- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065207086
作品紹介・あらすじ
「シリコンバレー型資本主義」の本質は「失敗の肯定」にある!
「日本型組織」では、2020年代の富は生み出せない!
2000年代以降、世界のビジネスモデルは大きく変わった。
20世紀型の資本主義からシリコンバレー型の資本主義へ。
新型コロナで加速するビジネスの潮流。
シリコンバレーの盛衰をつぶさに見てきた著者が明らかにする
「お金とハイテクのからくり」
ソフトウェアが富を生み出す時代は、富の生まれ方も大きく変化している。
そして2020年代も、その流れは変わらない。
なぜGAFAが隆盛を極めているのか?
なぜ日本は低迷しているのか?
その答えは本書にある。
感想・レビュー・書評
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金儲けとは程遠い
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●どうやって儲けるか?という文明のビジネスモデルの変化の流れ。
●中世ヨーロッパの中での領地争いの場合、隣国を責めて勝ち、領地を拡大すると、農地とそこに住んでいる人、つまり領民が納める税が自分の懐に入ります。「税収が増える」ことがビジネスモデルです。
●その次の大航海時代は、「アジアで安く香料や金を仕入れ、欧州へ運んで高くなる」と言う安いところで買って高いところで売り、その鞘を取る「裁定取引」
●イギリスが主にアメリカで行った、「荒地を開梱して農業で税収を得る」だけでなく「植民地で開発した商品や作物を外に持っていっており、さらに完成品を宗主国から輸出して売り付ける」と言う複合的なやり方。
●アメリカと言う国は「必死で金儲けをしようと頑張った人」が事業として作り出した国です。
●カリフォルニアはスペインがメキシコ側から上がってきて入植した場所。教会のチェーン展開という古いやり方。
●ルイジアナ周辺は、新興アメリカ合衆国が、ナポレオンから買い取った場所。
●メキシコ独立後、米墨戦争でアメリカがカリフォルニアを入手。1848年。
同年、ゴールドラッシュが始まった。49年をとって49erと呼ばれた。
●奴隷の保有を許せば、1部の金持ちだけが有利になってしまうとして「自由州」を選んだ。金儲け主義でありながら、個人の自由や機械平等を大事にする、シリコンバレー文化の主要な柱として今も生きる精神。
●鉄道ラッシュの西側グループの中心人物は、スタンフォード。泥棒男爵の1人。これが大学創設につながっている。
●モフェットフィールド基地とNASAの前身がエイムス航空研究所を作った。1939年にHP創設。
● 90年代のバブルは、必ずしも株価期待だけど根拠のないバブルとして切って捨てられるものではありません。その革新には、デジタル化の波と、半導体と光ファイバーの集積度が上がって、単位あたりのコストが劇的に下がると言う、明確な技術革新によるコスト要因がありました。
● 2000年の.comバブル崩壊後、金儲け中心の人たちが逃げてしまい、技術が本当に好きな人たちだけが踏みとどまり、一生懸命何かを作っていました。
● 97年にNetflix、98年にGoogle、04年にFacebook、06年にTwitter、05年にはYouTube。シリコンバレーではありませんが94年にアマゾン。07年にiPhone。 -
20210205読了
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米国の開拓史から現在のシリコンバレーに至るまでの経緯を振り返り、英国のジェントルマンと開拓者の関係が栄枯盛衰を繰り返すことで進化して現在のベンチャーキャピタルとベンチャー企業の関係性を形作ったと解き明かすところがとても面白く、その連綿と続くお金儲けの気質には納得感満載です。対して日本の歴史は長く続いた農業の時代の次はすでに米国などで成功したことしっかり踏襲して進めることが成功体験となって新しいことをやって失敗することを恐れる気質になった説明します。シリコンバレーから見た日本としては優良顧客が多く市場規模が大きいとの評価があるようです。日本でITビジネスを成功させるのは海外企業の代理店ビジネスが最も有効であることを再確認しました。そのためにも新しいテクノロジーが登場したら「先ずは人材育成」と呪文を唱える前に自分で手を動かしてみることが大切ですね。
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3.8
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