新・水滸後伝(下) (講談社文庫)

  • 講談社 (2021年3月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784065227541

作品紹介・あらすじ

「この国は亡ぼさせねえぜ」
新天地を築く梁山泊の一党に襲いかかる敵、敵、敵!
人心沸騰の逆転劇、歴史伝奇小説

様々な戦いを経て、ついに一堂に会した梁山泊残党。彼らは新天地を求めて宋の国を飛び出し、大洋を隔てた島へと渡る。その地に理想の国を築こうとするも、圧倒的な数の兵力を率いる金軍、さらには巨大な惨禍を巻き起こす呪術を操る妖人・薩頭陀が島を襲った。好漢たちは固き志を胸に強大な敵と対峙する!

みんなの感想まとめ

壮大な戦いと再生の物語が繰り広げられる本作は、梁山泊の生き残りの好漢たちが新天地を求めて再結成し、数々の試練に立ち向かう姿を描いています。前作『水滸伝』の悲壮感を引き継ぎつつ、強力な敵である金軍や呪術...

感想・レビュー・書評

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  • 田中版「水滸後伝」の後編である。よくもまぁ2巻にまとめたなぁと思えるほどの怒涛の展開ではある。

    上巻では、「水滸伝」生き残りの32傑が次第と再結集し、李俊や楽和、童威、童猛たちが(現在の)上海東海にある架空の島国・金ゴウ島の主になるまでを描いた。

    下巻では、遂に李俊が金ゴウ島隣の王国・暹羅(せんら)本島の王様になってしまう。妖術入り乱れてさまざまな戦いの後、32傑は武松を除いて一堂に集まり、新しい義兄弟4名、他に義を結んだ者4名、義兄弟たちの息子4名が集まって物語が終わる。

    清代の陳忱(ちんしん)が原作を書いたのは、ひたすら悔しかったからだろう、と腹落ちした。水滸伝108星の好漢たちの終わりがアレでよかったのか?弱きを扶け強きを挫く。それが発展して宋軍をも打ち負かす梁山泊になったのに、天命に支配された宋江の命令とは言え、あっという間に宋王朝に「帰順」し、主要星76人を失ってしまった。あの魯智深が、林冲が、秦明が、李逵が、九紋龍史進が、こんな終わり方で良かったのか!!本来なら彼らは理想の国を作りたかった筈だ。歴史は変えられない?そんなことはない。私に任せなさい。ようわからんが、海の東の彼方には幾つか王国があるらしい。台湾とか琉球とか、そんな名前使わんかったらいいんやろ?中華思想かも知れへんが、そこなら梁山泊残党でも充分支配できるやろ。彼らの夢はそこで叶えたらいいねん(←何故かだんだん関西弁に)。と、陳忱は思ったに違いない。その証拠に、今度は仲間は増えこそすれ、1人たりとも減らなかった。

    水滸伝で心残りだった、宋王朝への「礼」は燕青が叶え、憎き宦官や童貫などの宋軍の「腐った輩」は、きっちり落し前をつけ、案外いい人たちの聞煥章、何故かピンピンしている王進、扈成たちが重要な味方になってしまう。なんでもあり。パラレルワールド!ともかくハッピーエンド!田中芳樹は、ホントは「後伝」をひたすら編集者に読ませることで、講談社に普及版を刊行させたかっただけらしい。それがいつの間にか自分で描くことになった、と後書きでボヤいている。もっとも、楽しそうに描いているので、それはそれでいいのかも。

    扈成が言う。「この国はまだまだ豊かになれるよ。宋、高麗(韓国)、占城(ベトナム)、日本、天竺(インド)‥‥これらの国々のちょうど真ん中にあるから、貿易の中心地になれる。漁場も豊かだし、島の奥地は黄金が産出するし、森には香木がぎっしり生えている」()内は私の注。(198p)
    こういう書き方は、田中芳樹の分析なのだろうけど、実際台湾や琉球が、戦争に巻き込まれなかったら、豊かな独立国になっていたと私は思うのである。


    因みに、暹羅国の南側にいっとき李陵たちと敵対する三つの小さな島(と言っても五千人の軍隊を出す人口はあるのだが)がある。その一つが釣魚島という。ゲ、これは尖閣諸島の日本名魚釣島のことじゃないか!やはり清代から中国は魚釣島を占拠していたのか?と思ってはいけない。先ず位置関係が全く違う。しかもホントの魚釣島は数千人が生活できる島ではない。多くて数十人でいっぱいになる島なのである。清代に島の実態を全く知らなかったことが、これでかえって証明できるだろう。結局三島は李俊の王国と平和友好条約を結んでいる。

  • 水滸伝本編の後の物語の後編!

