静かに、ねぇ、静かに (講談社文庫)

  • 講談社 (2020年10月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784065212387

作品紹介・あらすじ

海外旅行でインスタにアップする写真で本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。SNS短編3部作。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

SNSの影響を鋭く描いた短編3部作は、現代社会の内向きな側面を浮き彫りにしています。海外旅行の写真を通じて「本当」を求める人々や、ネットショッピング依存に悩む夫婦、世間に自分たちの印を見せるために動画...

感想・レビュー・書評

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  • 凄い目線で世間を見てる人だなと思った。世界に広く発信するツールのはずが、どんどん内向きになる。SNSの嫌なとこが1冊に全部詰まってた。

  • これはもう、タイトルが素晴らしいのひと言。
    もちろん中身も大事だけど、「タイトルは最初の一行目」という言葉にもあるように、とても大事。

    時々本屋で見かけただけなのに妙に頭から離れてくれないタイトルとかたまにあるけど、それってもうそれだけでものすごい存在感な訳です。

    S 静かに
    N ねぇ、
    S 静かに

    この本谷有希子さんのセンス、素晴らしすぎる。
    頭文字にしている上に、SNSというモノを上手に表現していて…こういうの大好き。

    初めてそういう意味なのだと知った時からずっと驚愕している。

  • SNSにまつわる短編3編。
    人のしたたかさ、ズルさがにじみ出ている。
    特に開き直った人の恐ろしさが生々しい。
    切羽詰まった時の行動も興味深い。
    ドロドロしていながらも後味は不思議と悪くない。
    新鮮な読後感。

  • 「本当の旅」
    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」
    「でぶのハッピーバースデー」
    の中編3作の総題が「静かに、ねぇ、静かに」。頭文字をアルファベットにすると「SNS」。
    非エキセントリックなもっちん、おまえは子供を作るなと親に言われたもっちん、オロカわいい作風を調整して芥川賞を狙いに行ったもっちん、の、良さも物足りなさも新しい良さも感じられる。
    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」の視点人物の「見方」が好きだ。

  • 読んでいて、見たくないものを見せられている感じが……。

    こうなりたくはないけど、なる可能性はある(ーー;)

    疲れている時や体調が悪い時に読んでは駄目ですね。

    下手なホラー小説より気持ち悪くて、怖かった。

  • 3編からなる短編集。
    一発目の「本当の旅」
    これはもうホラーとしか言いようがない。
    見ていられなくなるような痛々しさ。
    私は1番この作品が好きだったな。

    解説も作品をなぞらえて、
    ウィットに富んでいて面白かった。

  • SNS三部作(と期待して読むとちょっと違うかも。虚構と現実といった感じ。)

    冒頭「本当の旅」のうすら寒〜〜い、痛々しい〜〜感じがもうたまらん。
    SNSでは「イケて」て、他の人とは違う、クリエイティビティ溢れる仲間たち、であるところの40前後男女3人組がクアラルンプールへ旅をするお話。40ってとこがリアルに痛すぎてつらい。
    SNSを、スマホを通して見る自分たちだけが本物。人生は金じゃない、大切なのはクリエイション。写真に写りこんだ冴えないおばさんも、動画の途中で外国語で文句を言ってきたおじさんも、トリミングしてしまえばなかったことになる。大丈夫、マジでチョーイケてる。

    読んでいる間ずっと心がざわざわおしりがモヤモヤ落ち着かない。でも読んじゃう。
    この痛さを真正面から真剣に描くあたり、本谷さんの悪口スキルをひしひしと感じる。
    そしてとっても後味悪い。最後の最後までやってくれるわねという感じ。恐れ入ります。

    3話とも、SNSというよりは何かしらに依存する話かなあ。本当の自分、とは。

  • 2025.5.26. 読了
    3篇ともものすごい面白くて好きだったぁ。
    うすらさぶくて、読んでるこっちが恥ずかしくなるような感じで、恐ろしさもあって、最高の短編集だった!

  • 3つの話からなる短編集

    正直なところ共感だったり、かと言って反感だったりも特になく、ただ不思議な世界観の話だったなぁと言う感想。

    強いてあげれば最初の『本当の旅』が、今っぽいなと。
    40代の男女が旅行をするも、常にスマホをいじる。
    目の前の出来事よりも、加工して投稿することに重きを置いている様はありがちかな。
    何が大切なことなのか、価値観は人それぞれだけど改めて自問する作品でした。

    あとの2作はちょっと私には結末がよく分からなかったです。

  • 日常から逸脱していない所がさらに不気味さを際立たせていました。SNSに夢中になるグループの話がゾッとしました。

  • 「本当の旅」がおもしろかった

    共感性羞恥がやばい
    旅の様子をSNSで撮ることそのものが目的の旅。友達のづっちんを崇拝する主人公。
    気持ち悪い人たちだな〜、という嫌悪感は、自分にもどこかしら彼らの要素を持っていることの表れなのかも。

    とくに、あやしいタクシーに乗って、全然違うところに連れられていくのに、本気でどうにかしようとしないところは、友人・職場・国家などコミュニティに属せばよくあることなんじゃないかなとも思った。

