カラー図解 地球科学入門 地球の観察――地質・地形・地球史を読み解く

  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065216903

作品紹介・あらすじ

地球科学の第一人者である平朝彦先生と海洋研究開発機構がタッグを組み、これまでの知見や資料を網羅した「地球科学」の決定版!

地球とはどんな惑星なのか! 地球誕生から大陸の形成、プレートテクトニクスから日本列島の誕生。
陸上から深海底までを、現地でのフィールドワークによる貴重な写真・動画とともに、「地質・地形・地層」から、その成り立ちを徹底解説していく。

ハワイ・マウナケア火山の現地調査ではドローンを使った空撮による詳細な解説。四国・四万十帯での地層解説とその成り立ちについて、さらに海洋研究開発機構(JAMSTEC)が所有する「しんかい6500」や地球深部探査船「ちきゅう」などを用いた深海底調査による、東日本大震災発生後での震源での海底の様子を捉えた映像までを紹介し、地球と日本を読み解いていく。

また、掲載されいる写真や図版には「QRコード」が付されおり、それをスマートフォンなどで読み込むことによって、その写真や項目に関連した調査映像、現地での解説や実験など、収録動画200本以上、総時間約8時間半におよぶ貴重な映像を見ることができる。

また、本書は二部から構成されており。
前半部はフルカラーにより構成され、写真や図版を掲載し、ビジュアル的に構成・解説されている。
後半部は、前半部に記載された専門用語を取り上げながら、ていねいに解説しいていく「用語解説」となっている。また「用語解説」はそこだけを独立させて取り外すことができ、前半部の図版や解説の中で、さらに知りたい専門用語を同時に確認しながら、読み進めることができる。

構想15年。平朝彦先生と海洋研究開発機構(JAMSTEC)が総力を結集した、誰も作ることのできなかった地球科学のバイブル。

感想・レビュー・書評

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  • 平朝彦(1946年~)氏は、東北大学理学部卒、テキサス大学大学院博士課程修了、東大海洋研究所教授、独立行政法人・海洋研究開発機構 地球深部探査センター・センター長、国立研究開発法人・海洋研究開発機構理事長などを歴任し、現在、東海大学海洋研究所長、東大名誉教授。専門は海洋地質学・地球進化論。
    本書の構成・内容は以下であるが、学生のテキストを意識して作られていて、多数のカラー写真や地形図が掲載されているほか、別冊で用語解説がついており、また、写真や図に付されたQRコードにより特設の動画サイトが見ることができ、大変充実したものとなっている。
    1章:地球を眺める・・・大地形の概観、プレートテクトニクス、中央海嶺とトランスフォーム断層、海溝・島弧・背弧海盆、海山と海台、海洋地殻の誕生と消滅、海洋プレートの行方とマントル対流、ヒマラヤ山脈・チベット高原・タリム盆地、北米の山脈とベースンアンドレンジ、アフリカ大地溝帯
    2章:海底の世界・・・東北日本太平洋沖の海底、駿河トラフから南海トラフにかけての海底、相模トラフと東京海底谷、沖縄トラフの海底、フィリピン海プレートと太平洋プレート、熱水活動の驚異、深海の生態系
    3章:地層のでき方・・・地層のできる場所、地層の形を見る、堆積構造のでき方、砂丘の観察、崖錐・扇状地・三角州の堆積環境、河川で堆積構造を観察する、海岸・干潟・浅海の堆積環境、乱泥流とタービダイト
    4章:火山の驚異・・・マグマと火山活動、さまざまな火山活動、ハワイ、伊豆大島にて、雲仙火山の歴史、阿蘇火山および九州のカルデラ群
    5章:プレートの沈み込みと付加体の形成・・・南海トラフの地形、反射法地震波探査からみた南海トラフの構造、南海トラフの地震、地震発生帯を調べる、付加体のモデル実験、四万十帯、四万十帯の起源、メランジュの成因
    6章:地質学的に見た東北地方太平洋沖地震・津波・・・海底の大変動、「ちきゅう」による掘削、巨大津波による浸食と堆積、地盤の液状化、日本列島の地震テクトニクス
    7章:地球史と日本列島の誕生・・・地球史の概観、最古の岩石と地層の記録、酸素大気の蓄積、真核生物の進化、大陸移動・陸上生物の発展・人類の時代、日本列島の地質、日本列島誕生のシナリオ
    8章:海洋・地球を調べる・・・地球の観測と探査、「ちきゅう」の船上にて、海底下の地震波探査、海洋の探査と観測、試料の採取と分析、地下生命圏に挑む、計算地球科学について
    私は(一般のサラリーマンであるが)この分野には比較的興味があり、これまでブルーバックスの『日本列島の下では何が起きているのか』なども読んできたが、たまたま書店で本書を目にし、多数のカラー写真や地形図に惹かれて購入した。そして、この類の分野の本では、やはり視覚的効果は大きく、とても興味深く読み進めることができた。
    「観察」を基本的な手法にして、地球と日本が地質学・地球物理学的にどのようにできているのかを解説した、ビジュアルな作りが一般読者にも読み易い良書と思う。
    (2021年4月了)

  • 大陸の平均高度は800m、海洋底は平均-3800m、ピークは2つある。
    地殻の厚さが違う=大陸地殻は花崗岩質、海洋地殻は玄武岩質、花崗岩は軽いので、浮力を受けて高度が高い。
    プレートは十数枚ある。日本付近はユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート。
    日本海溝は太平洋プレートの沈み込み境界。
    東南海トラフは、フィリピン海プレートの沈み込み境界。
    相模トラフもプレート境界。

    Googleアースでは月や火星の表面もみられる。
    ハワイ島は径200キロの巨大な海山。火山の多様な変遷を見ることができる。世界自然遺産。
    南鳥島は、日本で唯一の太平洋プレート上にある島。

    阿蘇、霧島、桜島、海域に巨大カルデラが存在する。

    太陽系系政治の太陽輝度は今の70%程度で暗い。
    25億年前と7億年前に全休凍結が起こった。
    光合成をする生物は30億年前には存在していた。25億年前にはシアノバクテリアが覇者となった。

  • 関連講義@夢ナビ:
    海底地震観測で見えるもの
    https://talk.yumenavi.info/archives/2530

  • 図解されているのでよくイメージできました。

  • 海底、地層、火山、プレートから地球を読みとく。写真は小さいが豊富。立体等高図、断面図などすべてカラー。眺めて楽しむというよりは勉強。
    一部QRコードによる動画サイトを見られるようになっている。キラウェア火山の所を見てみたが音声による解説がついていた。→動画リストが講談社ブルーバックスHPに載っている。コラムもupされている。

    カラー図解 地球科学入門 収録動画URLリスト
    https://bluebacks.kodansha.co.jp/books/9784065216903/appendix/movies/

    カラー図解 地球科学入門(本中のコラムが載っている)
    https://bluebacks.kodansha.co.jp/books/9784065216903/appendix/




    2020.11.17第1刷 図書館

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著者プロフィール

東海大学教授・海洋研究所長。国立研究開発法人 海洋研究開発機構・顧問。東京大学名誉教授。
四万十帯および南海トラフを中心としたプレート沈み込み帯の付加作用の研究で地質学に新分野を創生。地球深部探査船「ちきゅう」を用いた深海科学掘削に参画、海洋地球科学で最先端分野と学際領域の開拓を目指してきた。

「2022年 『人新世 ―科学技術史で読み解く人間の地質時代―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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