- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065212196
作品紹介・あらすじ
平成の日本経済がなぜ20年も停滞し続けているのか? ひと言で言うと、「デフレ」対策をすべきところを、「インフレ」対策という正反対の経済政策を行っていたからに他ならない。その理由を知るためには、「お金とはなにか?」「税とは何か?」と言った根本的な問題を学び、現代経済の仕組みを知る必要がある。本書では、経済学のことをよくわからないサラリーマンや学生でも、世の中で何となく常識であると信じられている経済政策がいかに間違ったものであるのか、その理由がわかる一冊。日本におけるMMTの第一人者として知られる著者が、「財政健全化しなければ財政破綻する」という常識に真っ向から反論するMMT(現代貨幣理論)についても解説。
感想・レビュー・書評
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【こういう手がありますね】
奇跡の経済教室の漫画版です。
活字を読まない人でも漫画であればとっつきやすいですね。
家計や企業の決算であればわかりやすいのですが、マクロ経済では規模が大きくだれも正解がわかっていないのも事実です。
ただ、デフレ対策が間違っていてうまくいっていないのはよくわかります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長きにわたり日本がなぜデフレから脱却できずに経済成長しないのか?答えは簡単でそれは日本政府がデフレであるにも関わらず、「馬鹿のひとつ覚え」的に増税、緊縮財政、規制緩和などいわゆるインフレ対策を繰り返してきたからに他なりません。筆者はそれを「栄養失調なのにダイエットをしている」というわかりやすい表現を使ってます。じゃあどうすればデフレ脱却ができるか?答えは簡単でいままでやってきたことの逆をやればいいのです。デフレなのだから、減税、積極財政、規制強化をやればいいんです。少し考えてみたら子どもでも理解できますよね。
「貨幣」、「銀行」、「国債」、「税金」についていままで間違って理解してきたことについて詳しく解説されています。政府やマスメディアの言ってることがいかにデタラメで勉強不足なのか思い知らされます。
経済に詳しくない人でも大変わかりやすく読み進めることができると思います。いや、経済のことをよく知らない人たちにこそぜひ読んでいただきたい(これからの日本を担う若い人たちには特に)。
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図書館で借りて返却期限来て途中で返しちゃったけど、わかりやすそうでよかった。次はサラッと読みたい
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分かりやすいMMT
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経済学の入門として相応しい一冊!
さらに、経済学をすでに知っている人でもこの本を読む時間は充実したものになると思います!
読んでいく中で、じゃあこの場合は?こういう時はどうなるの?という疑問が出てきましたが、必ずその次の章で解決してくれます。
読み手が疑問を持つところまで計算してそれをすぐ解決してくれるので、読んでいてとても楽しい気持ちになりました。 -
漫画なのでサクッと読める。気になっていたことを知る、きっかけになる本でした。
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近年読んだ中で最高の本です。
日本経済はなぜ長く停滞しているのか?から始まり、デフレ、お金、国債、税金の本当の意味をわかりやすく解説してくれます。
・デフレで日本は不況だが、政府は真逆のインフレ対策を行っているため、長年デフレから脱却できない。
・新しいお金は現金通貨が発行される時ではなく、銀行が貸出を行い通帳に金額を記載する時に、生まれる。
・日本はいくら国債を発行しても、財政破綻にはならない。
・税金を円で払うことによって、円は価値を持つ。
などなど、今まで学校教育などでは習ってこなかったことや、習ってきたことと逆のことが実は正しかったと知り、衝撃を受けました。
「国債=借金」ではなく「国債=将来への投資」という考え方は、まさに学校教育で習ったことを覆されて痛快でした。
本の話は、経済学者(学校教育従事者やメディアに露出している学者)vs異端の経済学者(筆者) with町民(私たち世論)の構図で話が進むため、元々経済学者の言うことを信じていたが、それが間違いだと気づかされるという点で町民に感情移入して読むことができます。
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●平成10年ごろから本格的にデフレに突入しおよそ20年。他の先進国が経済成長を続ける中、2005年から18年の13年間のデータで日本人の一人当たりのGDP成長率は、OECD 36カ国中35番目ギリシャに次ぐ低い数字だったんだ。
●貨幣は物々交換の不便を解消するために生まれた。これを商品貨幣論と言う。しかしこれは間違いだ。昔は金本位制によって貨幣の価値が保障されていた時もあったが、今はそんな保証はない「不換通貨」お札なんてただの紙切れだ。貨幣を負債の1種とみなす学説を「信用貨幣論」と呼ぶ。貨幣は借用証書なのだ。
●紙幣と硬貨のことを現金通貨と言うが、これは世の中で使われている貨幣全体のたった2割。残りは銀行預金の通帳の残高。誰かが銀行からお金を借りるとき、この世にお金が生まれる。おおざっぱに言えば、借り手の返済能力がある限り、銀行はいくらでもお金を生み出すことができるんだ。
●お金の1つだけの価値。それは通貨は納税の手段であることでその価値を担保している。納税義務を解消することができると言う価値を持っている。税金はその国の通貨でしか支払うことができない。
●お金を借りたい人が多くいて預金通貨が増えるからマネタリーベースが増えるのであって、マネタリーベースが増えるから、お金を借りる人が増えるわけじゃない。
●国債は民間の貯蓄が買い支えると言う所からして間違い。政府が国債を発行しそれが日銀に行き公共事業請け負った企業が銀行で小切手を持ち込む。そして銀行日銀から取り立てる。だから民間の貯蓄に手をつけていない。
●国の借金返済に必要な円は政府がいくらでも発行できる。さらに国債償還費の財源は税金でやる必要もなければ、完全に返済しきる必要もない。永久に借り換えをすることもできる。
●税は決して財源確保の手段としては必要ない。ただ物価調整の手段として必要である。これを機能的財政論と言う。
●昔と違い、グローバリゼーションは時代の必然。世界と戦うには様々な規制をなくさなければならない。さもなければ企業は海外に流出してしまうぞ!これが典型的な脅し。
保護主義を続けて経済成長した国などあるはずがない?実はある。それはアメリカだ。
●ノーベル経済学賞はノーベル賞ではありません。1968年スウェーデンが、ノーベル賞と同じ原則に従って表彰しているもの。
● 1990年以降の経済学のいろんな理論も基礎にあるのは全て「一般均衡理論」なんだ。供給は常に需要を生み出す言う法則に従っている。
●世の中デフレの方が良い連中がいる。すでに富めるものはお金の価値が下がるインフレは嫌だろう。政治や経済界マスコミに影響力があるのは、どういうやつだか考えてみてほしい。
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