喰うか喰われるか 私の山口組体験

著者 :
  • 講談社
3.60
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本棚登録 : 183
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065221044

作品紹介・あらすじ

田岡時代から山一抗争、五代目体制発足、山竹戦争、宅見勝若頭暗殺、六代目クーデター、分裂抗争ーー暴力団取材の第一人者として大物ヤクザたちと対峙してきた著者がはじめて明かす生々しいやりとり。

渡辺芳則五代目や宅見勝五代目若頭との息詰まる攻防、一和会大幹部の常人離れの乱行、竹中武竹中組組長のヤクザ道、中野太郎中野会会長との会話……ここに山口組の「菱のカーテン」の内幕がすべて描かれる。

自らを刺傷され、編集部に暴漢が押し寄せ、息子までが狙われる――三度の襲撃に見舞われながら、日本最大の組織暴力と真っ向立ち向かい続けた著者による、半世紀にわたった戦いの記録。

第一章「血と抗争 山口組三代目」 ヤクザ取材事始
第二章 山一抗争 ノンフィクションライターとしての覚悟
第三章「荒らぶる獅子 山口組四代目」 竹中兄弟の侠気
第四章 山健一代記 渡辺芳則との確執
第五章「五代目山口組」刊行と襲撃事件 緊迫の日々
第六章 もうひとつのFRIDAY襲撃事件 『民暴の帝王』で悪だくみ
第七章 同志としての伊丹十三 チャイナ・マフィアの根城に乗り込む
第八章 宅見勝暗殺事件 中野太郎との会話
第九章 渡辺芳則への意趣返し 『食肉の帝王』と『山口組経営学』
第十章 代替わりしても山健組は仇敵 息子までが襲われて
第十一章 弘道会最高幹部との法廷対決 『魔女の履歴書』
第十二章 山健組との決着 和解に至るまで
終 章 山口組時代の終焉 分裂抗争を間近で見届ける

感想・レビュー・書評

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  • 作者の山口組を取材した50年間についての回顧録本。
    ヤクザ物は全然知らないのだけど、社長がオススメといって社内図書にいれてくれたので読んでみた。
    正直、自分があまりにもこの分野に疎いこともあって、なかなかイメージしづらかったり、登場人物が覚えられなかったりしたのだけど、こういう社会もあるのだなということが知れて面白かった。
    いろいろあったけど、ヤクザの人って口が軽い人が多いのだろうなと思った。軽く、記者に話をするタイプが多そうだなと思った。著者も聞きたいことじゃない話をされてうんざりせずに、そのうち使えるかもと思って聞き続けていたのがすごい(実際に数十年たってから使ったとか)。
    とはいっても、著者もヤクザをの取材をつづけるにあたって、背中を刺されたことがあるようだけど、刺されたことはすぐには気づかなかったらしい(人とぶつかったのは分かったそうだけど)。歩いているときに、背中に手をあてると出血がひどくなってるのに気づいて、後ろを歩いていた女性に「私の背中から血が流れていますか」と聞いて「ええ、量が多いですよ」と言われたらしい。ここだけ読むと、冷静すぎてギャグじゃないかと思える。女性は指摘される前に何も思わなかったのだろうか。
    ヤクザ映画のモデルとなったヤクザに許諾をとるという話がちょっと面白かった。案外あっさりとれるものなのだなとちょっと驚き。そんな簡単に連絡がとれるもんなのか。
    後、面白かったのがヤクザと親交のある人や団体についての話。途中、創価学会の記事を書く話があって、山口組から離れてそういうことも書いていたという話かと思えば、後に山口組の後藤忠政という方に創価学会に会って取材したとあって関係あるのかと驚いた。1989年のことだそうだけど、調べたらこの方は2010年に創価学会についての関係を記した本を書いて話題になってたらしい。でも、知ってる人は昔から知ってたということなのかな。
    後は、11章の細木数子の話とか。急にぱったりテレビにでなくなったと思ったけど、暴力団との関わりを知られたことによる経緯もあったのだろうなと思った。
    それと、暴力団に所属するには、月会費がいるということを知って驚いた。どちらかというと、身寄りのない人間を雇って詐欺まがいのことをして金をかせいでいるイメージで、組員からはお金を徴収していないイメージだった(会社組織的な)。月会費を払うために彼らはどうやって稼いでるのだろう。
    まあでも、いろいろあって山口組は衰退していっているのだろうなと最後の章を読んで思った。中には、「少しでも社会の役に立ち、社会に認められるヤクザ像」を理念にもっている人もいるそうだけど、それは難しいだろうなと思う。そんな理念があるなら、NPOにでもなったほうがいいだろうと思うのだけど、多分、本当の意味で確信犯的なことをする必要があるということを考えているのではないかなと思った。
    ところで、最初の取材の時に、「神戸新聞と兵庫新聞の記者の話を聞くといった具合」なんてことが書いてあったけど、昔は兵庫新聞なんてものがあったということを初めて知った。調べてみると、1959年から1968年まで存在した夕刊紙らしい。

