古代哲学史 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065219102

作品紹介・あらすじ

本書は、20世紀の日本を代表する哲学者・田中美知太郎(1902-85年)による生前最後の単行本です。
古代ギリシア哲学の専門家として、数々の著作や翻訳を送り出すとともに、日本西洋古典学会の設立に携わるなど、日本の哲学界の大きな礎を築いた著者が最後に残したのは、「古代哲学史」という単刀直入なタイトルを冠した1冊でした。全三部から成る本書の第I部では、万物の始源は「水」だと説いたタレス(前585年頃)に始まり、アナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、アナクサゴラスなどを経て、ソクラテス、プラトン、アリストテレスに至る哲学史の流れを大づかみにしてみせる「西洋古代哲学史」が収録されています。文庫版で100頁にも満たない分量で要点を的確に押さえた思想史を描く力量は、まさに出色です。
第II部では、古代哲学をより深く知りたいと願う読者のために碩学がアドバイスをする、という趣きを帯びています。残された哲学者たちの著作に触れる時に注意すべきこと、そして参考書や研究書を含めた読書案内まで、実践的な哲学ガイドとして役立つことでしょう。
そして、第III部には、著者が何度も改訂を繰り返してきたヘラクレイトスの残された断片の日本語訳が収録されています。ここに読むことのできる言葉は、時に謎めき、時に不思議な魅力を放つ、古来、多くの人たちを惹きつけてきたものです。
著者がその最期に読者に向けて贈った本書には、長年月にわたる研鑽の果実が惜しみなく凝縮されています。近年は政治論や文明論などに光をあてられることの多い偉大な学者の神髄に触れられる絶好の1冊です。学術文庫版には、田中美知太郎に思い入れを抱いてきた國分功一郎氏の解説を収録し、文字どおりの決定版となります。

[本書の内容]
 I
西洋古代哲学史
古代アトム論の成立
 II
古代哲学 一
古代哲学 二
 III
ヘラクレイトスの言葉
あとがき
解 題(國分功一郎)

感想・レビュー・書評

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  • ・まずその時間の枠は、紀元前六世紀のはじめから紀元後六世紀のはじめまで、およそ千百年余にわたるものであると言うことができるだろう。

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著者プロフィール

1902年新潟市生まれ.
1926年,京都帝国大学文学部選科修了.
法政大学講師,東京文理科大学講師などを経て,1950年,京都大学文学部教授.
京都大学名誉教授.文学博士.古代ギリシア哲学専攻.
哲学のみならず,広くギリシアへの深い造詣により,わが国の古典ギリシア研究の水準を高めることに寄与.


「1977年 『国際学術講演集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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