倒錯のロンド 完成版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065219652

作品紹介・あらすじ

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を飲む。受賞間違いなしと自信を持って応募した推理小説新人賞が、何者かに盗まれてしまった! 盗作をいくら主張しても誰も信じてくれない。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていくときの衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の”原点”に位置づけられる名作、改訂が加わった新装完全版。 

感想・レビュー・書評

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  • この本に興味がある人は、叙述トリック、
    どんでん返しを期待していると思う

    騙され続けるのは快感だが,
    ここまで転がされ続けるとちょっとお 腹いっぱい

    総じて折原一著書の装丁が固く、
    文書も固いだろうと勝手に想像し敬遠していたが
    全くの逆で平易な文書で読みやすい

    20年の時をかけて完成版に仕立て上げるといのは
    熟成ウィスキーのようで高尚に感じる
    この本を勧めるネタには丁度よい

  • どんでん返しの名作の1つといわれる作品。
    読んでいるときは、山本視点が「手記」となっていたためこっちに何かしらのトリックが隠されているのかと思っていたら、まさかの白鳥翔に仕掛けが施されていたとは思わなかった。まず最初に山本安雄が白鳥翔が既にデビューしている作家を新人作家と勘違いし、その小説の写しを作り小説に明るくない永島一郎が取ってしまった事で、更におかしな展開になっていくという所が構成がとても面白かった。
    盗作された(と思っている)山本と盗作した(と疑われている本物の)白鳥の掛け合いはテンポが良く読みやすい物となっていながら、両者とも勘違いしたまま話が進んでいるのがそれなのに全く読者に秘密を悟らせないという構成がとても上手いと感じた。クライマックスに行くにつれて何重もの罠が一気に解かれ、読み切ったと思ったら、最後に衝撃の結末。まさか最後にあの人がそんなことをするのかと、彼のためとはいえ凄く切ないと感じてしまいました。そして、後書きのような最後の部分はフィクションかノン・フィクションかとても深い作品と思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    山本安雄:神谷浩史
    白鳥翔:東地宏樹
    城戸明:関智一
    立花広美:内田真礼

  • どんな結末か気になり一気に読み終えたが、あまり感心しなかった。トリックや仕掛けを頑張ってるのはわかるけど、惹かれるものがないというか‥。自分好みではなかったのかも。

  • 叙述トリックの名手の異名を持つ作者の代表作。

    叙述とメタ構造と作中作にパロディと色んな要素をこれでもかとぶち込んで、まさにタイトル通り「倒錯」を味わえる作品となってます。

    文章は良くも悪くも平坦なのでグイグイ読むことが出来たけど、いかんせん色んな要素が入り混じって、かなりややこしくなっているので、最後の種明かしのシーンはページを行ったり来たりしてましたw



  • どんでん返し。しかししっかりと伏線が散りばめられておりフェアだなと思いました。

    登場人物全員が狂っている、かつ、誰が誰なのかわからなくなります。
    前半めっちゃ面白くて後半の結末が少し物足りないかなという感じ。

    途中で折原さんの一言みたいなのが入っており少し冷めましたw

  • ところどころ違和感を感じつつ
    色々と推理もしつつ
    やっぱり と思う部分もあったけれど
    結局はだまされてしまった。
    なるほどそうきたか、と楽しい気分になった。
    ただ筆者の言葉はいらなかったかな。。

  • いままで読んだミステリーの中でもトップクラスに秀でたタイトル回収。何重にも重ねられたトウサクに、筆者の遊び心を感じます。
    とはいえ読んでるこっちまで狂ってしまいそうな展開に、他のミステリーと違い「一度読むと二度読みたくなる」とはいかないかも。読後感が爽やかとは言えず、最終章付近では更なる情報の追加に少し戸惑いやシラケを感じてしまいました。

  • 登場人物クズしかいないな〜!!!!でもリアルなクズ加減で心が痛んだ!私もクズなので
    読み進めていくたびにどうなるんだ?という予測不能な感じと、些細な違和感を抱いていたけど、最後の院長の言葉で情緒がめちゃくちゃにされた!そういうことか!!面白い!!!!あと、途中に挟まれる筆者の言葉に何なんだろう...と疑わされるのも楽しかった
    解説のロンドも大変面白くて、折原一先生の作品にとても関心を持ったので他のも読んでみたいと思います

  • 1回目を読んで、スッキリしない部分が多かったので2回目を通読。最初の評価は「言われているほど名作か?オチも…」という他の方と似たような感想だったが、2回目で「だからこういう表現なのか!ここはダブルミーニングだ。ここはこうでないと物語が成立しない!」などと、折原さんの細やかな伏線の一つ一つに驚く。中には途中でネタバレまがいの記述もある。若干後出しの情報や不親切でずるいなーと思う部分も感じつつ、それでも星5つ!
    噛めば噛むほど味が出る職人芸、といった感じ。作品自体は初読でも素直に読める。折原作品はこれが初めて。早く他の作品も読みたい。

  • スピード感が心地よく、最後どうなるんだろうとどんどんページをめくった。読みやすい書き方で、登場人物も興味深く、おもしろかった。しかし最後のネタばらしのような答え合わせが、私としては白けてしまった。私の好みではなかった。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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