凪の残響 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065216101

作品紹介・あらすじ

クリスマスムードのショッピングモール。

そこに入っているカフェとアクセサリーショップで、2本ずつ人間の指が発見される。
指の持ち主はまだ生存しているのではないかと推理した如月塔子は捜査を進めるが、犯人の目的はあまりにも不可解だった。

感想・レビュー・書評

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  • 麻見和史『凪の残響 警視庁殺人分析班』講談社文庫。

    シリーズ第11弾。リーダビリティが高く、毎回楽しみにしている警察ミステリー小説。冒頭から異様な事件の発端が描かれ、瞬時に物語に引き釣り込まれた。前作の『鷹の砦 警視庁殺人分析班』をシリーズ最高傑作ではと評価したが、本作は前作にも優るとも劣らない面白い作品であった。

    都内の青海地区にあるショッピングモール内のカフェで客の男が飲み残したクランベリーソーダのグラスの底に沈む切断された二本の指。同じショッピングモール内のアクセサリーショップにも同じ風体の男が二本の指を残し立ち去る。何者かに監禁され、左手の五本の指を切断された女性……警視庁捜査一課の刑事・如月塔子と鷹野秀昭がこの残虐で奇怪な事件に迫る。

    やがて、監禁されていた女性は遺体となり、公園に遺棄される……犯人からの警察への挑戦状。再び起きた同様の殺人事件。犯人の目的は……

    本体価格780円
    ★★★★★

  • あるショッピングモールで切断された指が発見された。
    塔子たち十一係が事件の担当となったが。
    今回は動機も指を切り落とした意図や犯人像もわからず捜査はは難航。
    本作は、所々にヒントが散りばめられ、犯人探しができる推理小説としても面白く読める作品だと思います。

  • 警視庁殺人分析班シリーズの11作目。WOWOWのドラマで「石の繭」、「蝶の力学」を見ていたが、本を読むのは初めて。木村文乃演じる如月塔子シリーズでもある。父の後を追って刑事になった塔子の成長ストーリでもある反面、猟奇的殺人犯を犯罪の筋を刑事達が読んでいと言うストーリとしても面白い。普段は原作を読んで映画を見るパターンの逆はあまりしないけれど、犯人の犯罪に至る心理描写が巧みなのでドラマ化されてない本作を読んでみた。後書きにシリーズのベスト3に入るとあるが、2作に比べてストーリに深みがなかったので肯けなかった。

  • 青海のショッピングモールのカフェでクランベリーソーダを頼んだ男がいた。店員は男を不思議そうに観察していて、男が店を出たあと、片付けに近づくと、クランベリーソーダが入っていたグラスの中には人間の指が2本入れられていた。
    同日、そのすぐ後、アクセサリーショップにも男は現れ、立ち去った後には同じように指が2本置かれていた。
    始まりは唐突に。クリスマスも近い時期。
    男による大胆な行動。その後見つかる指を切られた遺体に忍ばせていたメモリーカードに録音された謎のメッセージ。
    犯人の意図がずっと分からず、手詰まり状態で、今回は鷹野主任も塔子へお前の筋読みはないか?と何度も尋ねる場面があった。
    シリーズが始まった当初では考えられないが、鷹野や他のメンバーからも意見を求められるようになっている塔子の成長、その問に自分なりの考えを巡らせる考察力、本当に成長したなぁと感じながらシリーズの長さも感じられ嬉しく思った。
    最後に行われる犯人への調書は、塔子の独壇場だった。トクさんの最後の〆も良い。
    塔子の語る、犯人の行動の理由はこうだったんじゃないですか?というのを読んでいくと泣けてくる。犯人は残忍であるが残忍になろうとしてなりきれなかった人である。
    地理を使った捜査はお見事、と思った。

  • 今回の動機も復讐で劇場型犯罪ではあるのだけれど、犯人が今までで一番自暴自棄というところにハラハラしました。
    目的が果たせるなら自分はどうなってもいい、そんな無敵の人には捜査一課も手こずります。でも犯人の目星は着く…様子がおかしいから。これまでの傾向で、必ずどこかに出てきてる人だと思って読むようになりました(名前に恥じないようにがんばる)。

    殺人分析班シリーズの犯人たちってわりと爆破しがちな気がするけどそういうもの??
    カーチェイス、犯人のランドクルーザーに覆面パトカーぶつけるなんて如月さんやるなぁ。相手は頑丈なので接触したまま幅寄せされてたけど。そしてヘリコプターでトクさんや尾留川さんたち登場。大掛かりでした。

    それにしても、鷹野vs河上気になる……如月さんの朴念仁!とツッコんだのも束の間、河上さんぐいぐいくるやん……如月さんそれ猫じゃないよ……えっ鷹野さん牽制しにいくんだ、しかも風景撮りまくりつつ写ってしまうものはしょうがない、って。。
    トレンディドラマ脳じゃなくともこれはそうでしょう。如月さんが鷹野さんにドギマギするみたいな描写見なくなったなと思ってたらこっちかぁ。ドラマ完走済なので、バディの行く末薄っすら知ってるとちょっと切ない…

  • シリーズ11作目
    3.5くらいかな

    解説の人はシリーズベスト3に入ると評価してる。

    クランベリーソーダの中から切断された二本の指、
    立て続けに近くのアクセサリーショップでも二本の指が発見。
    嘲笑うかのように犯人は遺体の在り処を告げる。

    そして、再び四本の指が発見され、その後遺体も発見される。 殺人分析班が後手後手に翻弄される。

    暴行を加え生きたまま指を切断する犯人、指を切断する目的とは?

    トルクというキーワードは何を意味するのか?

    今回もさくさくっと読みやすかった。

  • ここまで読み進めてきたら、めちゃくちゃ登場人物に感情移入し始めてきた

    鷹野、塔子、河上さんの関係が気になってくる笑

  • 切断された二本の指がクランベリーソーダに沈められていた。
    如月塔子は被害者救出に奔走するも、嘲笑うかのように犯人は遺体の在り処を告げる。
    だが、なぜか遺体からは親指だけが見つからず、代わりに警察に対する異様な音声メッセージが残されていた。
    犯人の恐ろしい狙いとは。

  • 鷹野VS河上!?もっと見たい

  • 心理的描写よりも淡々と物語が進んでいくパターン
    でも それがより情景を想像でき楽しく読める。
    人物たちも個々それぞれ特徴があって愛おしい。

    今回も楽しく読みました!
    河上と鷹野のやりとり、最高にジレるー。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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