脳から見るミュージアム アートは人を耕す (講談社現代新書)

  • 講談社 (2020年10月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784065214404

作品紹介・あらすじ

ウィズ・コロナの新しい生き方を模索し始めた今こそ、私たちに必要な、脳に効く「美」を求めて、ぜひミュージアムに出かけてみてはいかがだろうか?

実は、ミュージアムは「美」が展示されているだけの場所ではない。知れば知るほど、とてつもなく奥が深い世界なのだ。人類の記憶のアーカイブに潜っていくような、(良い意味での)妖しさ、ヤバさがある。

東京藝大には大学美術館があるが、大学美術館准教授の熊澤弘先生はいわば「ミュージアムの達人」で、世界のミュージアムの成り立ち、展示、ミュージアムの持つ資料から博物館学の実習に至るまで、私が教えを乞うている先生の一人である。

ここからは熊澤先生の力をお借りして、仮想ゲームのミュージアムよりも、リアルなミュージアムこそがはるかに熱いのだ――ということを読者の皆さんと一緒に体験していきたい。言ってみれば、探検家・中野信子が、案内人・熊澤弘先生とともに、ミュージアムの深遠なる魅惑の世界に分け入っていこうというわけだ。

この「探検本」を読み終えるころ、読者の皆さんは、世界各地のミュージアムの歴史やそこに所蔵された作品の面白さはもちろんのこと、その舞台裏で静かに働いている学芸員の役割やアートの鑑賞術などの基礎知識も身につけているはずだ。

ミュージアムは、入る前と後とで物の見方が変わる体験ができる場所だと思うが、この基礎知識を身につけることで、ミュージアムに行く体験自体がこれまでよりもより深まるかもしれない。 (中野信子)

<主な内容>
はじめに ミュージアムは脳に似ている(中野信子)
第1章 ミュージアムの誕生:その華麗にして妖しい魅力に満ちた世界
はじまりは「驚異の部屋」/記憶の三段階/コレクターと「絶対美感」/美術品は誰のものか
第2章 ミュージアム、その陰の部分:論争・ワケあり・ヤバいもの
ナチスに翻弄されたコレクション/マインド・パレスを支配する/学芸員の使命/大量殺人犯の作品の展覧会
第3章 実際に鑑賞してみる:どんな作品をどのように観たらよいか?
中村キース・ヘリング美術館の感性/金沢21世紀美術館の賢さ/正しい鑑賞法なんてないか?/ルーヴル美術館で遭難しかける
第4章 これからのミュージアム体験:アートはなぜ必要なのか?
アフター・コロナの課題/現代アートはわかりにくい?/アートが社会にもたらす絶大な効果
おわりに 日本は世界に類を見ないミュージアム大国(熊澤弘)

みんなの感想まとめ

ミュージアムの魅力とその奥深さを探求する本で、脳科学者と美術史家の対談を通じて、ミュージアムの誕生やその陰の部分、鑑賞の楽しみ方、さらにはアートの持つ社会的意義について考察しています。著者たちは、リア...

感想・レビュー・書評

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  • 猫丸さんの本棚にあって、
    面白そうだなと思って手に取りました。

    脳科学者の中野信子さんは、2018年から
    東京芸術大学でキュレーションについて学び
    共著の 熊澤弘先生 の講義を受けていたのだそうです。
    これは、お二人の対談集の形を取っています。

    中野氏は、ミュージアム(美術館・博物館)の仕事は
    脳のある種の機能に似ていると述べています。
    人生の3分の1を占める睡眠の間
    脳は記憶を整理しているのだそうで、
    その作業は、ミュージアムの裏方の作業に似ていると。
    つまり、ミュージアムでは表に見えないところで
    作品を整理したり研究したり…。
    何年もかけて次の展示会の準備をする作業にこそ
    重要な使命があるから、ということのようです。

    たしかに、私たちが楽しむ展示会は
    キュレーターさん達の大変な努力の上に実現しています。
    膨大な作品を保管し、整理し、展示するという
    お客さんの目に触れない作業は
    見えない頭蓋骨の下の働きに似ているのかも。

    中野氏は、ミュージアムに行くと
    自分の中で化学反応が起こることがあると述べます。
    「明日の私は変わらないかもしれない。
    でも、3年後、10年後の私のために観に行く」
    この考え方、面白いと思いました。
    ずっと前に観た絵がふっと頭に浮かんで、楽しくなったり
    観た時と別の意味を持ったりすることってありますから。

