女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 136
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065215579

作品紹介・あらすじ

如何にモテるか――それだけをこの胸に問い続けて、今日まで生きてきた。この本の主成分は、これまで恋に関して沈黙するしかなかった有象無象たちの涙なのだ。
「有象くん」と「無象くん」というフツーの男子大学生をはじめ、女の子たちをめぐりもろもろ事件が起きる春夏秋冬のエピソードが綴られる連作短編集。「イケメンくん」に「二番手くん」「ダンベル先輩」「抜け目なっちゃん」、「都合良男先輩」などキャラクターを強調された登場人物たちの悲喜こもごもが描かれる青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 有象くんと無象くんのかなり冴えない大学生活

    コミカルテイストでずっと笑えるし、ときどき人生の肝のようなものがバスっと出てくるので侮れない。有象無象は文学部なのでときどき文学話もあり。(でも合コンでクッツェーの話をするのは…(;'∀'))

    女王ちゃんにビッチちゃん、女子がみな逞しい。内容を忘れてまた読んで笑いたいな。

    タイトルと可愛い表紙から中学生か高校生の甘酸っぱい話かな?と思っていたら舞台は大学!「大学生にもなって『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』なんて!アホか!」とうっかり声が出ました。読み始めが自宅でよかった。

    ミスコンがあったり、出てくる単語(パンティとか)、男子たちの行動が少し昭和~平成初期っぽいかなー。

  • 「絶対に医療崩壊はさせない!」元警視庁公安・廣瀬知剛は新型コロナとどう戦うのか?

  • うん。
    男の本質ですよね。
    共感できてしまうんです。
    バカですから

  • くっだらね〜、故に最高。

    まぁ、男なんて、女なんてそんなもんよ。

    僕は誰ともお付き合いをした事がないので、本書で言うならば、有象くん、無象くんの立ち位置。

    そう、この物語の登場人物の名前もまた良いのだ。
    まさに、名は体を表す。
    ビッチちゃんとか、オレ様くんとか。わかりやすいw

    誰しもが身近に、あぁ、あいつだなぁみたいに思い浮かぶ人がいるのでは無いだろうか。

    内容は、青春の頃の男と女のあれやこれや。

    凄く脱力して読めて面白い作品でした。

  • めちゃくちゃ面白い短編集。こんなふざけた小説なかなか無いよ。東山彰良が本気でふざけるとこうなるのか。人物の名前も有象くんとか無象くんとかビッチちゃんとかマジでふざけてるんだけど、なんというか名前は記号でしか無いんだな。こんなにふざけてても感情移入はできるし、名前が有象でも読者にとって特別な登場人物にはなる。名は体を表すようでいてそうではないし、ここがすごく実験的で良かった。「流」であんなに覚えにくい名前使いまくらなくても良かったのでは?と思った。めちゃくちゃ面白かったんだけどサクサク読み進められなかったのは1話1話のエネルギーが強すぎたからの気もする。

  • 最近文庫化されたので、その紹介でタイトルを見て読んでみました。
    高校生のおバカな男子の話
    ちょっと例は古いですが、"走れタカハシ!"みたいな
    って思ってたら、
    大学生の、もう少し変わった話でした。
    主人公は同じながら、短編形式
    その第1作が変わりすぎてて…

  • 大学生の日常に起こるさまざまな出来事をとても生々しく描いた作品。この作品のおもしろさは、登場人物たちの名前が「その人物が持つ特徴+ちゃん・くん・先輩」であること。主人公たちは有象くん・無象くん。イケメン君や医学部のエース君、女王ちゃん、ダンベル先輩、本命ちゃんや二番手くん、引き立て役ちゃん、俺様くん、都合良男先輩、勘違い先輩、束縛君、ビッチちゃん、抜け目なっちゃん、十年一日くん、十把一絡げくん…。おもしろかった。

    p.137 一方、無象くんは質入れしたクロムハーツのことが頭から離れなかった。そして、なぜあんなものがあんなに気になるのかを考えた。欲しくて欲しくて、大骨折って手に入れたわけではない。有象のやつがあんなにも夢中になるブランドだったから、ギャンブルで買ったあぶく銭でなんとなく買ってみただけの話。なのに店員におだてられてそれを首にかけた途端、有象の欲望が自分の中にどっと流れ込んできた。その激しさときたら、軽いめまいを覚えたほどだった。すると、そのペンダントが突如無象君のずっと欲しかったものに変わった。持っていて当たり前のものになった。有象が持っていないものを俺は持っている。ショップの鏡に映る胸のダガーペンダントをうっとりと見つめながら、無象君は有象君より少しだけ立派な人間になれたような気がした。多分、人間というのは他人の欲望を真似るようにできているのだ。走りながら、そんなことを考えてそんなことを思った。だとすれば、他人の欲望はまるで俺になり変わろうとする影法師みたいだな。

  • 気楽に読める本で、バカバカしくて面白かった。

  • 有象くん無象くんの大学生活。短編で話は進み、恋が関係している。東山さんの文章にはユーモアがあった。

  • 気楽に楽しく読めました。

    大学を卒業して早4年。当時私も主人公達のような「有象ちゃん無象ちゃん」でしたので、登場人物の所謂「陽キャ側の人間」への感情や評価などは「わかる〜それな〜」とそれこそ大学生のような感想で読んでいました(笑)
    その辺りの、偏見であると分かっては居るが的を得ているだろう、という感覚がとてもリアルで、有象無象として大学生活を送った人にとっては身近に感じる小説なのではないかと思います。

    そんなリアルの中にも、フィクションならではの要素(妖魔に憑依されたり、やたらと足の速い亀がいたりetc...)が盛り沢山で、漫画を読むような感覚で楽しめました。

    内容とは対照的に、難しい語彙や表現もありましたが、Kindleの辞書機能で調べつつ読んで勉強にもなりました。
    気軽に本を読みたい人にお勧めしたい1冊です。

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著者プロフィール

1968年台湾生まれ。福岡市在住。2002年に第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞し、翌年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビュー。『路傍』で第11回大藪春彦賞、『流』で第153回直木三十五賞、『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞、『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞。そのほか『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など。

「2022年 『Turn! Turn! Turn!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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