短歌研究ジュニア はじめて出会う短歌100

制作 : 千葉 聡  佐藤 弓生  寺井 龍哉 
  • 講談社
4.10
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本棚登録 : 88
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065209295

作品紹介・あらすじ

万葉集の古典から、現代の十代歌人の作品まで。これまでなかった「オールタイムベスト短歌100」。
はじめて出会う珠玉の短歌ーーそれはきっと「心の宝物」になる。
老舗短歌専門誌「短歌研究」が、少年少女向けに総力をあげて編集。もともと「短歌研究ジュニア」という別冊付録だったが、短歌初心者のシニア層にも大好評。ジュニアからシニアまで、年齢を問わない短歌入門書の決定版として、ついに刊行。
収録は、「時代順」ではなく、テーマを切り口にした、あたらしい編成。
万葉集の大伴家持、山上憶良、小野小町から、俵万智、岡井隆、寺山修司、斎藤茂吉、栗木京子、穂村弘、斉藤斎藤などの現代短歌までを、あえて同列に並べ、古典和歌と現代短歌の両方に親しみやすいようにしている。

(編者・千葉聡より)小中学生・高校生のみなさんに真っ先に届けたい短歌を「オールタイム百人一首」として厳選し、あらたに解説や資料を添えました。現代の若い歌人の新作まで、教科書に掲載されている古典和歌や有名な近代短歌に加えて、小中学生のみなさんに親しみやすい一冊となることを願って、平成以降の新しい短歌を多めに収録。短歌定型と深いかかわりのある歌謡と琉歌も収録しました。
この本を入口にして、たくさんの方が短歌を読み味わい、そして、自分の言葉で一首を詠むようになってくださいますように。

目次
第1章 いとしい人へ
第2章 家族を思う
 コラム「おもしろい歌」寺井龍哉「十秒と数十年」
第3章 春のよろこび・夏のかがやき
第4章 秋のせつなさ・冬のやすらぎ
 コラム「短歌をつくってみよう」佐藤弓生
 コミ歌 画 佐藤りえ
第5章 あこがれの世界へ
第6章 時代の記憶とともに
 コラム「短歌をつくってみよう その2」佐藤弓生
第7章 ひとりの時間に
第8章 大きな存在のとなりで
 コラム「和歌・短歌の歴史」寺井龍哉
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感想・レビュー・書評

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  • 良書でした!
    時代ごとでなく、テーマ別になっているのが良くて、1000年以上の時間を隔てた作品が隣り合って紹介されることがとても素敵。
    かつ、どの時代に詠まれたものなのかもすぐわかるようになっている。
    そして、特に平成以降の歌の解説が素敵。現代の短歌は言葉としては私たちは理解しやすいはずだけど、その歌の世界をどうやって受け止めるかを教えてくれる。中学生ぜひ。私も手元におきたいです。

  • 初めて短歌に触れる学生に向けて選ばれた歌に、解説を付けてある。
    メジャーで、わかりやすいものが多く、入門編としては取っ付きやすくて良い。

  • いろんな時代・テーマ・作者の短歌が紹介されてます。短歌の歴史とか、短歌をつくってみるコツとかもコラム的に書かれてて、面白かったです。

  • 初めて出会う短歌に相応しい有名な歌ばっかり。テーマに分けてあるのもいいし、どの時代の歌かすぐわかるのもいい。

  • 奈良から令和まで詠まれた和歌・短歌をテーマに沿って、100首紹介。

    令和の短歌は一首。
    奈良・平安の和歌は、なんか懐かしい。口ずさむと思い出もよみがえってくる。

    気に入った短歌
    抜かれても雲は車を追いかけない雲には雲のやり方がある      松村正直
    …運転席に置いておこう。

    のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」そうだ、どんどんのぼれ     佐々木幸綱
    …気持ちいいくっきりとした短歌だなあと!

    フォルテとは遠く離れてゆく友に「またね」と叫ぶくらいの強さ     千葉聡
    …高校生に声に出して読んでほしい。フォルテの強さで。

    修学旅行で眼鏡を外した中村は美少女でした。それで、それだけ     笹公人
    …なに、この青春。

    〈生まれたらそこがふるさと〉うつくしき語彙にくるしみ閉じゆく絵本     李正子
    …覚えておこう。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/638457

  • 奈良時代から現代の歌人までの歌がズラリ。
    それぞれのページの見出し部分に、時代のタグがあり分かりやすい。

    昔も今も同じような恋の悩みがあったのだなあと思ったり。

    以下、好きな歌のメモ。

    『観覧車回れよ回れ想い出は 君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)』栗木京子「水惑星」昭和

    ・君は 私をただの友達と思っている。 観覧車に乗った思い出も 君にはただの一日 私には一生の思い出

    『 たとへば君 ガサッと落ち葉すくふやうに 私をさらって行ってはくれぬか』 河野裕子「 森のように獣のように」 昭和

    『 声持たぬ 樹ならばもっと君のこと 想うだろうか 葉を繁らせて』小島なお「 サリンジャーは死んでしまった」平成

    『 フォルテとは 遠く離れてゆく友に 「またね」と叫ぶくらいの強さ』 千葉聡「 そこにある光と傷と忘れ物」平成

    『 遺棄死体数百といひ数千と いのちをふたつ もちしものなし』土岐善麿「 六月」 昭和

    『死にし子の ポケットにある黒砂糖けふの 三時のおやつなりしを』桃原邑子「沖縄」昭和

  • さすがに初めて出会うのではないけど、いい歌が多い。小・中学生で出会っていたらと思うが、歌の良さがわかるのは年を経たせいだろう。しかし、少年時代・青春時代は感性があるので直感で分かったかもしれない。

  • はじめましての歌人に出会いたいときに手に取るのがブックガイド。
    これは小中学生に向けてやさしい言葉で書かれているので歌の説明がとてもわかりやすかった。紹介されている歌は万葉集から2010年以降に出版された比較的新しい歌集までと幅広く、読みたい歌集が増えた。
    ただ、こういうブックガイドを読む度に思うのだけど、既に絶版かつ古書価が高いものも載っているので、入手のしやすさも考慮してもらいたいな。
    佐藤弓生によるコラム『短歌をつくってみよう』もありがたく読んだ。肩肘張らずに、自分にも日常を切り取った歌が詠めそうです。

    《白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう(斎藤史)》
    《この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトルが鳴るよ(佐藤りえ)》
    《星の座を指にかざせばそこここに散らばれる譜のみな鳴り交す(明石海人)》

    **********
    作品の横に作者の略歴も載っていたのだけど、岡井隆の生没年が「1928-2020」となっていたことに少なからず衝撃を受けた。こうして数字で示されると亡くなった実感がわいてくる。

  • 万葉集から現代の歌人までの短歌がテーマ別に並ぶ。大伴家持と俵万智と歌が並んでいるのがとても新鮮だった。

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