやら違うよう。それぞれの話が関連していないなら、連鎖って何?と思いながら読んだ。
    最後まで読むと意味が分かる。今までにない感覚の小説だった。短篇である5つの話は、なかなかにぶっ飛んでいて、荒唐無稽。いつものようにグロテスクで、忍び寄る絶望に恐怖する感じではなく、最初からフルスロットルで作者の持つ独特な世界観をぶちまけたような話ばかりだった。これがまた、主軸になっている話の静かな怖さと対比していてそれぞれを引き立てていたように思う。5つの話の中にあった仕掛けも、見事に読者を巻き込んだ、という感じだった。最後まで読み終え、真相を知った後もう一度最初から読むとさらに楽しめそうな本だった。

  • 本の装丁が変わっていてより雰囲気が出ている.

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著者プロフィール

最東対地 Taichi Saito
1980年5月9日生まれ。大阪府在住。2013年より執筆活動を開始し、同年にホラーブログ『最東対地の嗤う壷』を開設する。2016年、第23回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞した『夜葬』がヒット作となる。その後、異形が迫りくるスリラー系作品を数多く上梓。近著に『ふたりかくれんぼ』、他著に『怨霊診断』、『異世怪症候群』、『カイタン 怪談師りん』などがある。近年は怪談イベントで自ら怪談語りなどもする。

「2022年 『恐怖ファイル 不怪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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