    興味深かったのは、「松方コレクション」の話。
    神戸の実業家・政治家の松方幸次郎さんが
    現地で選んだ名品を購入したものの、世界大戦のため
    敵国財産としてフランス政府に差し押さえられた話。
    これって、原田マハさんの
    『美しき愚か者たちのタブロー』に描かれていた世界!
    大感動して読んだマハさんの作品 ☆彡

    熊澤氏は、こう力説します。
    「ミュージアムを衰退させてはいけない。
    なぜなら、ミュージアムは
    人間世界の文化・歴史の森羅万象を記録した
    『脳』のような場所だから」と。
    時間を見つけて 観に行くしかないですね。

    追記:
    昨日レビューにあげたばかりですが、 
    松方さんの絵画購入経緯について
    内容に間違いがありました。
    それで、児島虎次郎さんのお名前を削除しました。
    児島氏は大原美術館を創設した大原孫三郎さんから
    留学支援を受けた方でした。
    大原氏と松方氏、お二人のコレクターの経歴が
    混ざっちゃった~~のです。
    すみませんでした _(._.)_

     

    • ☆ベルガモット☆さん
      yyさん、こんばんは☆

      こちらの本も面白そうですね。近所の図書館にあったので読みたい本リストにいれておきます。
      なんとなーくしか絵画...
      yyさん、こんばんは☆

      こちらの本も面白そうですね。近所の図書館にあったので読みたい本リストにいれておきます。
      なんとなーくしか絵画は観ていないのですが、yyさんのお言葉「ずっと前に観た絵がふっと頭に浮かんで、楽しくなったり観た時と別の意味を持ったりする」にうわーっと納得、同感です!
      2023/07/17
    • yyさん
      ベルガモットさん

      本棚を見てくださって嬉しい☆彡
      ただ、この本、ベルガモットさんの期待にそえるのかな。
      どうなんだろう?
      こんな...
      ベルガモットさん

      本棚を見てくださって嬉しい☆彡
      ただ、この本、ベルガモットさんの期待にそえるのかな。
      どうなんだろう?
      こんなこと書くの、いけないかもね。
      でも、期待して本を開くと少し違うかもと不安になったので。

      原田マハさんの『美しき愚か者たちのタブロー』、
      もしもし…まだでしたら、先に読まれた方がいいかもです。
      余計なお世話、ごめんなさいね。


      2023/07/17
    • ☆ベルガモット☆さん
      yyさん、お邪魔します。
      ご助言ありがとうございます!取り寄せてちょっと違ったらそっと返しておきます(失礼)。原田マハさんの『美しき愚か者...
      yyさん、お邪魔します。
      ご助言ありがとうございます!取り寄せてちょっと違ったらそっと返しておきます(失礼)。原田マハさんの『美しき愚か者たちのタブロー』の方がおススメですかね。結構大作ですなあ、400頁読めるかしら?
      2023/07/17
  • 書評『脳から見るミュージアム~アートは人を耕す~』 – NEWS SALT(ニュースソルト)
    https://www.newssalt.com/36011

    脳から見るミュージアム | 現代新書 | 講談社
    https://gendai.media/list/books/gendai-shinsho/9784065214404

    『脳から見るミュージアム アートは人を耕す』(中野 信子,熊澤 弘):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000346123

    • yyさん
      猫丸さん

      この本、面白そう♡と思って、ポチッとしました。
      届くのが楽しみです。

      そして、たくさんの いいね をありがとうござい...
      猫丸さん

      この本、面白そう♡と思って、ポチッとしました。
      届くのが楽しみです。

      そして、たくさんの いいね をありがとうございます。
      ハッピーな気持ちになりました☆彡
      2023/02/28
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      yyさん
      中野信子って着眼点が面白いですよね(「怖い絵」の中野京子も)

      yyさんがニル・ベルクマン「旅立つ息子へ」を挙げてくださったので、...
      yyさん
      中野信子って着眼点が面白いですよね(「怖い絵」の中野京子も)

      yyさんがニル・ベルクマン「旅立つ息子へ」を挙げてくださったので、偏見からスルーしていた作品に興味が!有難う御座いました、、、
      2023/02/28
  • 脳はミュージアムだったーー『脳から見るミュージアム』を読んで考えたこと

    『脳から見るミュージアム アートは人を耕す』(中野信子・熊澤弘)を読んで、「脳科学者の中野信子さんが、どうしてこんなにアートを語れるんだろう?」という興味から手に取った一冊が、私の美術館との向き合い方を大きく変えてくれました。

