いつの空にも星が出ていた

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065212035

作品紹介・あらすじ

好きなチームといる喜び。
光輝くスタジアムの幸せ。

本屋大賞受賞作『一瞬の風になれ』の著者が描く
どこまでも熱くて、かぎりなく純粋な、人生と応援の物語!

「愛すべきチームと愛すべき自分の人生。僕がいつも思っていることがこの本に一杯に溢れていました」
クレイジーケンバンド/小野瀬雅生


物静かな高校の先生。
予備校に通う女子高生。
家業の電気店を継いだ若者。
少年野球のピッチャー、洋食店のシェフーー
一見なんのつながりもない人たちを結んでいる、
強くてまっすぐな気持ち!

「何かのために見るんじゃない。見たいから見るんだ」

なにかを心から「好き」でいる、
すべての人へ贈る爽快な感動!

感想・レビュー・書評

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  • 『一瞬の風になれ』でスポーツ選手の内容だったが、この本も横浜ベイスターズの応援に人生を懸けている人々の熱い内容だった。星はベイスターズに掛けている。
    あまりにもベイスターズを応援しすぎて、人生を棒に振ったり、振りかけたりと激しすぎる。受験の合間にハマりすぎたり、家庭を崩壊させたり、仕事を放り投げて行方不明になったりと。
    ベイスターズのどん底の時代、日本一になった時代、浜の番長の引退の時代、再度、日本一を目指した時代と、それに合わせて短編が綴られる。
    丹念な取材により、当時の熱狂が一球毎に描かれて行く。少年野球の二番手ピッチャーの少年についても、細やかに描写されている。野球好きには堪らないかも知れない。

  • 横浜のプロ野球チームを愛した人たちの物語。

    筆者自身がベイスターズの熱心なファンのようで、野球を、そして地元のチームを愛する熱量が圧倒的。

    横浜ベイスターズの初優勝など、当時の雰囲気と熱狂ぶりを思い出す。
    優勝パレード秘話は実話が元のようで、興味深かった。

    視点人物は野球好きなので、特に説明もなく野球用語や選手名がバンバン出てくる。
    プロ野球に詳しくないと、ちょっとわかりにくいところも。

    プロ野球がキーではあるものの、野球だけの話ではない。
    それぞれの生活があり、悩んだりもがいたりしながら生きる姿がえがかれている。

    熱い気持ちが伝わり、読後感はさわやか。

  • 横浜ベイスターズファンが主人公の物語。
    短、中編それぞれの時代設定が異なっていて、当時の実在の選手もたくさん登場する。
    ファンでなくても何故だか懐かしい気分になった。
    特定のスポーツ、チームを応援している人って、なんだかすごくパワフルなイメージ。
    熱くなれるものがあるっていいな。

  • 去年の夏、ハマスタに観戦に行く前に時間があってうろうろしていたら横浜の本屋でこの本を見かけ、オフシーズンの今思い出してやっと手に取った。

    2023年シーズンからベイスターズファンになりまだまだ浅い私にとって、この本はベイスターズの歴史と歴史的瞬間が目の前に浮かんでくるようだった。(暗黒時代と98年の日本一は何となく知ってはいたけど)

    チケット購入がネットではなく並んで買う描写や、スタジアムに内野自由席などの自由席がある描写など、今とは違う場面が多々あって面白かった。

    特定の球団を熱心に応援してる人にとって、それは生活の一部であり、人生の一部である。行動や人生が左右されることもある。実際に私の姉はオリックスファンで野球のために東北から大阪に引っ越そうとしている。


    熱いベイスターズ(大洋ホエールズ)ファンの物語を読んで、今年も球場に足を運ぶのがより待ち遠しくなった。

  •  横浜is万年最下位と定評を持っているけれど、こんな熱意ある横浜ベイスターズの短編集読んだら、馬鹿に出来ないじゃないですか。応援したくなるじゃないですか。
     それぞれの時代の横浜(かつては大洋)とファンたちの生活。みんな応援したい、絶対勝って欲しい!って気持ちが強い。好きは強い。試合の描写も感情が入っているのもあるにせよ、こっちまで熱くなってくる。
     「パレード」は青春のキラキラと奇跡の優勝に眩しすぎた。「ストラックアウト」は屋根の上での怪しい男との対決にホントヒヤヒヤしたけど、ぐいぐい読ませるものがあった。

  • ベイスターズファンにはたまらん一冊だろうね。
    悪くないんだけど、どうしても児童書的な部分が所々垣間見えてそこがうーん、と少ししらけた。

  • 純度100%の横浜ファンの話を本物の横浜ファン佐藤多佳子が描いたら傑作以外のなにものでもない。

  • 横浜ベイスターズのファンにまつわるショートストーリー。球場に集うファン一人一人に人間模様があり、それぞれがそれぞれの想いをもって応援していることが書かれていて、自分も別の野球チームやサッカーチームを応援しているのでシンパシーを持って読むことができた。98年にそんな事があったとか覚えていないことが多かったけど自分ごとのようにほっこりした気分になりました。スタジアムの空気感とかよく書かれていて同感しながら読むことができた。

  • ブクログのレビューで気になって、読んだ1冊。
    著者初読み。
    長編かと思ってたら、最初から凄い短編で、なかなかつながらないなぁ、と思っていたら、短編でした…
    学校の先生に連れられて、初めてプロ野球を観に行った話、女子高校生が街でベイスターズのキャップを被った青年に出会い、ベイスターズのファンになっていく様子、父親と一緒に電気店で働く青年がひょんなことから、お金持ちの家の留守番を頼まれ、その家の息子と野球を語る様子、野球のコーチをしながら、洋食店を営む父とその息子の物語を通じて、大洋ホエールズ時代から、横浜ベイスターズ、横浜DeNAベイスターズの栄光と影の歴史が描かれる。
    個人的には女子高生が主人公の章が好き。
    何故ならば、私にとっても、1998年は「横浜」の年だと思って、実際に盛り上がっていたから。
    個人的に好きだった佐伯、鈴木尚典、石井琢朗、佐々木、戸叶、ローズの時代から、筒香、宮崎などの今も現役の選手も実名で登場し、野球ファンからすれば、物凄く楽しませていただきました。
    他の方のレビューにもあったけど、確かにベイスターズファンでないとついていけない部分はあるかも。
    難しい表現も少ないので、この作品を読んで、野球ファンになる人が増えたら、嬉しいなぁ。

  • プロ野球横浜ファンにはたまらない1冊だろうなぁ~。
    ベイスターズが川崎に球場があった頃からDeNAの現在迄、その時代時代の短編集。
    ファンって勝てばもちろん嬉しいけど、負けて大好きなんだよねって思う。
    ベイスターズを愛する人たちの野球と日常の結びついいた話の数々がとても面白く良かった。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤多佳子の作品

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