    久々に良いものを読んだ気がします。
    通常の水滸伝で最後に多くの好漢達が命を落とします。
    本作はその後の物語なので出涸らしかと思いきや、呼延灼や関勝、楽和や燕青らが大活躍!!!

    田中芳樹作のオリジナルキャラ薩頭蛇という魔人登場!!?
    まるでアルスラーン戦記に出て来るザッハークのように手強い・・・
    →公孫勝と武松の二人にはアルスラーン戦記に出張して欲しい!

    皆殺しの田中は今回も皆殺しにするのか?
    興味のある方はぜひお読み下さい!!!


    梁山泊の生き残りの好漢達が新天地についに揃って再結成!
    謎の魔人薩頭蛇の操る呪術は新天地に新たなる災いをもたらす。
    そして圧倒的兵力の金は宋と梁山泊を滅ぼしてしまうのか!?

    滝沢馬琴も追い求めた水滸後伝!
    読んで良かった一冊です!

  •  水滸後伝のあらすじはなんとなく知っていたのだけどちゃんと読んだことはなかったのでふと買ってみました。
     阮小七が主人公のラノベだと思っていたらやっぱりそんな感じでした。強敵キャラが味方に!? みたいな少年漫画定番の展開もいい感じです。
     ストーリー自体が面白いかと言われると、石洞で燻されて死んじゃう敵の一族とか「そんなことあるかいな」と思いながらゆるく読む感じでひとつ……ラノベなので……。
     北宋末期のドタバタ感はやっぱりいいなあ。治安が悪すぎてすぐに肉まんにされちゃいそう。飲食の描写が美味しそうで好き(これは水滸伝の感想)
     あと、これは私の読解力の問題と思われますが時々誰が何をしているのかわからなくなってしまう部分がありました。人が多いせいにしておきます。

  • そう、こんなラストが見たかったのだ。
    生き残った梁山泊の好漢たちが再び一つ場所の集い、数々の戦いを乗り越えて、自らの生きる場所をつかみ取る。
    いやあ、これぞ実に期待したとおりの展開。
    水滸伝の悲壮さを我慢できなかった元祖『水滸後伝』の作者の気持ちが良く分かる。
    田中芳樹版でもラストの幸福感がとても良かった。
    ただ翻訳を意識したのか、いつもの作者の口調はあまり感じられなかったけれど。
    でも面白かった。

  • 水滸伝は未読で、先にこちらを上下巻読了。
    元ネタが分からないなりにも説明もあったので楽しめました。小話が集められてるのが読みやすい。

  • 108人まではそろわないものの、梁山泊の生き残りの好漢たちが、いよいよ建国へ。強敵が現れる中でも、自分たちの考える楽天地を作るために、それこそ命をものともせずに、侠の気持ちで天命を尽くそうとする。ロマンを感じます。

  • やっぱり、ただこの面々が活躍しているというだけで胸躍る。でも結局それ止まり。北方水滸伝がなければ、もう少し好印象だったのかな。いや、それを読んでなければ、きっと本作にも手は伸びていない。
    幻術的な部分を一切排して、致死軍とか隠密の世界に置き換えたところに、件の作品の圧倒的素晴らしさの一因はあるんだけど、本作を読んでみて、やっぱり幻術は要らんな、という思いを新たにした次第。そんなもん、並の人間が立ち向かえる訳ないがな。という訳で、本作のラスボスが幻術使いだったことにもげんなり。

    • tokyobrainieさん
      北方水滸伝はクソ。兄嫁寝とった武松が潘金蓮の股から血が出てるのを見て狼狽するとか原作レイプも甚だしい。こうやって平気でネタバレ書き込むお前み...
      北方水滸伝はクソ。兄嫁寝とった武松が潘金蓮の股から血が出てるのを見て狼狽するとか原作レイプも甚だしい。こうやって平気でネタバレ書き込むお前みたいな自分語りクソ野郎の愛読書。
      2021/04/09
  • 水滸伝に続編があるのを知らんかった。
    スターウォーズ的銀河英雄伝説的な楽しさあるなぁ。漢(おとこ)の話はいとをかしデスね。

  • 過酷な運命に涙した梁山泊残党が再び悪政と対峙する。痛快無比の大活劇、歴史伝奇小説。

  • 梁山泊の好漢達は、新天地を求めて、宋から飛び出して、豪快な好漢達が強敵を相手に暴れまわる。
    愛された梁山泊の好漢達を生き長らえさせたかったため、後伝ができたのだろう。

  • 色んな膨らませかたがあるね

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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