    じっさい、飛行機の墜落事故でも副操縦士や他の乗務員は機長の判断ミスに気づいていても、階級差のある文化の中で指摘ができず、そのまま墜落していくという事故が過去にも多数ある。このように、人が集まることで、意志をなくしていくというのは、決して人ごとではないと思うし、ハネケンのことも笑えないと思う。

    40過ぎにもなってこんなことしてるおっさんやばいやろ、ってゆったらそれまでなんだけど、事実現実にもこういうことって起きてるから怖いと思う。

    この気持ち悪さにどこか既視感があってなんだろうと考えた時に、前に読んだジョージオーウェルの「あなたと原爆」のなかの『象を撃つ』に近しいものがあるんじゃないかと思った。

    『象を撃つ』…町中を暴れる象を撃つことを期待して群がるビルマ人たちの圧力に抵抗できず、本来ならすでに落ち着いていて飼い主に戻すこともできたであろう象を殺めて帝国主義の欺瞞に気づくとゆう話。

    人が集まることで、「文殊の知恵」になることもある一方で、誰も何も考えなくなる危険性を秘めているんだなと、思ったりした

  • 様々なモノに依存する人々のお話。もう気持ち悪くてイタくて見てられない……!なのに先が気になってどんどん読み進めてしまう中毒性。いい意味で不気味な一冊でした。誰かの日常を盗み見たかのようなリアルな読後感です。

  • SNS三部作!と背表紙に、わざわざ書くのがあんまりわからなかった。

    でも、本谷さんの作品の何とも言えない不思議な雰囲気は好き。

    「本当の旅」のあの若者感が凄く妙で、本当にいそう。その内面も上手く表されていて、すげえなって単純に思った。

    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」は、何だろ、これもまたこんな感じの関係ありそうで。
    最後がこんな展開になるとは予想としてなくて…。

    「でぶのハッピーバースデー」の“印”って考えは、ちょっと分かるな。うん。
    何だろ、そこから逃れたいけど逃れられない。
    何でも無いはずで、自分だけがそう思ってるだけで。
    あと、それを言い訳にしてしまっている自分もいて。

    ねぇ。

  • でぶ、どうしようもないな。

    どうしようもない人たちを書くのが上手だな。

    解説も笑った。取り込まれてる感がある。

  • ずっと気味悪くて怖い感じでした

    どの話も淡々と進むけど、後半ジェットコースターのように加速して急ブレーキのように終わるから、その後どうなったのか気になります

    「本当の旅」は読んでいてイライラするし、登場人物も3つの短編の中で一番好感が持てない人たちだったけど、一番面白かった

  • 身の覚えのある人間の滑稽さを、どこまでも意地悪にまっすぐ描く作品。段々と迫ってくるような気味悪さ、違和感、不快感がまるでホラーだった。
    「本当の旅」はこんな40代がいるのかとファンタジーのような感覚に陥った。高校生の間違いじゃないか。これほど自分の感情も意志もなくて友人を崇拝するかのように信じきって生きている大人がいるなんて考えられない。
    でも写真やSNSに現実を感じる場面はあるかもしれない。映える食べ物とおいしい食べ物、映える景色と心の中が凪のように落ち着く景色は違う。けれどSNSで見たものを私たちは実感してみたいと行動する。私たちの世代にとって行動したときに大切なことは感じることと、何より写真を撮ることだ。

    この作品は極端すぎるけれど、でもそういう私たちの生き方の延長戦上にはこの作品の世界があるはずだ。

  • 結末は全て曖昧で想像させる
    1話目が一番ゾクッとした
    SNSのために旅行をしたり、とにかくSNSでしあわせに、たのしそうにみえるために行動をする
    この作品ほどに狂気じみたまで依存しているのは珍しいかもしれないけど、今の若者たちととても重なる部分があった

  • とにかく気分が悪かった。
    とくに1話目。

    それだけ書き方がうまいということだけど
    どうしても好きにはなれず、、

    SNSに振り回されて、
    周りが見えなくなるのだけは
    本当に避けたい。

  • 本当の旅が印象的だった。登場人物3人は恐らく30代で自分と年が近いことや、結婚や子育てをする人生を必ずしも望んでいるわけではないという部分で共感するところが多かった。同窓会に顔を出したら浮くだろうとか、旅は思い通りいかないことを目の当たりにすることを味わうのが目的とか、自分も一度は思ったり言ったことがあるような価値観。自分はSNSでほとんど発信しないタイプの人間なのだが、それがなんでか考えたときに自分の考えや創ったものが肯定されなかった時を恐れているのではないかと思った。ある意味では、自分のSNSで発信しないとい選択はSNSでいいねを貰いたい人と同じ発想なのではないかと思わされた。他者からいいねと言ってもらわないと、守れない自我なのかもしれない。例え誰からもいいねって言ってもらえなくても、見てもらえなくても自分を満足させられるようになりたい。

  • 他人の吐瀉物を見せられているような不快感。岸本佐知子のおすすめじゃなかったら読まなかった。こんなのはリアルじゃない。と思う。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本谷有希子の作品

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