ルビィ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065208656

作品紹介・あらすじ

同じ痛みを抱いて、俺たちは、生きている。

自ら命を絶った少女・ルビィと出会った、中年作家のダザイさん。
「ねえ、ダザイさん、一緒に行こうよ」
ルビィが誘ったのは、見知らぬ誰かの命を救うための旅だったーー。


作家の仕事に疲れて自殺を図ったダザイさんは、一人の少女・ルビィと出会った。三年前に命を絶った彼女は、「七人の命を救わないと天国に行けないの」。ダザイさんは、その義務(ノルマ)を果たす旅に付き合わされ、出会った人たちの心の中に自分と同じ痛みを次々に見つけて……。命の哀しさと尊さに涙する感動長編。


ひとの心の痛みをまっすぐに見つめ、
生きることへの尽きせぬ希望を描く傑作長編!

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めて、最初の第一章はどうなることやらと思っていましたが、最後まで読み終えると、やっぱり重松清さんはいいなぁ とつくづく思う。

    これまでの重松清さんの作品とは少し違う感じ。
    なんとなく「なぎさの媚薬」シリーズのテイスト。
    生きることの大切さ、人の痛みをしっかりと考えさせられる一冊でした。

    • いるかさん
      karinさん
      コメントありがとうございます。。

      第三章、エピローグはさすが重松さんっと思いました。
      やっぱり重松ワールドいいですね。
      大...
      karinさん
      コメントありがとうございます。。

      第三章、エピローグはさすが重松さんっと思いました。
      やっぱり重松ワールドいいですね。
      大切な一冊です。
      これからもよろしくお願いいたします。。
      2020/10/03
    • karinさん
      いるかさん、
      ありがとうございます。

      私も、大切な一冊になりました。
      こらからも、素敵な本にたくさん出会えますように。

      お返事、ありがと...
      いるかさん、
      ありがとうございます。

      私も、大切な一冊になりました。
      こらからも、素敵な本にたくさん出会えますように。

      お返事、ありがとうございました。
      2020/10/04
    • いるかさん
      karinさん

      おはようございます。
      こちらこそ これからもよろしくお願いいたします。
      レビュー たのしみにしています。。
      karinさん

      おはようございます。
      こちらこそ これからもよろしくお願いいたします。
      レビュー たのしみにしています。。
      2020/10/04
  • 自殺してしまった主人公ダザイさんと少女ルビィが出会って、さまざまな人生と向き合う、ちょっとメルヘンチックな物語でした。

    前回読んだ「とんび」のように直接心を揺さぶられるのではなく、なんか、じわじわと沁みてくる感じっていうのかな。
    だから、涙腺崩壊といったものではなく、深く考えさせられる話だった。
    何について深く考えるのかというと、みんな誰もがこの世に生まれて、幸せや、悲しみ、苦しみを感じながらも、なんとか生きているっていうことがとても尊いんだなってこと。

    ダザイさんとルビィは、死ぬ可能性のある何人かを救うが、特に第二章のミュージシャンへの夢破れた島野という中年男を描いたのが、本当に身に沁みた。学生の頃、自分もアパートの部屋でフォークギターをかき鳴らしてここに登場する曲を歌ったりしたなぁ…。あの瞬間があって今の自分もあるんだな。

    みんな、それぞれ、さまざまな、自分だけの人生を懸命に生きるしかないんですね。このささやかな人生を。
    この本を読んで、色々なことを諦めたり、惰性で過ごすには人生は勿体無いな、新しい明日はもっと素晴らしいのかも、と思わせてくれた気がします。

  • 重松さん、こういう世界、とても素敵に描く。
    今、ちょうど、世の中と連動していて、
    自身も、もういいかな…と思っていたところ。
    死の世界はわからないけど、
    きっと、振り返ってみる時間はあるのだと思う。
    本当に、生と死は、表裏一体であって、
    何がどうなるかは不明。
    今日、死んでしまう人たちが、あんなにたくさんいて、それぞれの事情や感情があって…日々は流れてゆく。
    最後、タクが、きちんと戻ってこれてよかった。
    子供も大人たちも、ルビィが言うように、生きるのはキツいけど、それでも…
    ふと、迷ってしまう。
    それは仕方ないと思う。
    ただ、とりあえず、今日まで生きてしまったから、いつまでかは定かではないが、
    その日までは。

    • いるかさん
      karinさん

      はじめまして。
      今 一番好きな作家さんが重松清さんで、重松さんの本はすべて買って読もうと思っています。
      今私も読ん...
      karinさん

      はじめまして。
      今 一番好きな作家さんが重松清さんで、重松さんの本はすべて買って読もうと思っています。
      今私も読んでいるところです。
      第2章まで読みました。
      第1章は重松さんが苦手とする分野だと思うのですが、読後感はすごく良かったです。
      これから第三章の展開が楽しみです。
      レビューありがとうございます。
      これからも楽しみにしています。
      よろしくお願いいたします。
      2020/09/30
  • 自殺した売れない作家ダザイは、同じく自殺した少女ルビィと出会う。7人の死ぬ運命にある人を救わないと天国に行けないという。ダザイは、ルビィの魂を救う旅に付き合うことになる。

    なんだか不思議な設定。死ぬ運命にある人たちも、シビアな人生。読み終わって救いを感じたかというと??という感じだった。

  • コロナ流行ってるんで、新しい本を買いに行くのを自粛中の為、久々に読み返しました。
    ブクログ始める前に読み終わってたんで、2回目読んでからの感想です。

    自殺した女子高生ルビィと作家ダザイさんがその日に亡くなってしまう人達と共感する事でその人の中に入りこむことで救っていきます。

    生き続けることの大切さ、死ぬことでの周りの人達に与える影響。
    改めて考えさせられました。

    いろんな人に読んでほしい。そんな素晴らしい作品だと思います。

  • 自殺してしまった女子高生と自殺を図った中年の売れない作家が成仏するために、これから死のうとしている命を救っていくお話。

    「重松清のお話はこんな感じだよな、うんうん…」と思いながら予想していた展開で話が進んでいくも、最後のたたみかけで不覚にも涙ぐんでしまう。ルビィの屈折した弟の心がたまらなく痛くてつらい。

  • 死に行く人を救うといったらヒーローみたいになるけれど自然体で寄り添うダザイさんとルビィちゃんの空気感がとてもいい。人の心にシンクロして少し寄り添うことで、人の運命は変わるのかもしれない。コロナ禍で不安の多いこの世の中で心に日が灯る一冊だったように思う。

  • 重松さんらしいお話だなぁ。妊婦の先生と卓也との話は読みながら涙が出ていた。人の辛い気持ち、寂しい気持ち、やるせない気持ち、どうしようもない気持ちを重松さんの作品ではいつも慰めてくれるような、受け止めてくれるようなお話になっている。人の心にそっと寄り添ってくれているので、いつも読み終わった後はほっと温かい気持ちになる。大丈夫だよと自分を励まし、大丈夫だからねと周りの人たちに声をかけたくなる、そんな作品でした。

  • 生きろって
    言われるよりも
    心から
    誰かにそっと
    寄り添って欲しい

  • 自殺してしまった17歳の少女ルビィと小説家のダザイさん(オジサン)が出会い、二人で命を絶とうとしてる人を探して思いとどませる旅をする。ノルマがあり達成できると天国へ行ける。ルビィが後一人で天国に行ける最後の人が・・・だったんだね〜
    悲しい話だったけど笑えるところもあったよ

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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