おもかげ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 563
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065207895

作品紹介・あらすじ

定年の日、最後の出社の帰り途に通い慣れた地下鉄で倒れた男。集中治療室にいるはずの男の意識はいつの間にか自由にさまよいだし、不思議な女と出会うーー。涙なくして読めない感動のラスト。人生のすべてが詰まった浅田文学の新たなる金字塔。

感想・レビュー・書評

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  • 定年を迎えた直後、地下鉄の中で倒れたエリート会社員、竹脇正一の話。
    ラクに生きてきたわけではない、この竹脇の人生を知っていくと、なぜか自分の親を思いました。
    竹脇と同じ頃に生まれた私の両親も、昭和の激動の中を生きてきたのだなと。
    竹脇自身が昏睡状態の中で回想していく自分の人生
    は、切なくて温かくて心がしんみりしました。素敵な話でした。
    戦前戦後を生きてきた昭和の人々の、強さであるとか、色々な境遇の人がいたことを知り、自分の人生の生ぬるさに感謝しなくてはと思いました。

  • 主人公正一の生死の堺に起きる話であるが、正一の視点だけではなく、いろいろな登場人物の視点で描いてあるのがとても面白いと思った。ラストはもちろん感動的に締めくくられているが、最初から最後まで読み進めていく中で、今を一生懸命生きること、周りへの感謝の大切さなどを、改めて見つめ直すことができる作品ではないだろうか。

  • 「自分が最も幸せだった頃」っていつだろう。

    まだまだ先にあるかもしれないと思いたいが、竹脇さんのようにある日突然、死に直面することがあるのだから、自分も今日そうなるかもしれない。
    それだったら「自分が最も幸せだった頃」って今でもあるはずだ。でも「最も幸せだった」ということは、今はそのときよりも不幸せということになる。じゃあ「自分が最も幸せだった頃」が思い付かないということは、今が最も幸せだということかもしれない。

    この本を読んでてこんなことを考えた。

  • 決して恵まれた環境ではないそれぞれの登場人物が、ポジティブで、愛情深い人間関係すごく良かった。
    終盤に向けて、いろいろ解明される所が感動、メルヘン的でもあり、厳しい社会情勢の中での生きる選択、新年の最高の1冊でした。

  • 昔の地下鉄には不思議なノスタルジーがある。
    地上を走る電車やバスではなく。
    仄暗い闇から浮かび上がってホームへ滑り込んで来るあの車両にはさまざまな人生を抱えた人々が乗り合わせているのだ。

  • 生死をさまよう主人公と、主人公の周りの人物の視点で書かれた小説。
    主人公以外の視点は現実的な話なのだけど、主人公視点の話は、生霊(?)になって街を彷徨うファンタジー。そういう話だと知らなくて読んだからちょっとビックリした。
    いい話だったとは思うけど、想像力のない自分には小説のファンタジーというのはどうにもイメージがつきづらい部分が多かった。いきなり場所や時代が変わることもあるし。
    一番よく分からなかったのは、初恋の女性の話。体が若返って再会するという話があったけど、この流れ必要かと思った。昔の思い出として語るだけならともかく。
    基本的に、各人物の視点の話は、三人称一視点で書かれてあったのだけど、なぜか娘婿の視点の話は一人称で書かれてあったように思う。なので、娘婿の視点の話だけ他と雰囲気が違うように思ったのだけど、何か意図したことなのだろうか。

  • 孤独の中で育ち、温かな家庭を築き、定年の日の帰りに地下鉄で倒れた男。孤独な幼少期、幼くして亡くした息子、そして・・・。涙なくしては読めない至高の最終章。浅田ワールド、ここに再び!

  • 送別会の日に倒れ、病床で回想する物語

  • 読み進めていて、そういうことなのか…と分かってから集中して読めたし話に引き込まれた。もう一度じっくりと再読したい。
    浅田次郎さんの世界観あったかくてとても好き。

  • 浅田次郎氏ならではの世界。とても良かった。
    親と子。埋もれている確かな記憶。
    私がもし主人公のように死の間際にいるとしたら、こんな素敵な体験ができると信じたい。
    昔の地下鉄って趣があって、格好良かったんだと改めて感じいった。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。『地下鉄(メトロ)に乗って』で吉川英治文学新人賞、『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞、『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』で司馬遼太郎賞と中央公論文芸賞、『中原の虹』で吉川英治文学賞、『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を受賞。2015年紫綬褒章を受賞。『蒼穹の昴』『シェエラザード』『わが心のジェニファー』『獅子吼』など著書多数。

「2021年 『長く高い壁 The Great Wall』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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