  • 宅見射殺ぐらいから、筆者を巡る訴訟など、利害関係が話の中心になってしまう印象でつまらなく感じる。一方でそれだけ深い取材をしているということだと思うし、本の趣旨としてもそれで良いのだと思う

  • すごい世界もあるもんよ。
    でも、リーダーの本質は決定と言葉と組織。

  • 反社は暴力団に限らず。地下に潜った組織が怖い‼

  • 溝口敦さんと森功さん。文藝春秋など雑誌の目次に名前があると問答無用にまずそこから読むノンフィクション界で信用できる作家さん。
    そんな溝口さんの本ですので、大変面白く読みました。全て面白かったですが、自分が興味深かったのは、「仁義なき戦い」のモデル「美能」さんのことを粘着質と書いているところ。なんとかく菅原文太さんの演技を思い出してしまいました。
    また、ヤクザは一般人には手を出さないと書いてありました。ちょうど九州の工藤会が一般市民を襲っているといういニュースを見たので、なんだか暴力団も変質しているのかと感じました。映画「ヤクザと家族」や「孤狼の血」ではないですが、社会の変化と暴力団の変化、その辺がとても面白かったです。

  • 正直なところ作者については暴力団もの専門ライターと思っていてまともに先品を読んだことがなかったのだけど「食肉の帝王」を読んで感銘を受けたのと本作の世評も高いので手に取ってみた。山口組のルポタージュで世に出て、その後にいくつか書いた内容の一つが気に食わないと山口組から攻撃を受けるハメになり自身はもとより息子までが刺されて怪我をし、果ては出版社まで襲撃される事態を招いたというある意味かなり腹の据わった書き手が取材相手である暴力団とどう付き合い、どう取材してきたのか、をまとめた作品。かなりあけすけに人物評価も書いてしまっており〜評価が高いのは竹中四代目とその兄弟、評価が低いのは渡辺五代目と宅見若頭、中野会会長、山健組の先代、当代、司六代目、などなど要は竹中以外のほぼ全員(笑)〜普通はどういう報復があるか分からないので怖くて人前で口に出すのも憚られるような内容もあけすけに書いてしまっている。そりゃこんなこと書いてたら刺されるよ、という感じだが、だからこそ貶されている相手にも一目置かれるに至った感じがよく出ていて非常に面白い。リアルタイムに一和会の分裂や四代目の暗殺事件、宅見組長暗殺事件、五代目の追放などを報道では知っていたものの事件の背景や真相などはよくわからないと思っていたのだが本作を読んでなるほどそういうことだったのか、と腑に落ちた感じがする。思えば暴力団が白昼堂々と抗争や暗殺、果ては気に食わない一般人まで襲撃するというすごい時代があってどこか作者もその時代を懐かしんでいる、そういう印象を受けた。今の若い人にどこまで響く内容なのか疑問だがリアルタイムに報道に接していた年代の人にはかなり面白い内容と思った。

  • 2021年6月12日読了

  • 山口組と溝口敦の50年/ 二度も山健とトラブルになり、一度は本人が二度目は息子氏が刺される/ 最初に宣言されているとおり、鬼籍に入られた方などは実名でエピソードが書かれているので面白い/ 長野の近松組組長など素直な人でと書かれていて、従前の印象を覆され良かった/ また竹中武など暴力一辺倒と思われるヤクザも、丁寧で気遣いな面もあるのだと、山口組離脱後の交流などで知ることが出来た/ 細木和子が住吉会や山口組の幹部と付き合っている実例なども興味深い/ 山健組の現在の四散を予見するかのような二代目時代からのエピソードなども良い/ 山健は古参組員がいないなどの視点がいい/ 

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。ジャーナリスト。1942年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、フリーに。著書には『暴力団』(新潮新書)、『血と抗争 山口組三代目』『山口組四代目 荒らぶる獅子』『武闘派 三代目山口組若頭』『ドキュメント 五代目山口組』『山口組動乱!! 日本最大の暴力団ドキュメント2008~2015』などの山口組ドキュメントシリーズ、『食肉の帝王』(以上、講談社+α文庫)、『詐欺の帝王』(文春新書)、『パチンコ30兆円の闇』などがある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞を受賞した。

「2021年 『喰うか喰われるか 私の山口組体験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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