文芸ピープル 「好き」を仕事にする人々

  • 講談社
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本棚登録 : 93
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065228289

作品紹介・あらすじ

著名な賞の受賞、ベストセラー……、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか?
アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、装幀のデザイナー、書店など、
本作り&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセイ!

日本文学が、ここ数年、次々に英訳され、読者を獲得し、そこからまた世界に広く紹介されている。村田沙耶香『コンビニ人間』などベストセラーも生まれ、昨年は柳美里『JR上野駅公園口』が全米図書賞を受賞するなど、読者が広がり、高い評価を受けている。注目されるのは、若い翻訳家や編集者による紹介、独立系の出版社からの刊行、という新しい動きだ。

いま何が起きているのか?
作品はどのように発見され、翻訳出版されているのか?
なぜ女性作家が注目されているのか?
「日本」はいまどのように受け取られているのか?

〈目次〉
1章 英語圏の新世代の翻訳家たちに聞く
2章 新しい「日本文学」を編む編集者たち1ー-『コンビニ人間』が英語圏の読者に届くまで
3章 新しい「日本文学」を編む編集者たち2ー-日本語の原体験と編集の仕事
終章 変化の年

感想・レビュー・書評

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  • 村田沙耶香『コンビニ人間』(私も英語版を持っており、中身同じの3色展開を書店で見たとき驚いた)のヒットがきっかけとなって日本やアジア女性作家のムーヴメントが来ていることを知らなかった。
    また、イギリスでは大学で修士号を納めた人がプロ作家になることや、プロも作品を投稿すること等の、文学界を取り巻く構造の違いも興味深かった。
    日本ではそもそも文才のある人が独学またはデビューしてから育てられて大成するイメージがある。
    もちろん大学に「文学部」はあるけどプロ作家になるための学部ではない。そういう学科があるのかもしれないけど自分は聞いたことはない。
    あと海外の作家が寡作なのもやっぱりそうなのかと思った。

    音楽フェスの文学版のようなものが行われていて、それに結構人が集まっていることにも驚く。
    私は作り手でも何でもない単なる本好きだけど、文学というものの必要性有用性は感じるし、それを誰よりも体感していて動いている真摯な人たちがいるのだと本書を読んで思った。
    作家も翻訳者も編集者も本当にすごい。信頼関係もものを言うし。どの業種もそうだけど、いかなる時もプロの仕事をしているのだ。
    作家を招いたフェスに人が集まる様子を見て、そういう場所では受け手も育っているのではないかと感じた。

    文学に限らずどんな文化的なジャンルにも言えることだけど、商業的成功を第一に考えるというよりも、業界全体の底上げが利益にも結び付くといいのになと思う。
    出版で言うならいい本がたくさん読まれる世の中。
    そのためには文化庁的なところにもがんばってもらう必要があるけど…
    各地で文化を支える豊かな土壌が作られ、守られようとすることを願う。
    そのために私は今日も本を買う。

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。作家・翻訳家。現在、早稲田大学国際教養学部准教授。日本文学の英訳や国際的な出版・文芸交流プロジェクトに幅広く携わる。訳書にSnakes and Earrings (金原ひとみ『蛇にピアス』)、Triangle (松浦寿輝 『巴』)、Kutze, Stepp’n on Wheat (いしいしんじ『麦ふみクーツェ』)、著書に『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』(みすず書房)などがある。



「2021年 『文芸ピープル 「好き」を仕事にする人々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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