    本書では、人間は太古の時代から貝殻を飾りに使ったり、縄文土器や火焔土器のような「美」を感じさせるものをつくってきた、と語られています。
    生きるために必要だから、というよりも、「きれいだと思うからつくる」という行為が、そもそも人間の特徴なのだと。

    その延長線上に、いまのミュージアムがあります。作品や資料が並ぶその場所は、人類の記憶をしまっておく“脳”のような存在だという視点が、とても印象的でした。

    「何も生み出さないもの」をなぜ残すのか

    同時に、本書はこんな問いも投げかけてきます。

    一見すると何も生み出していないように見えるものを、どうしてわざわざ集めて、ミュージアムにしてまで保存しているのだろう?

    たしかに、ミュージアムは直接お金を生み出す場所ではありませんし、なくても毎日の生活は回っていくように見えます。
    それでも、たくさんの人とお金と時間をかけて、作品を収集し、保管し、展示し続けている。

    中野さんは、その意味を「脳」にたとえます。
    脳もまた、ボーッとしているときですらフル稼働していて、人間のエネルギーのかなりの割合を使っています。それなのに、すぐに“成果”が見えるわけではありません。

    最近の研究では、人類の脳の容積は3万年前と比べて少し小さくなっているという話も出てくるそうです。生き延びるために必要な機能以外から、少しずつ削られていくように。
    もし社会の中で「見えにくいけれど大事なもの」をどんどんカットしていったら、脳が縮むように、国や人類の豊かさそのものもやせ細ってしまうのかもしれません。

    「問をたてながら観る」という、鑑賞のヒント

    本書の中でとても好きになった言葉が、「問をたてながら観る」という鑑賞のしかたです。

    私たちは学校で、美術をこんなふうに習ってきました。

    誰が、いつ、どこで描いた作品か

    どんな時代背景があるのか

    どの美術史上の流れに位置づけられるのか

    もちろんこれも大切なのですが、気づけば「この画家知っている」「この作品は有名だ」といったレッテルで作品を見てしまいがちです。

    そうではなくて、

    私はこの作品のどこに目がいったんだろう

    なぜここが好き/なんとなく苦手だと感じるんだろう

    どうして作者はこんな表現を選んだのかな

    と、子どものような素朴な問いを、自分の中に立ち上げながら観てみること。
    そうすると、美術館で過ごす時間が、知識の確認ではなく「自分の感性と対話する時間」になっていく気がします。

    これからの美術教育は、感性を押しつぶさないように、むしろ育てていく方向に変わっていくといいな、とあらためて思いました。

    倫理ではなく「美意識」で考えてみる

    今回一番心に響いたのは、行動の基準についての話でした。

    中野さんは、「行動の規範を“正しい/正しくない”ではなく、“美しい振る舞い/醜い振る舞い”で考えてみる」という提案をしています。

    自分の欲を少し節制してみることや、相手を思って品よく振る舞おうとすること。
    それを「倫理だから守るべき」と言われると、どこか“お勉強”のように感じてしまいますが、

    それって、美しいかな? それとも、ちょっと醜いかな?

    と自分に問いかけてみると、すっとお腹のあたりに落ちてくる感じがあります。

    正直なところ、「みんなで倫理観を学びましょう」という言葉に、私はずっと少しだけ違和感がありました。
    頭では大事だとわかっているのに、どこか窮屈なような、壁を作られてしまうような感覚があったからです。

    そこで出てきたのが、「美意識」ということばです。
    私たちがこれまで出会ってきたアートや、風景や、人のふるまいが、「美の記憶」として心のどこかに残っている。
    その一つ一つが、これから自分がどう振る舞うかを考えるときの、静かな物差しになってくれるーー。

    この考え方に触れたとき、今まで言葉にならなかったモヤモヤに、ようやく名前がついたような気がしました。
    「倫理を学ばなきゃ」と力むのではなく、自分の中の美意識を少しずつ耕していくこと。それなら、私も続けていけそうだなと思えたのです。

    何度でも生まれ変わるために、美術館へ行きたい

    中野さんは、アートは10年後、50年後、100年先の社会の安定のためにも必要だと語ります。
    美を持たない種族より、美を持っている種族のほうが、生き残る可能性が高いのではないか、と。

    そう考えると、「役に立たない」と見えてしまいがちなアートやミュージアムも、私たちが人間らしく生き続けるために、実はとても大事な場所なのだと感じます。

    同じ美術館に何度行っても、そのたびに違う問いを持って作品の前に立てば、
    人は何度でも、少しずつ生まれ変わっていけるのかもしれません。

    この本は、そんなふうにアートと向き合っていくための、私にとっての「道しるべ」になりました。
    次にミュージアムへ行くとき、あなたはどんな小さな「問い」をひとつだけ持って、作品の前に立ってみたいですか?

