- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065219515
作品紹介・あらすじ
「なぜあの時あれを見逃してしまったのか」「なぜこんなものを買ってしまったのか」「どうしてあんな簡単な問題が解けなかったのか」---誰しもが日常的に経験しているであろう、なぜか誤って認識したり、いつもならするはずのない判断や行動。それはなぜ起こるのか。このようなふつうの行動に現れる心の働きの偏り、歪みのようなものである「認知バイアス」について、わかりやすい事例を挙げて解説します。
認知バイアスという言葉は、一般的にも時々使われるようになってきて、なんだかよくわからないけど間違ってしまった、おかしなことをしてしまった、というときに認知バイアスという言葉で片付けようとする安易な解決も見られがちですが、著者は、「知」を身体、社会、感情、環境なども取り込んでトータルな人間の理解を深めようとする認知科学に基づき、理論的に分析しています。また、なぜ誤るのか、そして誤ることには意義があるのか、それは何なのかを解き明かします。
認知メカニズムは、ある状況では賢い判断をするように働き、ある状況では愚かな判断を生み出す。つまり人間は賢いようで愚かで、愚かなようで賢いものであるということがわかる1冊。
第1章 注意と記憶のバイアス:チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶
第2章 リスク認知に潜むバイアス:利用可能性ヒューリスティック
第3章 概念に潜むバイアス:代表性ヒューリスティック
第4章 思考に潜むバイアス:確証バイアス
第5章 自己決定というバイアス
第6章 言語がもたらすバイアス
第7章 創造(について)のバイアス
第8章 共同についてのバイアス
第9章「認知バイアス」というバイアス
感想・レビュー・書評
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人の認知機能における各様々なバイアスについて、そして、またそれがどのようにして現れ、どのようなデメリットがあるのかをかなり詳しく述べていました。もちろん、デメリット意外のところについても書かれていましたが。とても分かりやすく、人のエラーの裏を読み解けるいい本です。
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認知バイアスについて理解が深まる
初めての認知バイアスに関する書籍であったが、理解しやすく、認知バイアスについての知識、考え方、用語を体系的に学べた。認知バイアスについて深く知らない方々にオススメです。
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認知機能の不思議な世界に招待してくれる一冊です。心の働き偏りや歪みをさまざまな視点から浮き彫りにし、心の働きを探求していきます。とても興味深く、ページを捲る手が止まらなくなります。各章の末尾にさらに学ぶためのブックガイドも掲載されており、認知を探究する旅はこれで終わりません。本書を旅のしおりとして、奥深い人間の心理という謎を冒険してみてはいかがでしょう?
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おもしろかった。知っていることもあったし、難しいところもあったが、興味深い話がたくさんあった。人間の認知バイアスの仕組みや愚かさ、利点を説明してくれている。
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人間の認知バイアスについて、事例を交えてわかりやすく解説している。
「見ているようで、見ていない」
「合理的なようで、合理的でない」
だからこそ人間は面白いと感じた本。 -
実験ベースで認知に関する面白い情報が紹介されていて、ふむふむと思いながら読めた。
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データで可視化できる事実についてはFACTFULNESSと同様のことを述べている部分も多い。また、ヒト・モノに偏見に基づいた低評価を下してしまうと負のスパイラルに陥ってしまう話は、分かってはいてもあらゆるシーンで起こり続けているんだろうなと思った。5.5でちょうどセルフコントロールの本で見た話題(※)があり、その議論が深まっていく過程が面白かった。
※ 運動指令が出た後の副産物として意図の認識が生じる。つまり自分の認識できる意図によって身体を動かしている、という考え方は見かけの因果に過ぎず、脳は無意識下の活動を行っているというもの。 -
課題で読んだけど普通に面白かった
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なぜ読んだか
・自分の思考は何かに囚われているのもではないのかと漠然とした疑問があったので、人の心の動きを理解するため
学び
・自分で決断したことだと思っていても無意識のうちに経験したことがその判断に寄与している可能性がある
・創造は突然にひらめくものではなく、試行錯誤を繰り返して徐々にひらめいていくものである
今後どうするか
・バイアスに惑わされないように注意するだけではなくて、バイアスを活用することで他者の意思決定を操る方法も考えられる。
・創造的になるには心の制約を緩和・外す必要がある。何が制約になっているのか冷静に見極めることや発想に多様性をもたせることで制約を緩和していくことを心がけたい。