  • 中野信子さんは今、東京藝術大学大学院でお勉強されているそうです。
    この東京藝術大学大学美術館准教授熊澤弘さんに
    ミユージアムという世界にいざなっていただく
    時々信子さんの脳科学的な話を入れながら、という本。

    「皆さん、実際にミュージアムに足を運んでね」
    ということだと思います。

    アムステルダムに行ってみたくなりました。
    行けるかな、いつか。

  •  脳科学者と美術史家のお二人の対談形式の本です。

     ミュージアムの誕生史から陰の面まで、
    鑑賞の楽しみ方から体験することの意味まで語られています。

     沢山のアーティスト名が出てきて、ネットで作品を検索しながら楽しく読めました。

    ライトな本♪

  • 森美術館の売店で買った一冊。話題の脳科学者が東京芸大美術館の先生に聞く形式の美術館・博物館についてのお話。脳科学はあんまり関係なかった。中野信子さんは最近、東京芸大のこの先生の学科の大学院に入学したそうです。
    学芸員の仕事とか「コレクション」の意味とか書いてあります。ところでこの本を買った森美術館や近所の新国立美術館は自分ではコレクションや常設展がない「箱だけ」美術館なのだけどこの本の定義から言えば美術館としては半人前ですかね。学芸員とかはいるのだろうけど、企画展の準備専業なんだろうな。

  • 目先の利益より先を見通す力を養う。それがミュージアムに触れる意義である。倫理や、正しい表現より、美しい振る舞いが大切になる。

  • めちゃ面白かったです。

    脳科学者の中野信子さんと、東京藝大大学美術館准教授の熊澤弘さんとの対談、という本になるかと思うのですが、体裁としては。

    熊澤さんの博物館とはなんぞや?の講義を、中野さんが生徒として受講する、みたいな感じ、だと思います。

    ただ、熊澤さんが「博物館とはこーゆーものなんですよ」と、中野さん(と、この本の読者)に教えるのとは別に、中野さんも「脳科学的見地から見ると、博物館って、コレコレこーゆーものだとも言えますよね」と、熊澤さん(と、この本の読者)にも教える、という体裁にもなっている。

    即ち、熊澤さん(主)→中野さん(従)という単純な構図になっているわけではなくて、熊澤さんと中野さんの対談が、エエ感じに相互補完、相互補助の関係になっているんですよね。

    で、お二人が、お互いに対して敬意を持っていることが、見事にお互いの口調から感じられる、という、なんとも読んでいて心地よい、温かな関係性を感じられる一冊なのです。こういうの、なんか、すっごく良いなあ~ってね、思いながらね、読んでおりました。

    ちなみに、自分は、ミュージアムには、いわゆる博物館、美術館、みたいな所には、ほとんど行ったことがないです。図書館と映画館には、ガンガン良く行くんですが。ちょっとジャンルが違いますよね笑。

    ですが、もうね、こういう良書を読むと、こらもう行かなきゃ博物館!とかね、ガンガン思う次第ですね。というわけで、ちょっと新型コロナウイルス禍が落ち着いてきたら、是非とも行くぜ博物館。美術館。間違いなく、そう思いました。そういう気持ちにさせてくれたこの本は、間違いなく僕にとっては、抜群の良書でございましたね。いやあ、エエ本だったなあ~。

  • 脳科学者と藝大美術館の先生による対談。ミュージアムの成り立ちとか、意義とか、絵の見方等の広い話題が、とても面白かった。

    脳が美をどう捉えるかを知る本かと思ってたけどそちらはやや薄め。でも無問題。

  • 前書きが一番楽しかったです。

    もう少し、脳科学者としての観点からアートを話してほしかったなと思った。

    美術館を脳に例えらメッセージは、読む前から割と想像できてしまう。

  • 美術館の意義や楽しみ方については参考になったが、脳科学との関係性は全くわからなかった。

  • 978-4-06-521440-4
    C0270|860E.


    脳から見るミュージアム
    アートは人を耕す
    中野信子 熊沢弘

    講談社現代新書2592.
    2020年10月20日第1刷発行
    著者:中野信子 熊沢弘(なかの のぶこ ・ くまざわ ひろし)
    発行所:株式会社講談社

    手にした理由
    脳科学者の中野信子さんの本だと思って、目次をみて興味を持ち手にしました。
    評価の理由
    対談形式で自分の好きではない形式でした。
    もしタイトルに「対談」という文字があれば手にすることはなかったでしょう。

    内容は興味深いこともたくさんあり、コラムは読みやすかったです。
    アートに興味は薄く、博物館の歴史や成り立ちは雑学的な興味で読みましたが、それを知りたいがためにこの一冊を手にしたのかと言われれば答えは「ちがいます」ということだし、芸術の話なのか、博物館関係の話なのか、脳の話なのか、主語を探りながらの上、お互いにゆるく肯定しあうという・・。
    興味のある所だけツマミ食いで読みましたが、著者さんたちの「私は、こう思う。これについてはこう感じる、こう考える」的な事柄はさっぱりで残念でしたw



    目次(抜粋)---------------
    はじめに
     1 ミュージアムの誕生 
     その華麗にして妖しい魅力に満ちた世界
    ・作品よりもミュージアムが注目されるとき
    ・始まりは「驚異の世界」
    ・インスタは現代版ヴンダーカンマー
    ・死後の整理から始まった大英博物館
    ・「秘宝」から「会いに行ける美術品」へ
    ・万国博覧会の歴史
    ・記憶の三段階
    ・日本のミュージアムの起源
    ・「薬品会」と「物産会」
    ・コレクターと「絶対美観」
    ・わすれないための場所
    コラム-日本に「博物館」が登場するのはいつ?
     2 ミュージアム、その陰の部分
     論争・ワケあり・・ヤバいもの
    ・ナチスに翻弄されたコレクション
    ・コレクターと館長の力
    ・クレームとの闘い
    ・作品の意味、恐ろしさがわからない世代
    ・新たな意義を見出す学芸員
    ・学芸員の使命
    ・断捨離はしないほうがいい?
    ・「敵の視点」を紹介する余裕
    ・大量殺人犯の作品の展覧会
    ・まさに「お蔵入り」
    コラム- 原爆投下-同じモノでも収蔵・展示の違いで意味は変わる
     3 実際に鑑賞してみる
     どんな作品をどのように見たらよいか?
    ・初めての美術体験
    ・感じ方が変わる
    ・自分の中で化学反応が起こる
    ・ミュージアムとギャラリー
    ・ミュージアムのおもしろい取り組み
    ・金沢21世紀美術館の賢さ
    ・コレクションが売却されないように
    ・ルーヴル美術館で遭難しかける
    ・大英博物館の彫刻は漂白されている
    ・地方のミュージアムの常設展がいい
    ・情報には縛られなくていいが、重要なもの
    コラム- 東京芸術大学にはどんなコレクションがあるか
     4 これからのミュージアム体験
     アートはなぜ必要なのか?
    ・アフターコロナの課題
    ・10年後、幸せに生きていくために必要
    ・アートは人を耕す
    ・アートとは何か
    ・キュレーターは黒子か
    ・どのようにして批評家は批評家たり得るのか
    ・日本人は毒気を抜かれている
    ・脳のアートする領域
    終わりに
    ------------------

  • 博士後期課程でキュレーションを学ぶ脳科学者の中野さんと、博物館学等を専門にする熊澤さんの対談。驚異の部屋を意味するヴンダーカンマーから始まった西洋の博物館という仕組みがどのように日本に受容されたか、教育や国威発揚といった政策としての博物館、性的なあるいは冒涜的な作品を展示し物議を醸した展覧会、所有者と作品がそれぞれブランディングしあう関係などなどをテーマに脳科学の話を交えて語る。
    明日の自分ではなく10年後20年後の自分にインパクトを残すため博物館に行く、これ賛同。

  • 脳科学視点の考察は余り無かったが、熊澤先生のミュージアム講義目当てで手にしたので満足(*‘ω‘ *)。体力が無く、美術館巡りや生講義の受講は実現が難しい自分のような素人学習者にとって、こういった良書は光明。

  • 近くのミュージアムに行ってみたくなりました!改めて鑑賞すると新たな発見や今すぐ何かにならなくても何年後、何十年後かに価値があるものに変わるかもしれないと考えると鑑賞することが楽しみになりました。

  • 脳科学者の中野信氏と西洋美術史・博物館学が専門の芸大美術館准教授熊谷氏による対談形式の本。ミュージアムの成り立ちから、普段は表に現れないミュージアムの実際の姿(見えない所で何が行われているのかや、学芸員の役割・存在意義等)、ミュージアムの公的な役割、美術品の来歴の重要性等、これまであまりよく知らなかったことを知れて、展示会等で訪れた時にミュージアムの見方が変わると思う。
    「アートは、明日の自分は変わらないかもしれないが、3年後、10年後の自分のために観に行く」本当にそうだなと思う。

  • 二人の美術談義。特にミュージアム批評は面白いです。
    ハーグ市美術館に行ってみたい。

  • 「脳」の要素はあまり必然性を感じなかったので、藝大の先生が単独で同じ内容をもっと掘り下げて、かつ説得力のあるエビデンスを付けて1冊書き上げて欲しい気持ちに駆られました。

    西洋と日本のミュージアムの歴史、西洋の価値観によって“選ばれる”持たざるものとしての東洋、ヨーロッパにとっての「黄金の世紀」に対するアムステルダム博物館の取り組みなど、面白くてタメになったことが沢山ありました。

    この本は脳科学者と藝大の先生との対談形式です。
    対談形式の新書の嫌いなところは、ノリで口から出たような不確かなこともそのまま“新書=お手軽な入門書”という世間的位置付けのある新書に載っちゃうところです。著者が厳しい目でチェックしてれば話は別ですが…。

    この本にも、美術シロウトの私でも「エビデンスは?」と問いたくなるような会話があって何だかなと思いました。ミュージアムの歴史・基礎知識的な部分ではなく、現代アートの話において。
    「カナダでは日本のアニメは児童ポルノ扱いだ」という一文があり、私は日本のアニメ全般がカナダでは放送禁止になっているのかと驚きました。しかしネットで「カナダ 日本のアニメ」で検索するとコスプレしたカナダ人の写真は出てくるし、カナダに留学したらめっちゃアニメの話振られて困ったとか出てくるし、真実はどこ?一部のコアなアニメが児童ポルノ扱いになったのを大きく言っちゃったの?それとも保護者たちはそう思ってますっていう井戸端会議?なんなの?と気持ちが迷子になりました。注釈でもいいから説明があってほしかったです。

    「日本人のアートを世界に対して高く評価する権威のある日本人批評家が出てほしい」(意訳)的なくだりがいちばんよく分かりませんでした。
    西洋人に対して権威のある、西洋から好まれる価値観を持った日本人批評家がいたとして、それは西洋人の批評家とどう違うのか?日本人だから日本人を贔屓するの?
    「日本人のアートを世界にちゃんと売れる人」って言うけど、世界に売れようとしたらもう“世界でウケるもの”を世界の価値観に合わせて作るしかないんじゃないの?そういうのが世界で本当にウケるかは知らんけど。

    「西洋の価値観で選別される」ことに抵抗しつつ「世界で売れたい」「英語圏で評価されるには日本はガラパゴスすぎ」(意訳)的なことも言う。フワッとした感じで会話が終了してモヤっとします。もっと掘り下げて欲しかったです。
    「日本のアートシーンはこんなんなんだよ」って世界に紹介したときに、その人が“権威のある批評家”なら“世界”が耳を傾けるが、権威がなければ“世界”はスルーするってこと?…と自分なりには解釈してみましたが…。その人が権威を獲得するまでの段階で日本を捨ててそうだな…。

    なおこれは個人的な嫉妬心ですが、脳科学者がちょいちょい読者に対してマウンティングのような言動を取るのもなんだかなと思いました。

  • 現在(2024年4月)開催中の「吉原展」を近々やることを熊澤先生が示唆していてお!と思ったら、この本は2020年に出版されていたんですね。企画展って4年前から企画されているものなのですね…

  • 尊敬する中野信子先生が気づいたら藝大大学院で、脳とアートについて学んでいらっしゃって、こんな本を出していたとは!
    美しいものに価値をもてるのはホモサピエンスだけで、美術館や博物館は,その美しいものや、人の叡智を記録した脳のような存在。
    ミュージアムに行くと必ず化学反応が起き、すぐに影響はないが、将来必ず変わる。ということは、子供達にこそ、将来に対する投資として、もっとアメリカのように自由に観る機会を与えたい。
    おすすめ方法は、なせ?って、問いを持って観ることとは、まさに速読や仕事と同じ。最初はなにも先入観なしで観ても良いが、なぜだろうと後から考えてみる。
    子供に対して、学力以上にアートのリテラシーが一番親の影響があるのでは?と言われると、胸が痛い。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野信子の作品

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